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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

日本のいちばん長い日
  • アイアンマン
  • 『アイアンマン』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • ■価格:¥1,410+税
  • 監督・総指揮:ジョン・ファブロー
  • 出演:ロバート・ダウニーJR. テレンス・ハワード
    ジェフ・ブリッジス グウィネス・パルトロー 他
 

(C) 2008 MVL Film Finance. All Rights Reserved.

ウォルト・ディズニー・コンサートホール(アメリカ〜ロサンゼルス)

空間を自在に操るアート作品のような建築


ウォルト・ディズニー・コンサートホール(アメリカ〜ロサンゼルス)

紙をくしゃりとつぶしたような曲線や不規則なラインなど他にはない建物を作る希代の建築家フランク・ゲーリー。ウォルト・ディズニー・コンサートホールは、彼の代表作であるビルバオ・グッゲンハイム美術館と同じくスチール・パネルが華麗に踊り、花びらや帆船のようにも見える外観は躍動感に溢れています。

1987年、ロサンゼルスの人々の文化・芸術の向上のためにとウォルト・ディズニーの妻リリアン・ディズニーが出資し、2003年にオープンしたウォルト・ディズニー・コンサートホール。ロサンゼルス・フィルハーモニックの本拠地でもある同ホールの内部は、東京・サントリーホールの音響設計をした豊田泰久が手掛けており、音響効果の素晴らしさで世界的な評価を獲得しています。

マーベル・コミックの人気作品をロバート・ダウニー・Jr.主演で映画化した『アイアンマン』では、この建物がアイアンマンことトニー・スタークが社長を務める巨大軍需企業「スターク・インダストリーズ」主催のパーティー会場として登場します。トニーと美人秘書ペッパー・ポッツが恋の駆け引きを繰り広げるこの場面では、メタリックな外観から一転し、温かみのある館内を見ることができます。水平や垂直にとらわれず、ダイナミックかつ緻密な計算に基づいた複雑な空間構成は「脱構築主義建築」の旗手といわれるゲーリーの真骨頂。“街のリビングルーム”を目指したという彼の意図の通り、まるで大樹の森の中にいるような心地よさを体感できるでしょう。公演がない日は建物内部の見学も可能。音声ガイダンスを聞きながら巡るオーディオツアーと、ガイドによるツアーがあるので、好みに応じた方法で名建築を堪能してください。

装着せよ―強き自分

■Introduction

原作は『スパイダーマン』『ハルク』などを生み出したマーベル・コミックの同名人気作品。実写映画化で主人公のトニー・スターク役を演じたのは『ゾディアック』のロバート・ダウニーJR.。監督は『ザスーラ』や『ジャングル・ブック』のジョン・ファブローで、本作ではトニーの運転手役として自身も出演している。その他、トニーが全幅の信頼を寄せる秘書役として、『恋に落ちたシェイクスピア』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したグウィネス・パルトローが共演。

■Story

アフガニスタンで自社兵器のデモ実験に参加したトニー・スターク(ロバート・ダウニーJR.)は、テロ組織に襲われ拉致されてしまう。胸に深い傷を負い捕虜となった彼は、組織のために最強兵器の開発を強制される。トニーは敵の目を盗み、装着することで圧倒的な破壊力とパワーを発揮できる戦闘用パワードスーツを開発。敵地からの脱出に成功し、奇跡的に生還したトニーだが、ある事実を知りがくぜんとする。自らが社長を務める会社が開発した兵器が、テロ組織に使用されていたのだ。トニーはその償いをすべく、テロ撲滅に命を捧げることを決断。最先端の技術を駆使し、新たなパワードスーツの開発に着手する。

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ナミヤ雑貨店の奇蹟
  • ナミヤ雑貨店の奇蹟
  • 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
  • ■発売日:DVD & Blu-ray発売中
  • ■発売元:KADOKAWA/ハピネット
  • ■販売元:ハピネット
  • ■価格:DVD ¥3,900+税 Blu-ray ¥4,800+税
  • 監督:廣木隆一
  • 出演:山田涼介
    村上虹郎 寛 一 郎 成海璃子 門脇 麦
    林 遣都 鈴木梨央 山下リオ 手塚とおる PANTA
    萩原聖人 小林 薫 吉行和子
    尾野真千子 西田敏行 他
 

(C) 2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

過去と未来をつなぐ不思議なお店

2012年に発売された東野圭吾の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を『余命1ヶ月の花嫁』『PとJK』の廣木隆一監督が実写化。東野作品の中でも“最も泣ける感動作”といわれる本作は、昔ながらの雑貨店を舞台に過去と未来が交錯しながら、将来を諦めている若者と実直な店主との“一夜の奇蹟”が描かれます。

1980年代、町のとある一角に建つ「ナミヤ雑貨店」は人々のどんな相談にも真剣に答えてくれる店でした。それから32年後の2012年、ある理由から女性企業家を襲い、廃屋となったこの店に逃げ込んだ敦也、翔太、幸平は、シャッターから舞い込んだ手紙が1980年の日付だったことに驚きながらも、店主の浪矢に代わって返事を書くことにします。3年経っても芽が出ないミュージシャン志望の青年、恩人のために金持ちの愛人になろうか迷う女性、未婚の母となるか岐路に立たされている女性…。そんな彼らとの手紙のやり取りによって、いつしか救われたものは救う人へと形を変えていきます。手軽に連絡が取れるメールやSNSではなく、“手紙”ならではの温もりがよりいっそう心に響くことでしょう。

この物語で“手紙”と並び重要な役割を果たすのが、昔ながらの「ナミヤ雑貨店」です。日用品を扱う店舗の奥には浪矢の居間、台所へと続き、店の様子を眺められる食卓からは浪矢の店への愛着が伝わってくるよう。本作のロケは昭和30年代の街並みを再現した大分県豊後高田市にある「昭和の町」で行われましたが、街角の一角に実際に建てられた「ナミヤ雑貨店」は全く違和感なく街に溶け込んでいます。明治から昭和の趣のある建物、約40軒が連なる商店街をそぞろ歩きながら、映画の余韻に浸るのも楽しいですね。

それは手紙がつなぐ、たった一夜の優しい奇蹟
■Introduction

原作は、“東野圭吾作品史上、最も泣ける感動作”として大ベストセラーとなった同名小説。時代を超えた5つのエピソードが緻密に絡み合う美しい群像劇で主演を務めたのは、「Hey! Say! JUMP」の山田涼介。街の人々に愛された心優しいナミヤ雑貨店の店主・浪矢雄治を国民的俳優・西田敏行が演じる。さらに、尾野真千子、村上虹郎、寛 一 郎、林遣都、成海璃子、門脇麦、萩原聖人など、ベテラン勢から若手俳優まで豪華な面々が集結。監督は『余命1ヶ月の花嫁』や『PとJK』の廣木隆一が務める。

■Story

2012年のある日、幼なじみの敦也(山田涼介)、翔太(村上虹郎)、幸平(寛 一 郎)の3人は、夜を明かすため1軒の廃屋に忍び込む。そこはかつて悩み相談を受けることで知られていた「ナミヤ雑貨店」だった。今はもう廃業しており、自分たち以外誰もいないはずの店内に、突然シャッターの郵便口から手紙が落ちてくる。なんとその手紙は32年前に書かれた悩み相談だった。敦也たちは戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治(西田敏行)に代わって返事を書くことに。彼らの回答で人生が変わっていく相談者たち。次第に明らかになっていく雑貨店の秘密と、相談者たちと敦也たちの共通点。そして、敦也たちがある人物からの“最後の手紙”を受け取ったとき、彼らの運命が大きく動きだす―。

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