サン・フェリペ要塞(ようさい)(コロンビア〜カルタヘナ)
財宝を守り抜いた難攻不落の要塞

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次期大統領候補と目されるアメリカ国務長官と、さえないジャーナリストとの恋を描いた本作は、いわば『プリティ・ウーマン』の男女逆転版。シャーリーズ・セロン扮(ふん)する才色兼備の完璧な“美女”と“野獣”の恋模様が90年代カルチャー満載でユーモアたっぷりにつづられています。
セス・ローゲン扮するフレッドが「今、最高にハッピー!」と親友に電話していた場所は、コロンビアのカルタヘナ。コロニアル建築の町並みが美しいこの地はカリブ海に面したリゾート地として人気ですが、スペイン植民地時代は、エメラルドや南米の財宝が集まる貿易港として栄えていました。エメラルド、金、銀などの財宝を海賊や他国から守るために建築された約4Kmの城壁や要塞は、現在もその姿をとどめており、1984年には「カルタヘナの港、要塞群と建造物群」として世界遺産に登録されています。
要塞群の一つ、サン・フェリペ要塞は、南米の中で最も強固な要塞といわれています。1657年、海からの侵入者がひと目で分かる高さ40メートルの丘に最初の要塞が築かれ、1762年〜1769年にかけて、より強固な城へと改築されました。砲台、兵舎、爆薬の倉庫、貯水槽を備え、城内には敵に知られることなく兵士の移動が可能な通路が縦横無尽に張り巡らされています。1741年には27,000人を乗せた186隻のイギリス艦隊を、わずか6隻の船と約3,500人の守備隊で守り抜いたという史話も。要塞の前には、隻眼・隻腕・隻脚となりながらも奮闘した英雄、ブラス・デ・レソの像が立ち、眼下の美しい街を見守っています。
この恋、最重要機密事項。
■Introduction大統領候補のスーパーウーマンと失職中のダメ男が繰り広げるシニカルラブコメディ―。 国務長官として働くシャーロットを演じるのは、オスカー女優のシャーリーズ・セロン。一方、シャーロットに憧れを抱きながらも、うだつが上がらないジャーナリストのフレッド役には、人気コメディ―俳優のセス・ローゲンを配役。監督は『50/50 フィフティ・フィフティ』で高い評価を受けたジョナサン・レヴィンが務める。
■Storyアメリカの国務長官として活躍する才色兼備なシャーロット・フィールド(シャーリーズ・セロン)は、大統領選への出馬を目前に控えていた。一方、ジャーナリストのフレッド・フラスキー(セス・ローゲン)は、才能はあるものの頑固な性格があだとなり、職を失ってしまう。一見、接点もなく正反対な2人だったが、シャーロットはフレッドにとって、初恋の人だったのだ。予想外の再会を果たした2人は、思い出話に花を咲かせる。その後、シャーロットは若き日の自分をよく知るフレッドに、大統領選挙のスピーチ原稿作りを依頼。原稿を書き進めるうちに、いつしか2人は引かれ合っていくが、越えなければいけない高いハードルがいくつも待ち受けていた。