東京国立博物館(日本〜東京)
帝冠様式を代表する日本最古の博物館

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東京・上野駅に隣接する上野恩賜公園内は、国立科学博物館や国立西洋美術館、東京都美術館など、歴史ある美術館や博物館が集まる日本有数の文化スポット。その中の一つ、1872年に創設された東京国立博物館は、“トーハク”の愛称で知られ日本で最も長い歴史を持つ博物館です。日本を中心にした東洋のさまざまな国や地域の美術作品、歴史資料、考古遺物などが展示されており、東京ドーム約2.2個分にも及ぶ広い構内には、本館・東洋館・表慶館・法隆寺宝物館・黒田記念館・平成館という6つの展示館があります。
奥浩哉の人気コミックを実写映画化した『GANTZ』で戦いの舞台となったのは、本館。実は、劇中に登場する現存の建物は2代目で、ジョサイア・コンドル設計による初代本館(1881年竣工)が関東大震災で損壊した後に、銀座・和光(旧服部時計店)で知られる渡辺仁によって設計され、1938年に開館しました。インド・サラセン様式の小塔を乗せた赤れんが造りの初代に比べ、2代目はコンクリート造の洋風建築に東洋風の瓦屋根をのせた帝冠様式で、2001年にはその代表建築として重要文化財に指定されました。
地下1階、地上2階建ての本館は、『GANTZ』でも登場した大階段を囲むように「ロ」の字状に展示室があり、日本の国宝や重要文化財が数多く展示されています。劇中、大階段を上った正面の部屋は、二宮和也演じる玄野たちと「おこりんぼう星人」なる千手観音との死闘の場でしたが、実際には便殿(旧貴賓室)と呼ばれ、皇族方や賓客の行在所となっています。このほか、仏教系の意匠に使われる「宝相華(ほうそうげ)」文様があしらわれた壁や、アールデコ調の照明など、重厚な装飾も見事。歴史あるトーハクが、激しい戦闘によりどうなってしまうのか…。映画ならではのスケールをお楽しみください。
なぜ、戦うのか―。
■Introduction原作は、「週刊ヤングジャンプ」で2000年から連載されている奥浩哉の人気SFコミック。死んだはずの人間がGANTZ<ガンツ>に召還され、“星人”と戦うことになるという、独創的な設定で人気を誇る作品を、二宮和也と松山ケンイチ主演で実写映画化。共演には、吉高由里子、本郷奏多、山田孝之ら、実力派の若手俳優陣が顔をそろえる。監督は『図書館戦争』などで知られる佐藤信介。
■Story幼なじみの玄野(二宮和也)と加藤(松山ケンイチ)は、線路上に転落した酔っぱらいを助けようとして電車にひかれてしまう。次の瞬間、2人は見慣れぬマンションの一室にいた。そこには同じように“死んだはずの人々”が集められ、リビングの中央では<ガンツ>と呼ばれる謎の大きな黒い球が、異様な存在感を放っていた。2人は出ることの許されないその部屋で、生き残るためのミッションをガンツから与えられる。それは“星人と戦い、殺すこと”。戦いに目覚め、生き抜くことを選択する玄野と、暴力に支配された世界を嫌悪し、戦いを否定する加藤。生と死を実感しながら、不条理な世界での戦いは激しさを増していく―。