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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

スキャンダル
  • スキャンダル
  • 『スキャンダル』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:ギャガ
  • ■価格:DVD ¥3,800+税
  • 監督:ジェイ・ローチ
  • 出演:シャーリーズ・セロン ニコール・キッドマン
    マーゴット・ロビー ジョン・リスゴー 他
 

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セント・パトリック大聖堂(アメリカ〜ニューヨーク)

マンハッタンの喧騒(けんそう)を忘れさせる全米最大のカトリック教会


セント・パトリック大聖堂(アメリカ〜ニューヨーク)

(C)shutterstock

シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーと豪華女優がそろった『スキャンダル』は、全米で視聴率トップを誇るニュース放送局「FOXニュース」で2016年に実際に起きたセクハラ事件を映画化した作品。CEOであるロジャー・エイルズを訴えたベテラン・キャスターや看板キャスター、野心を抱く新人らがそれぞれ巨大な権力に立ち向かう姿が描かれます。映画の主戦場であるFOXニュース本社があるのは、「アメリカのアベニュー」(Avenue of the Americas)と呼ばれるニューヨークの6番街。高層ビルが林立しこれぞNYというエリアですが、そのお隣、一流ブランドが立ち並ぶ5番街の一角には、昔から変わらぬ佇まいを見せるセント・パトリック大聖堂があります。

全米最大のカトリック教会であるセント・パトリック大聖堂。その歴史は古く、1858年の着工から途中南北戦争を挟み、約50年の歳月をかけて完成しました。高さ約100メートルの尖塔(せんとう)を持つネオ・ゴシック様式で、外観はドイツのケルン大聖堂を模しています。高い天井を飾る色彩豊かなステンドグラスが柔らかな光を落とす内部には、宝飾品ブランドとして知られる「ティファニー」のデザインによる金色の大祭壇や、直径8メートルのバラ窓、ミケランジェロの「ピエタ」のレプリカなどがあり、ここがエネルギーに満ちたマンハッタンの中心地であることを忘れさせるほどの神聖な空間が広がっています。特にミサに欠かせないパイプオルガンは、7855本ものパイプを使用しており、大聖堂に響き渡るその音色は感動的です。2012年から3年の歳月をかけて補修工事を行い、大理石本来の白さを取り戻した大聖堂。そこは、今も昔も人々の心のよりどころとなっています。

ニュースをお伝えします

■Introduction

2016年にアメリカで実際に起こった女性キャスターへのセクハラ騒動を、シャーリーズ・セロンプロデュースにより映画化。アメリカで視聴率ナンバーワンを誇るテレビ局「FOXニュース」で看板番組を担当するメーガン・ケリーをセロンが演じ、共演にはニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーらを迎える。監督は『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』のジェイ・ローチ、脚本は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』でアカデミー賞を受賞したチャールズ・ランドルフが務める他、シャーリーズ・セロンの特殊メイクを『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』でアカデミー賞を受賞したカズ・ヒロ(辻一弘)が担当。

■Story

2016年のある日、アメリカニュース放送局で視聴率ナンバーワンを誇る「FOXニュース」に激震が走る。クビを言い渡されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、テレビ業界の帝王とあがめられるCEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)を告発したのだ。看板番組を背負う売れっ子キャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は、自身の成功までの過程を振り返り心中、穏やかではなくなっていた。一方、メインキャスターの座を狙う貪欲な若手のケイラ(マーゴット・ロビー)は、ロジャーに直談判するための機会を得る。

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ビリーブ 未来への大逆転
  • ビリーブ 未来への大逆転
  • 『ビリーブ 未来への大逆転』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:ギャガ
  • ■価格:DVD ¥1,143+税
  • 監督:ミミ・レダー
  • 出演:フェリシティ・ジョーンズ アーミー・ハマー 他
 

(C)2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.

アメリカの未来を変えた英雄の出発点

今年9月、87歳でこの世を去った連邦最高裁判所判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ。彼女はアメリカで歴代2人目の女性判事であり、「アメリカで尊敬される女性」のランキングでは常に上位にランクイン、「RBG」の名で若者たちのカルチャーアイコンになるなど、リベラル派や女性、若者たちから絶大な支持を集めていた人物でした。本作はそんなギンズバーグの若き時代を追い、彼女が法律家としてどのように闘ってきたのか、そして彼女を支えた家族の姿を描いています。

女性は主婦になるのが当たり前とされていた1950年代。貧しいユダヤ人家庭に生まれたギンズバーグは、名門ハーバード大学法科大学院に入学します。当時500人の学生のうち女性は9人、女子トイレすらない状況の中、性別による差別や、病に倒れた夫の介護、乳飲み子の世話、そして勉強に奮闘し、その後移籍したコロンビア大学を首席で卒業します。しかし、そんな輝かしい学歴にもかかわらず、「女性だから」という理由で法律事務所に雇ってもらえず大学教授の道へ。そんなある日、夫のマーティンから見せられたある訴訟の記録が、彼女の未来を、ひいてはアメリカの未来を変える突破口となるのです。

独身男性の介護保険をめぐる裁判が、性差別の打開につながると信じ、税法のスペシャリストでもある夫と二人三脚で準備を進めるギンズバーグ。性の違いで起こる選択の不平等を正そうと奮闘しますが、世間は100パーセント負ける無謀なチャレンジだと酷評。弱気になった彼女を支えたのが家族でした。頼もしい仕事仲間でもあり、料理が苦手な妻に代わり包丁を握る夫と、男性たちの好奇な目に毅然(きぜん)と立ち向かい、母を鼓舞する娘。そんな家族の後押しを受け、ギンズバーグは一世一代の裁判に臨みます。「社会が変化したならば、法律も変化しなければ」と、女性の権利向上と平等のために闘い続けた彼女の雄姿が、勇気を与えてくれる作品です。

彼女の物語が、世界を変えた―。 ■Introduction

のちにアメリカで最高裁判事を務めることとなるルース・ギンズバーグが、史上初の男女平等裁判に挑んだ実話を映画化。ルースを演じるのは、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズ。彼女を信じ、支え続けた夫のマーティンは『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマーが演じる。さらに、『ミザリー』のオスカー女優キャシー・ベイツが伝説の弁護士役で出演。監督は『ディープ・インパクト』のミミ・レダー。

■Story

貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。家事も育児も分担する夫のマーティンの協力のもと首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティンがある訴訟の記録を見せる。専業主夫になって母親の介護をすることが認められない男性を擁護するその裁判が、“男女平等”を訴える一歩となることを信じ、ルースは自ら弁護を買って出る。

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