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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ロスト・エモーション
  • ロスト・エモーション
  • 『ロスト・エモーション』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:(株)ツイン
  • ■価格:DVD ¥3,800+税
  • 監督:ドレイク・ドレマス
  • 出演:ニコラス・ホルト クリステン・スチュワート
    ガイ・ピアース ジャッキー・ウィーヴァー 他
 

(C) 2016 Five Sprocket Productions. ALL RIGHTS RESERVED.

淡路夢舞台(日本〜兵庫)

“ANDO建築”が作り出す近未来ディストピアの世界


東京国立博物館(日本〜東京)

(C)photolibrary

世界戦争によって地上の99.6%が破壊された近未来を舞台に、感情のない人間の共同体<イコールズ>で感情を“発症”してしまった男女が、逃れられない死を前に葛藤する姿を描いたリドリー・スコット製作総指揮のSFサスペンス。本作の世界観を形作るのに貢献しているのが、日本を代表する建築家・安藤忠雄による建物で、大阪府立狭山池博物館、長岡造形大学、淡路夢舞台がロケ地として使用されました。

兵庫県淡路島北東部にある淡路夢舞台は、約28万平方メートルという広大な敷地の中に国際会議場、ホテル、庭園、植物館、飲食施設などを備えた複合施設です。1989年に淡路島の採掘場跡地を再生させる計画が発案され、自然との共生をテーマにしたプロジェクトとして、急勾配の斜面に1本1本植樹をすることから始まりました。1995年の阪神・淡路大震災により大幅な計画変更を余儀なくされたものの、2000年に竣工。ダイナミックな斜面を利用したランドスケープに溶け込むよう施設群を整備し、世界でも類を見ない「環境創造型プロジェクト」のリゾート施設となっています。

劇中には淡路夢舞台国際会議場、ウェスティンホテル淡路、野外劇場、コンクリートの格子で区切られた100面の花壇・百段苑などが登場。静ひつでスタイリッシュな映像と、安藤の幾何学的な建築が、近未来ディストピアの世界観をより際立たせています。

ここは、感情のない“ユートピア”

■Introduction

『エイリアン』『ブレードランナー』などで知られる、SF映画の巨匠リドリー・スコット製作総指揮の下、『今日、キミに会えたら』でサンダンス映画祭の審査員大賞を獲得したドレイク・ドレマス監督が挑んだSFサスペンス。遺伝子操作により感情をなくした人類を、『マッド・マックス 怒りのデスロード』や『X-MEN』シリーズのニコラス・ホルトと、『トワイライト』シリーズのクリステン・スチュワートが演じる。リドリー・スコットが世界的建築家・安藤忠雄による建築物にインスパイアされ、日本を中心にロケを敢行。ドレイク監督が、感情のスイッチが入ってしまった人間の本質を描き出す。

■Story

世界戦争によって地球の陸地の99.6%が破壊された近未来。生き残った者たちは「人類を滅亡させる最たる原因は感情だ」と考え、感情のない人間の共同体<イコールズ>をつくる。そこで暮らすすべての人間は管理され、愛情や欲望などの感情を“発症”してしまった者は強制的に隔離施設へ送られ安楽死させられることに。サイラス(ニコラス・ホルト)は、自分の中に感情が芽生え始めていることを自覚し、医師の診察を受け抑制剤を服用していた。あるとき、職場の同僚であるニア(クリステン・スチュワート)もまた、自分と同じ感染者であることを知り、2人は互いに引かれ合う。共同体にいれば、やがて捕まってしまうことを恐れ、2人は外の世界へ脱出することを決意するが…。

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グリンチ
  • グリンチ
  • 『グリンチ』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:Blu-ray ¥1,886 円+税
  • ※ 2019年12月の情報です。
  • 監督:スコット・モシャー ヤーロウ・チェイニー
  • 声の出演:
  • <字幕版>ベネディクト・カンバーバッチ ラシダ・ジョーンズ 他
  • <日本語吹き替え版>大泉 洋 杏 他
 

(C) 2018 Universal Studios. All Rights Reserved.

クリスマスの風景

12月になると街はイルミネーションで彩られ、一気にクリスマスムードに。色とりどりの光が作り出す幻想的な雰囲気によって心が浮き立たつ―、そんな時季にぴったりなのが、ドクター・スースの絵本を映画化した『グリンチ』です。欧米ではクリスマスの定番キャラクターであるグリンチが、村人たちが大好きなクリスマスを盗もうとする姿を、『ミニオンズ』のイルミネーション・エンターテインメントらしいキュートな映像で描いています。

物語の舞台は、山に囲まれた雪深い村、フー。クリスマスが大好きな村の人たちは、家や町をイルミネーションで装飾したり、ツリーの準備をしたりと大盛り上がり。そんな村の人たちの様子を苦々しく思っているのは、クリスマスが大嫌いなグリンチ。村を見下ろす崖の洞穴に愛犬マックスと暮らす彼は、みんなの楽しみを壊してやろうと、家の中であれこれ思いを巡らせます。

そんなグリンチが暮らすのは、洞穴の中に寝室、キッチン、書斎、パイプオルガンや実験室などが振り分けられたちょっと変わった家。発明好きの彼らしく、マックスが階段を上ってコーヒーを入れられるようになっているコーヒーマシンや、自動歯磨きマシン、シャワーや乾燥機付きの着替え装置など、ワクワクするような物で溢れています。しかし、その広すぎる家で過ごすグリンチの本心は、寂しさとうらやましさでいっぱい。村全体が最高潮の雰囲気に包まれるクリスマス当日、彼はついに“クリスマスを盗もう”と実行に移しますが、母親思いの元気な女の子シンディ・ルーとの予期せぬ出会いにより、事態は思わぬ方向に。クリスマスの結末もさることながら、村の人たちによるデコレーションやパーティーなど、クリスマスの過ごし方にもご注目ください。

この冬、とんでもないものが盗まれる。 ■Introduction

絵本作家ドクター・スースの名作絵本に登場する「グリンチ」をCGアニメ映画化したのは、『ミニオンズ』や『ペット』など人気作を生み出しているアニメーションスタジオのイルミネーション・エンターテインメント。アメリカではサンタクロースに並ぶ“クリスマスの代名詞”ともいわれるほど、国民的キャラクターであるグリンチの声を、字幕版では人気俳優のベネディクト・カンバーバッチが演じ、日本語吹き替え版では大泉洋が担当。その他、女優の杏やお笑い芸人「ロバート」の秋山竜次、宮野真守など豪華な吹き替えキャストが名を連ねる。

■Story

友達も家族もいない独りぼっちのグリンチ(声:大泉洋)。ずっと寂しい毎日を過ごしていたことで、すっかりひねくれ者となり、他人の幸せが大嫌いな大人になってしまった。村外れの洞窟で愛犬のマックスと共に暮らしていたグリンチだったが、一番嫌いなものといえば、村じゅうが幸せな気分に包まれるクリスマス。今年は特別、豪華になるらしいと知り、村から“クリスマスを盗む”というとんでもない計画を思い付くのだった。一方、村に暮らす心優しい少女シンディ・ルーは、忙しいお母さんを助けるため、サンタクロースにある願い事をかなえてもらおうとしていた。

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