東京都庁舎(日本〜東京)
丹下健三が手掛けたポストモダン建築の傑作

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漫画「パタリロ!」などで知られる魔夜峰央による未完結の同名コミックを、『テルマエ・ロマエ』の武内英樹監督が映画化。著者がかつて住んでいた埼玉県を徹底的に“ディスった”内容ながら、二階堂ふみとGACKTが、不思議な郷土愛に満ちた魔夜ワールドを大真面目に演じ大ヒットした作品です。劇中、「通行手形撤廃!」を掲げ、埼玉県民と千葉県民がなだれ込んできたのが東京の本丸、東京都庁舎。撮影では都庁前の道路を全面封鎖して大規模ロケが行われました。
第一本庁舎、第二本庁舎、都議会議事堂の3棟および都民広場で構成された東京都庁舎(以下都庁)は、1990年12月に竣工しました。手掛けたのは、香川県庁舎や国立代々木競技場第一・第二体育館の建築などで知られる世界的建築家・丹下健三。都庁は彼の後期の代表作であり、ポストモダン建築の代表的な建物といわれています。地上48階、地下3階建てで上部がツインタワーとなった第一本庁舎は、パリのノートルダム大聖堂をモチーフにしたともいわれており、日本の伝統的な格子とIC回路を表現した個性的なファサードで、副都心のランドマークとなっています。第一本庁舎および第二本庁舎の構造は「スーパーストラクチャー方式」といわれるもので、部材を何本も束ねた「スーパー柱」と「スーパー梁(はり)」が建物全体を支えています。これにより、地震や風など外力に強い安全性と、建物内部の広大なスペース確保の両立が可能となっています。
都庁といえば、ぜひ訪れたいのが第一本庁舎の45階にある無料の展望室。新宿のビル街はもちろん、東京スカイツリーや東京タワー、晴れた日には富士山を望むこともできます。東京都民もそうでない方も、本作のように優越感に浸りながら首都・東京の街並みをご堪能ください。
空前絶後のディスり合戦開幕!
■Introduction魔夜峰央の同名コミックを、『テルマエ・ロマエ』シリーズや『のだめカンタービレ』シリーズで知られる武内英樹監督が実写映画化。原作の「埼玉が東京に虐げられるストーリー」に“埼玉の対抗組織・千葉”や“高みの見物・神奈川”“秘境・群馬”など、関東圏一帯を巻き込んだストーリーが加えられスケールアップ。主演は自身初の男役となる実力派女優の二階堂ふみ。さらに、アメリカ帰りの転校生をアーティストのGACKTが、千葉解放戦線のリーダーをマルチ俳優の伊勢谷友介が演じるなど、個性豊かな面々が集結する。
■Storyその昔、埼玉県民は東京都民からひどい迫害を受けていた。通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていない者は見つかると強制送還されるため、埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を願っていた。そんな中、東京にある超名門校・白鵬堂学院では、都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、生徒会長として君臨していた。しかし、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出現により、百美の運命は大きく狂い始める。