ノイシュヴァンシュタイン城(ドイツ〜バイエルン)
王の理想を実現した夢の城

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ロマンティック街道の終着点フュッセンのほど近くにある、ノイシュヴァンシュタイン城はドイツ観光の中でも屈指の人気スポット。“白い貴婦人”とも例えられる白亜の優美な姿は、カリフォルニアや香港ディズニーランドにある「眠れる森の美女」の城のモデルの一つとして知られています。
19世紀にバイエルン王ルートヴィヒ2世により築かれたこの城は、防衛としての機能はなく、彼が幼い頃より憧れていた中世騎士伝説の世界を具現化するためだけに造られました。建築の指揮を取ったのは、建築家や技術者ではなく、宮廷劇場の舞台美術や舞台装置を担当していた画家のクリスチャン・ヤンク。このことからも、ルートヴィヒ2世の“理想の世界観を実現するための強いこだわり”が感じられます。ルートヴィヒ2世が謎の死を遂げたあと工事が中断されたため、ノイシュヴァンシュタイン城の多くは未完成ですが、彼が心酔していた歌劇作家ワーグナーの世界を再現した「控えの間」や、祝賀会場として造られた「歌人の間」、そして900kgのシャンデリアや黄金の天井などぜいを尽くした「玉座の間」など、ルートヴィヒ2世の好きなもので溢れたこの城は、まさに彼の夢の世界そのものでした。
第二次世界大戦下、ナチスドイツに奪われた貴重な美術品を取り戻すため7人の美術専門家たちが奮闘する姿を描いた映画『ミケランジェロ・プロジェクト』で、このノイシュヴァンシュタイン城はナチスが略奪した美術品の隠し場所として使われています。ミケランジェロ、フェルメール、レンブラントなど世界の名画や彫刻品と、世界一美しい城と名高いこの城の競演は、映画ならではの豪華なシーンとなっています。
芸術はプロ 戦争はド素人 美術品奪還プロジェクト
■Introductionジョージ・クルーニーが監督・製作・脚本・主演を務めたサスペンス。第二次世界大戦中、ナチスに奪われた世紀の美術品を奪還するため、7人の芸術専門家で結成された実在の特殊部隊“モニュメンツ・メン”の姿を描く。共演にはマット・デイモン、ケイト・ブランシェット、ビル・マーレイなど、豪華俳優陣が集結。
■Story第二次世界大戦、終戦間際。ドイツ軍はヒトラーの命により、侵攻したヨーロッパ各国の美術品を次々と略奪。その中には、レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐(さん)」「モナ・リザ」、ファン・エイク「ヘントの祭壇画」、ゴッホ「ひまわり」、レンブラント、ルノワール、ロダン、ピカソ…、そしてミケランジェロ「聖母子像」など、数々の名作が含まれていた。これらの歴史的財産の喪失を阻止するため、7人の男たちで結成された特殊部隊“モニュメンツ・メン”が立ち上がる。芸術のエキスパートで、戦争ド素人の彼らのミッションは、戦場の最前線でナチスが略奪した美術品の数々を“奪還”することだった。