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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

それでも恋するバルセロナ
  • それでも恋するバルセロナ
  • 『それでも恋するバルセロナ』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:アスミック
  • ■販売元:角川映画
  • ■価格:¥3,990(税込)
  • 監督:ウディ・アレン
  • 出演:スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、レベッカ・ホール、パトリシア・クラークソン 他

(C)2008 Gravier Productions, Inc. and MediaProduccion, S.L.

グエル公園 <スペイン〜バルセロナ〜>

柔らかい曲線とモザイクで描き出された近未来都市住宅

グエル公園 <スペイン〜バルセロナ〜>

「まるでタルト菓子のようだ」――。天才画家・ダリに、その独創的な美しさで感嘆のため息をつかせたのは、守衛室となる予定だった入口の小屋でした。
スペイン有数の観光スポットとして知られる世界遺産・グエル公園は、建築家アントニ・ガウディが理想とする都市住宅の姿を形にする試みとして、1900年から建設が始まりました。もともとは、ガウディのパトロンだったエウセビ・グエル伯爵が「19世紀のイギリス式庭園都市を手本に、ブルジョワ向け近未来住宅地を設計してほしい」と依頼した分譲地区だったのです。
丘の中腹にある約15ヘクタールのエリアは石灰岩を用いたマンポステリアの壁で取り囲まれ、土地の形状を活かして列柱の上に陸橋を作る方法で建設されました。
市場になる予定だったドリス式列柱のホールの上には、ベンチに囲まれた広々とした中央広場があり、あちこちに施されたガウディの弟子・ジュショールの手による粉砕タイルのモザイクが華麗な印象です。シュロの木を模したような斜めの粗石列柱をはじめ自然素材が多用されており、ほぼすべてがガウディらしい柔らかな曲線で統一されているのも特徴。
本作では、カタルーニャの文化を研究するヴィッキーが、修士論文のインスピレーションを得るために、何度もこの公園に足を運びます。
しかしガウディの進みすぎた発想と自然との共生という価値観は当時理解されず、14年間の建築期間中、60区画のうち売れたのはガウディとグエル自身の購入によるわずか2つだけ。1922年には市の所有になり、現在はガウディが一時住んだ家が、彼の記念館として公開されています。

『この恋、想定外!?
最高にセクシーでスリリングなラブ・バカンスが始まる--』
■Introduction

監督は、女心を熟知する魔術師、ウディ・アレン。激情的な天才肌・マリア・エレーナ役には、本作でアカデミー賞助演女優賞を受賞したペネロペ・クルス。奔放で型にはまらない情熱家、クリスティーナには『マッチポイント』『タロットカード殺人事件』に続き、本作でウディ・アレン作品では主演3作目となる、スカーレット・ヨハンソン。婚約者がいながらもフアン・アントニオに惹かれ、悩むヴィッキーを繊細に演じるのは『フロスト×ニクソン』のレベッカ・ホール。そしてフアン・アントニオ役には、『ノーカントリー』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したハビエル・バルデム。さらに、『トランスフォーマー』シリーズのケヴィン・ダン、『エイプリルの七面鳥』のパトリシア・クラークソンなど、ウディ・アレンのもと豪華キャストが集結した。

■Story

ヴィッキー(レベッカ・ホール)とクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)は親友同士。ヴィッキーは慎重派で、堅実な彼と婚約中。一方のクリスティーナは恋愛体質な情熱家。2人はアメリカを離れ、ひと夏をバルセロナで過ごすことに。ある日、2人はセクシーな画家、フアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)と出会う。クリスティーナが一目で恋に落ちる一方で、ヴィッキーも少しずつ、戸惑いながらも彼に惹かれていく--。ヴィッキーの悩みとは裏腹に、順調につき合いだしたクリスティーナとフアン・アントニオ。そこにフアン・アントニオの元妻、美しく、激しいマリア・エレーナ(ペネロペ・クルス)まで現れて…。惹かれあう4人の関係は予想不可能な怒涛の展開へ…。

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ペネロピ
  • ペネロピ
  • 『ペネロピ』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント
  • ■価格:¥3,990(税込)
  • 監督:マーク・パランスキー
  • 出演:クリスティーナ・リッチ、ジェームズ・マカヴォイ、キャサリン・オハラ、リチャード・E・グラント、ピーター・ディンクレイジ 他

(C) 2006 Tatira Active Filmproduktions GmbH & Co. KG

“かごの鳥”の自由な心を表現したファンタジックなインテリア

中世の雰囲気漂う石造りのお屋敷の奥。豪華絢爛な調度品に囲まれた本棚の隠し扉を抜けるとそこに、主人公・ペネロピの部屋が広がっています。
深緑の壁に真っ赤な木のオブジェ、周りには繊細な草花や鳥たちがペイントされており、色とりどりの本やおもちゃもいっぱい!
ランプシェードやスノードームのコレクションなど、雑貨の一つ一つにいたるまで、まるで絵本から抜け出したようなかわいらしさです。ベッドを囲む砂漠の柄のスクリーンは、窓の向こうから差し込む光で満点の星空が浮かび上がる仕掛けになっており、とても幻想的。『アメリ』や『チャーリーとチョコレート工場』にも通じるメルヘンな色彩が部屋中にあふれています。

お屋敷から一歩も出られない“深窓のご令嬢”として育ったペネロピにとって、この空間はある意味「鳥カゴ」なのですが、そんな中でも屈折することなく、素直で愛らしい女性に成長した彼女自身がインテリアにも投影されているのでしょう。
監督は、これが長編デビュー作となるマーク・パランスキー。「衣装やインテリアも作品の登場人物」というその言葉通り、ファンタジックな世界観を深みのある色合いで描き出した手腕が光る一本です。

『好きになりたい。』 ■Introduction

主人公のペネロピを演じるのは、『スリーピー・ホロウ』や『モンスター』など幅広い役柄をこなす演技派であり、キュートな魅力あふれるクリスティーナ・リッチ。相手役マックスには、『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』などの話題作に出演しているイギリスの若手注目株ジェームズ・マカヴォイ。そして、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でアカデミー賞やゴールデングローブ賞を受賞したリース・ウィザースプーンが、ペネロピの友人役とプロデューサーを務めている。カラフルな世界で魅了するロマンティックなおとぎ話。

■Story

先祖が魔女にかけられた呪いのせいで、豚の鼻と耳をもって生まれたペネロピ(クリスティーナ・リッチ)。呪いを解く方法はただ一つ。「ペネロピと同じ名家出身の“仲間”が、ペネロピに永遠の愛を誓うこと」。屋敷の中だけで育てられ、完璧な花嫁教育を施されたペネロピは、集められた名家の子息との見合いを繰り返していた。彼女の顔を見たとたんに逃げ出す見合い相手たち。そんな中、マジックミラー越しの会話で、自然体のマックス(ジェームズ・マカヴォイ)に心惹かれていくペネロピ。彼女が姿を現わしても逃げ出さなかったマックスに、ペネロピは必死の思いで自分からプロポーズするが、結果は“1000回分の失恋”。ある晩、マフラーを巻いて鼻を隠したペネロピは、ついに一人で屋敷を飛び出すのだった。

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