アブラクサス館(フランス〜パリ郊外)
古典的×近未来的。見るものを魅了する集合住宅

(C)shutterstock
フランス・パリから約20キロほど東に位置するニュータウン、マルヌ・ラ・ヴァレ。ここにバルセロナ出身の建築家リカルド・ボフィルが手掛けた一風変わった建物があります。半円形の中庭広場をぐるりと囲むような高層の建物は、どこか古代の神殿のようであり、闘技場のようでもあり、同時に近未来都市の建物をも思わせる、不思議な魅力があります。ジェニファー・ローレンス主演のシリーズ作品『ハンガーゲーム』の最終章では、ここを舞台にカットニス率いる反乱軍が、敵対する政府軍と激突。カットニスたちはゲームメイカーが仕掛けたわなにより窮地に立たされます。
1960年代にパリ周辺の発展を目指して造られた、5つのニュータウンのうちの1つであるマルヌ・ラ・ヴァレ。その象徴となるべく、1983年に建てられたこの「アブラクサス」はおよそ550世帯が入る低所得者用の公共集合住宅で、中庭を中心に半円形の「劇場」、コの字型平面の「宮殿」、中央の「アーチ」と呼ばれる3つの建物で構成されています。ポスト・モダンを代表する建築家リカルド・ボフィルは、日本でも「東京銀座資生堂ビル」、「ラゾーナ川崎プラザ」などを手掛けていますが、彼が得意とするのはコンクリートやガラス、スチールなど現代的な材料と、古典的な建築スタイルを巧みに融合させること。このアブラクサスでも、コンクリートパネルとガラスを組み合わせつつ、バロック様式を用いた高いデザイン性で、古典的かつ近未来的な外観を作り上げています。
また、同じ市内にはマノロ・ニュネズ・ヤノヴスキー設計の公共集合住宅「ピカソ・アリーナ」もあります。大きな円形を乗せたような建物が向かい合わせになったデザインで、こちらも見るものを魅了します。パリを訪れた際は、ぜひ足を延ばして2つの巨大かつオリジナリティー溢れる建物を体感してください。
『ハンガー・ゲーム』、ここに完結!
■Introductionスーザン・コリンズのベストセラー小説を映画化した、ジェニファー・ローレンス主演の『ハンガー・ゲーム』シリーズ完結編。監督はシリーズ2作目からメガホンを取るフランシス・ローレンス。共演にはシリーズおなじみのジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ドナルド・サザーランドらを迎える。また、2014年2月に急逝した名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の出演作となった。
■Storyカットニス(ジェニファー・ローレンス)率いる第13地区の反乱軍は、ついにスノー大統領が支配する独裁国家との最終戦争に突入した。ゲイル(リアム・ヘムズワース)、フィニック(サム・クラフリン)、そしてピータ(ジョシュ・ハッチャ―ソン)を従えたカットニスは、スノー大統領暗殺作戦を決行。しかし、カットニス抹殺の念にとりつかれたスノーにはすべてお見通しだった。反乱軍は、死のトラップ、無数の敵に直面。そして、これまでのどのゲームよりも困難な状況に陥る。その先には、予想だにしない衝撃的なラストが待ち受けていた。