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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

めぐり逢えたら
  • アラビアの女王 愛と宿命の日々
  • 『アラビアの女王 愛と宿命の日々』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:ギャガ
  • ■価格:¥3,800+税
  • 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
  • 出演:二コール・キッドマン
    ジェームズ・フランコ
    ロバート・パティンソン
    ダミアン・ルイス 他
 

(C) 2013 QOTD FILM INVESTMENT LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

アイット・ベン・ハドゥの集落(モロッコ〜ワルザザート)

砂漠に浮かぶ美しき要塞(ようさい)村


エンパイア・ステート・ビルディング(アメリカ〜ニューヨーク)

(C)majonit

「イラク建国の母」ともいわれる英国人女性の半生を描いた、ニコール・キッドマン主演の『アラビアの女王 愛と宿命の日々』。20世紀初頭のアラブ民族独立に協力した英国人といえば、『アラビアのロレンス』(アカデミー賞7部門受賞)のモデルにもなった英国将校T・E・ロレンスが有名ですが、本作はそのロレンスよりも十数年前にアラブに尽力したといわれる“砂漠の女王”こと、ガートルード・ベルの知られざる半生に迫っています。

裕福な英国鉄鋼王の令嬢であり、旅人、考古学者、詩人、そして諜報(ちょうほう)員として、各地に住まう部族と交流しながら民族対立の平和的解決に献身したベル。イラン、ヨルダン、シリアなど約2,500キロにも及ぶ旅の目的地の一つとして、アラブの覇者イブン・ラシードの元を訪れていましたが、その居城のロケ地となったのがモロッコの世界遺産である“アイット・ベン・ハドゥの集落”です。

モロッコ中部、サハラ砂漠入口の町ワルザザートの近郊にあり、隊商交易の中心地だったアイット・ベン・ハドゥ。17世紀にベルベル人によって築かれたこの集落は、カスバと呼ばれる日干しれんがでできた建物を密集させ、村全体を一つの要塞としていました。村の入口を一つにすることで盗賊など外部の敵の侵入を防いでいましたが、たとえ侵入できたとしても待ち構えているのは細く入り組んだ迷路のような道や、カスバに一定間隔で設けられた銃眼。さらに、集落の最上階には籠城に備えた食糧庫も設けるなど高い守備力を誇っていました。

砂漠地帯の過酷な環境や侵略者の襲撃と闘ってきた集落は、時を受け継ぎながら現在も数家族が水や電気のない昔ながらの暮らしを続けています。世界遺産に認定された古代の貴重な遺産は、本作の他にも『アラビアのロレンス』や『グラディエーター』、『ハムナプトラ』など数多くの映画で見ることができます。

強く、気高く、そして美しく。時代が、彼女を選んだ―

■Introduction

「砂漠の女王」と呼ばれたイギリス人女性ガートルード・ベルの半生を描いた伝記ドラマ。ベルのミステリアスな雰囲気に魅了されメガホンを取ったのは、ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督。『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』でグレース・ケリーを演じたニコール・キッドマンが、力強さと美しさとカリスマ性を兼ね備えたベルを演じる。さらに『127時間』のジェームズ・フランコ、『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソンら若手実力派俳優が脇を固める。

■Story

20世紀初頭、一人の女性が英国を旅立ち、アラビアの地へ向かおうとしていた。彼女の名はガートルード・ベル(ニコール・キッドマン)。イギリス鉄鋼王の家庭に生まれ社交界にデビュー、オックスフォード大学を卒業した才女だ。自由なトラベラーであり、考古学者であり、諜報(ちょうほう)員ともなった彼女は、やがて“イラク建国の母”と称されるほどにアラビアの地に根付き、情熱を注いでいく。やがて時代は大きなうねりとともに転換し、ベルはその渦の中心的存在となっていくのだった―。

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駆込み女と駆出し男
  • ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期
  • 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:¥1,429+税
  • 監督:シャロン・マグアイア
  • 出演:レニー・ゼルウィガー
    コリン・ファース
    パトリック・デンプシー 他
 

Film (C) 2016 Universal City Studios Productions LLLP. All Rights Reserved.

アラフォーになり、あの部屋は今―。

“アラサー”独身女性の本音とリアルな日常を描き大ヒットしたレニー・ゼルウィガー主演の『ブリジット・ジョーンズの日記』。第1作目では32歳だったブリジットですが、第3作目となる本作では43歳に。“アラフォー”になり仕事こそテレビ局の敏腕プロデューサーとして活躍しているものの、プライベートではなぜかいまだに独身のまま。そんなブリジットですが、今回は原題“Bridget Jones's Baby”が物語るように、昔の恋人マークと、イケメン実業家ジャックとの間で揺れる恋と妊娠騒動が描かれます。

ブリジットといえば、お酒とたばこが好きで、ダイエットを決意してもすぐに挫折。けれども一生懸命でとことんポジティブな姿はとってもチャーミングで、たとえ仕事でへまをしたって「ま、いいか」と許せちゃう魅力の持ち主です。そんな完璧ではないヒロインの個性は部屋にもよく表れていて、前2作で登場した1LDKのフラットは、落ち着いた赤を基調にアンティーク調のランプや小物、暖炉などイギリスらしいインテリアでまとめられているものの、脱ぎっぱなしの服やゴチャゴチャと無造作に置かれた棚は生活感たっぷり。そんな部屋で独り寂しく「オール・バイ・マイセルフ」を熱唱していたブリジットは10年後―、やはり同じ場所でやけ酒をしながら独りで踊っているのでした。

しかし、本作で手書きの日記はiPadへと変わり、頼れるキャリアウーマンへと進化したブリジット。それとともに彼女の部屋もグレードアップしています。赤いソファは落ち着いた水色に変わり、ルイス・ポールセン社の照明「PH5」や、ハンスJ.ウェグナーデザインの「Y‐チェア」といった北欧のデザイナー家具を置くなど、彼女のこだわりが感じられます。“モテ期”再到来の末、妊娠発覚。しかも父親はマークとジャックのどちらか分からないという状況ながら、いかにも彼女らしいやり方で、楽しく過ごすブリジット。赤ちゃんグッズがちょっとずつ増え、変わっていく部屋の様子もお楽しみに。

ブリジットに訪れた人生最大の決断! そして、新たな三角関係の結末は!?
■Introduction

2001年に公開され、恋に夢中だがキャリアも大事という“崖っぷちアラサ―”を描き、世界中の女性たちの心をつかんだ『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ3作目。“アラフォー”になった主人公ブリジットを演じるのは、シリーズ1作目から続投のレニー・ゼルウィガー。弁護士の元カレ役も、引き続きコリン・ファースが演じる。新たに登場するIT系実業家役には、医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」のパトリック・デンプシーを配役。監督はシリーズ1作目を手掛けたシャロン・マグワイアが務める。

■Story

TVプロデューサーとして成功したブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、今43歳。彼女が愛した男は? といえば、ダニエルは事故で亡くなり、弁護士マーク(コリン・ファース)は別の女性と結婚してしまっていた。そんなブリジットにハンサムでリッチ、性格もナイスなIT系実業家ジャック(パトリック・デンプシー)とのドラマチックな出会いが訪れる。いつもの天然っぷりから彼と急接近する一方で、妻と離婚したマークとも再会を果たしたブリジットは、またしても2人の男性との間で揺れ動くことになる―。

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