ウォルト・ディズニー・コンサートホール(アメリカ〜ロサンゼルス)
空間を自在に操るアート作品のような建築

紙をくしゃりとつぶしたような曲線や不規則なラインなど他にはない建物を作る希代の建築家フランク・ゲーリー。ウォルト・ディズニー・コンサートホールは、彼の代表作であるビルバオ・グッゲンハイム美術館と同じくスチール・パネルが華麗に踊り、花びらや帆船のようにも見える外観は躍動感に溢れています。
1987年、ロサンゼルスの人々の文化・芸術の向上のためにとウォルト・ディズニーの妻リリアン・ディズニーが出資し、2003年にオープンしたウォルト・ディズニー・コンサートホール。ロサンゼルス・フィルハーモニックの本拠地でもある同ホールの内部は、東京・サントリーホールの音響設計をした豊田泰久が手掛けており、音響効果の素晴らしさで世界的な評価を獲得しています。
マーベル・コミックの人気作品をロバート・ダウニー・Jr.主演で映画化した『アイアンマン』では、この建物がアイアンマンことトニー・スタークが社長を務める巨大軍需企業「スターク・インダストリーズ」主催のパーティー会場として登場します。トニーと美人秘書ペッパー・ポッツが恋の駆け引きを繰り広げるこの場面では、メタリックな外観から一転し、温かみのある館内を見ることができます。水平や垂直にとらわれず、ダイナミックかつ緻密な計算に基づいた複雑な空間構成は「脱構築主義建築」の旗手といわれるゲーリーの真骨頂。“街のリビングルーム”を目指したという彼の意図の通り、まるで大樹の森の中にいるような心地よさを体感できるでしょう。公演がない日は建物内部の見学も可能。音声ガイダンスを聞きながら巡るオーディオツアーと、ガイドによるツアーがあるので、好みに応じた方法で名建築を堪能してください。
装着せよ―強き自分
■Introduction原作は『スパイダーマン』『ハルク』などを生み出したマーベル・コミックの同名人気作品。実写映画化で主人公のトニー・スターク役を演じたのは『ゾディアック』のロバート・ダウニーJR.。監督は『ザスーラ』や『ジャングル・ブック』のジョン・ファブローで、本作ではトニーの運転手役として自身も出演している。その他、トニーが全幅の信頼を寄せる秘書役として、『恋に落ちたシェイクスピア』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したグウィネス・パルトローが共演。
■Storyアフガニスタンで自社兵器のデモ実験に参加したトニー・スターク(ロバート・ダウニーJR.)は、テロ組織に襲われ拉致されてしまう。胸に深い傷を負い捕虜となった彼は、組織のために最強兵器の開発を強制される。トニーは敵の目を盗み、装着することで圧倒的な破壊力とパワーを発揮できる戦闘用パワードスーツを開発。敵地からの脱出に成功し、奇跡的に生還したトニーだが、ある事実を知りがくぜんとする。自らが社長を務める会社が開発した兵器が、テロ組織に使用されていたのだ。トニーはその償いをすべく、テロ撲滅に命を捧げることを決断。最先端の技術を駆使し、新たなパワードスーツの開発に着手する。