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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

翔んで埼玉 通常版
  • 翔んで埼玉 通常版
  • 『翔んで埼玉 通常版』
  • ■発売日:DVD & Blu-ray発売中
  • ■発売元:フジテレビジョン
  • ■販売元:東映・東映ビデオ
  • ■価格:DVD ¥3,800+税 Blu-ray ¥4,800+税
  • 監督:武内英樹
  • 出演:二階堂ふみ GACKT 伊勢谷友介
    ブラザートム 麻生久美子 島崎遥香
    成田 凌(友情出演) 中尾 彬 間宮祥太朗
    加藤 諒 益若つばさ 武田久美子
    麿 赤兒 竹中直人 京本政樹 他
 

(C) 2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

東京都庁舎(日本〜東京)

丹下健三が手掛けたポストモダン建築の傑作


東京都庁舎(日本〜東京)

(C)shutterstock

漫画「パタリロ!」などで知られる魔夜峰央による未完結の同名コミックを、『テルマエ・ロマエ』の武内英樹監督が映画化。著者がかつて住んでいた埼玉県を徹底的に“ディスった”内容ながら、二階堂ふみとGACKTが、不思議な郷土愛に満ちた魔夜ワールドを大真面目に演じ大ヒットした作品です。劇中、「通行手形撤廃!」を掲げ、埼玉県民と千葉県民がなだれ込んできたのが東京の本丸、東京都庁舎。撮影では都庁前の道路を全面封鎖して大規模ロケが行われました。

第一本庁舎、第二本庁舎、都議会議事堂の3棟および都民広場で構成された東京都庁舎(以下都庁)は、1990年12月に竣工しました。手掛けたのは、香川県庁舎や国立代々木競技場第一・第二体育館の建築などで知られる世界的建築家・丹下健三。都庁は彼の後期の代表作であり、ポストモダン建築の代表的な建物といわれています。地上48階、地下3階建てで上部がツインタワーとなった第一本庁舎は、パリのノートルダム大聖堂をモチーフにしたともいわれており、日本の伝統的な格子とIC回路を表現した個性的なファサードで、副都心のランドマークとなっています。第一本庁舎および第二本庁舎の構造は「スーパーストラクチャー方式」といわれるもので、部材を何本も束ねた「スーパー柱」と「スーパー梁(はり)」が建物全体を支えています。これにより、地震や風など外力に強い安全性と、建物内部の広大なスペース確保の両立が可能となっています。

都庁といえば、ぜひ訪れたいのが第一本庁舎の45階にある無料の展望室。新宿のビル街はもちろん、東京スカイツリーや東京タワー、晴れた日には富士山を望むこともできます。東京都民もそうでない方も、本作のように優越感に浸りながら首都・東京の街並みをご堪能ください。

空前絶後のディスり合戦開幕!

■Introduction

魔夜峰央の同名コミックを、『テルマエ・ロマエ』シリーズや『のだめカンタービレ』シリーズで知られる武内英樹監督が実写映画化。原作の「埼玉が東京に虐げられるストーリー」に“埼玉の対抗組織・千葉”や“高みの見物・神奈川”“秘境・群馬”など、関東圏一帯を巻き込んだストーリーが加えられスケールアップ。主演は自身初の男役となる実力派女優の二階堂ふみ。さらに、アメリカ帰りの転校生をアーティストのGACKTが、千葉解放戦線のリーダーをマルチ俳優の伊勢谷友介が演じるなど、個性豊かな面々が集結する。

■Story

その昔、埼玉県民は東京都民からひどい迫害を受けていた。通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていない者は見つかると強制送還されるため、埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を願っていた。そんな中、東京にある超名門校・白鵬堂学院では、都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、生徒会長として君臨していた。しかし、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出現により、百美の運命は大きく狂い始める。

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人魚の眠る家
  • 人魚の眠る家
  • 『人魚の眠る家』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:フジテレビジョン
  • ■販売元:松竹
  • ■価格:Blu-ray ¥4,700+税
  • 監督:堤 幸彦
  • 出演:篠原涼子 西島秀俊
    坂口健太郎 川栄李奈 山口紗弥加 田中哲司
    田中 泯 松坂慶子 他
 

(C)2018「人魚の眠る家」製作委員会

命の期限を迫られた母の葛藤を描く

ある日突然、家族が悲劇に遭い、その生死の決断を自分の手に委ねられたらどうするか―。人気作家・東野圭吾がデビュー30周年を記念して書いた同名ベストセラー小説を『トリック』シリーズや『天空の蜂』の堤幸彦が映画化した本作は、命の重さと意味を問う物語です。

離婚寸前で別居中の夫婦、和昌と薫子の元に飛び込んできたのは「娘がプールで溺れた」という知らせ。駆け付けた2人に医師が告げたのは、「娘は意識不明のまま回復の見込みはない」という残酷な事実でした。奇跡を信じる薫子は延命治療を選択し、自宅介護を決意。IT機器メーカーの社長である和昌の会社が取り組んでいる、最先端技術を駆使した前例のない治療に挑むのですが…。

社長宅にふさわしい立派なお屋敷で、母やヘルパーたちの手を借りながら、懸命に娘・瑞穂の介護をする薫子。大きな本棚が置かれた重厚な応接間は、瑞穂の介護ベッドが置かれ、眠り続ける娘を励ますよう、ぬいぐるみや季節の飾りなどによって色とりどりの空間へと変わっていきます。和昌の部下・星野の電気信号を用いた研究により、意識は無いながらも体を動かす瑞穂の姿に当初、一同は素直に喜ぶものの、徐々にその行いに疑問を持ち始めます。薫子ただ一人を除いて―。“生きる”とは何か、何が間違っていて何が正解なのか。娘への思いが純粋であればあるほど、次第に狂気をはらんでいく薫子。命の重さ、人間の尊厳、子を思う母の愛など、答えが見つからない問題だからこそ、薫子の決断が胸に迫ります。

娘を殺したのは、私でしょうか。 ■Introduction

「容疑者Xの献身」「マスカレード・ホテル」など、数々の作品が映像化されてきた東野圭吾の作家デビュー30周年を記念して書かれた同名ベストセラー小説を実写映画化。不慮の事故で意識不明となり、深く眠り続ける娘の奇跡を信じる夫婦を、篠原涼子と西島秀俊が演じる。さらに、坂口健太郎や川栄李奈、田中泯、松坂慶子といった各世代を代表する俳優たちも共演。監督は『トリック』シリーズや『天空の蜂』などで知られる、日本映画界の鬼才・堤幸彦が務める。

■Story

2人の子を持つ播磨薫子(篠原涼子)と、IT機器メーカーを経営する夫の和昌(西島秀俊)は、娘の小学校受験が終わったら離婚すると約束していた。ところがある日、娘がプールで溺れ、意識不明になったという知らせが届く。回復の見込みがないわが子を生かし続けるか、死を受け入れるか、という究極の選択を迫られた2人は、和昌の会社の最先端技術を駆使し、前例のない延命治療を開始する。治療の結果、娘は眠っているかのように美しい姿を取り戻していくが、それによって薫子の狂気を呼び覚まし、彼女の行動は次第にエスカレートしていく―。

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