グリフィス天文台(アメリカ〜ロサンゼルス)
数々の映画の舞台となったLAの人気スポット

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売れないジャズピアニストの“セブ”ことセバスチャンと女優志望のミア。最悪の出会いをした2人の恋と夢を、往年の名作ミュージカル映画をほうふつとさせる歌とダンスで鮮やかに映し出した『ラ・ラ・ランド』。ワンカットで撮ったオープニングのフリーウェイのダンス、丘の上でのタップダンスなど、ロマンチックなシーンの数々は私たちを夢の世界へいざなってくれます。中でも2人が思いを交わしたプラネタリウムのシーンは、この映画一番の名シーンと言えるでしょう。
このシーンの舞台となったグリフィス天文台は、東京ドーム364個分はあるという広大なグリフィスパークの頂上に位置し、アールデコ調の美しい外観と、市内を一望できる展望で毎年100万人以上が訪れる人気のスポット。劇中でセブとミアが見ていた映画『理由なき反抗』をはじめ、『ターミネーター』や『チャーリーズ・エンジェル』など数多くの映画に登場する映画ファンにはおなじみの場所となっています。1896年、資産家のグリフィス・ジェンキンス・グリフィスが市民の憩いの場として公園を寄贈し、1935年にグリフィス氏の遺志で天文台を建設。ロサンゼルス市庁舎も手掛けたジョン・C・オースティンと、フレデリック・M・アシュレイによる建物は、北側の大きなドームを中心に、東西に小さなドームが配置されています。左右対称の堂々たる建物には、アールデコを中心に新古典主義やイスラムの模様をミックスした意匠を凝らしています。
内部には毎日3つのプログラムが交互に上映される「サミュエル・オシン・プラネタリウム」をはじめ、1910年に寄付されたテスラコイルが置かれている展示室「ホール・オブ・ジ・アイ」などがあり、プラネタリウムを除く施設は無料で入館できます。2006年には4年の歳月をかけてリニューアル・オープン。2倍に拡張された館内には、シアター、カフェなどが加わり、ますますにぎわいを見せています。
観るもの全てが恋に落ちる、極上のミュージカル・エンターテイメント
■Introduction第89回アカデミー賞で史上最多タイとなる14ノミネートを受け、監督賞・主演女優賞・撮影賞・美術賞・作曲賞・主題歌賞の最多6部門受賞を果たしたミュージカル映画。史上最年少で監督賞を受賞したのは、前作『セッション』で賞レースを席巻した奇才デイミアン・チャゼル。売れないジャズピアニスト・セバスチャンを、『ハーフネルソン』のライアン・ゴズリングが演じる。さらに、女優志望の恋人ミアを演じるのは、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のエマ・ストーン。その他、『セッション』でアカデミー助演男優賞を受賞したJ.K.シモンズも出演。
■Story夢をかなえたい人々が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミア(エマ・ストーン)は女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名は“セブ”(ライアン・ゴズリング)。いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分、演奏したいと願っていた。やがて2人は恋に落ち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、2人の心はすれ違い始める―。