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TENET テネット
  • TENET テネット
  • 『TENET テネット』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • ■価格:BD ¥2,381+税 デジタル配信中
  • 監督:クリストファー・ノーラン
  • 出演:ジョン・デイビッド・ワシントン ロバート・パティンソン
    エリザベス・デビッキ ケネス・ブラナー
 

(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

オスロ・オペラハウス(オスロ〜ノルウェー)

まるで氷山!? オスロの港に佇むノルウェー最大の文化施設


オスロ・オペラハウス(オスロ〜ノルウェー)

(C)shutterstock

『ダークナイト』シリーズ、『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督がオリジナル脚本で臨んだ『TENET テネット』。これまで『メメント』や『インターステラー』など時間軸にこだわりを持ってきた監督が、本作では未来に起こる第三次世界大戦を阻止すべく、“時間の逆行”を用いて過酷な任務に挑む男の姿を描いています。難解なロジックと息をのむ映像は見る者を混乱の渦に陥れますが、鑑賞後はパズルのピースがカチリとはまるような爽快感を味わえるでしょう。

さて、その壮大な物語は、満員の観客でにぎわうオペラハウスから始まります。劇中ではウクライナ・キエフとなっていましたが、実際は、エストニア・タリンに立つコンサートホール「リンナハル」の外観が使われ、内部はノルウェー・オスロの「オスロ・オペラハウス」で撮影されています。オスロ中央駅から5分ほどの湾岸部にあるこのオペラハウスは、臨海地区の再開発計画の一環として2008年に建てられました。ノルウェー国立オペラ・バレエ団の本拠地で、1,364席の大劇場と、200〜400席の2つの小劇場の設置が可能なノルウェーで最大の文化施設です。

建設時のコンペで求められたのは「高い建築の質」と「ランドマークであること」。ランドスケープと建築の融合を得意とするノルウェーの設計事務所・スノヘッタは、「ザ・カーペット(じゅうたん)」というコンセプトのもと、スロープから屋上まで緩やかな傾斜をつけ、まるでフィヨルドに浮かぶ氷山のような印象的な建物を造り上げました。これにより「オスロ・オペラハウス」は劇場という箱のみならず、市民の憩いの場としての機能も見事に果たしています。劇中では冒頭で木材を多用した重厚な大劇場が見られるほか、物語の中盤では主人公の“名もなき男”と、その相棒ニールが話す場面としてこのスロープが登場します。ノルウェーの澄んだ青空と開放感のある景色にもご注目ください。

ミッション〈時間〉から脱出せよ。

■Introduction

『ダークナイト』シリーズ、『インセプション』『ダンケルク』など数多くの話題作で知られるクリストファー・ノーラン監督によるオリジナル脚本のアクションサスペンス大作。<時間のルール>から脱出し、第3次世界大戦を防ぐというミッションを命じられた主人公の戦いを描く。主演は名優デンゼル・ワシントンの息子で、アカデミー脚色賞を受賞した『ブラック・クランズマン』で映画初主演を務めたジョン・デイビッド・ワシントン。共演には新作『The Batman』で主役を務めるロバート・パティンソンの他、ケネス・ブラナー、マイケル・ケインらノーラン作品常連の名優たちが出演。

■Story

特殊部隊員の名もなき男(ジョン・デイビッド・ワシントン)は、テロリストから仲間を救うため身代わりとなって捕らわれてしまう。しかし、昏睡(こんすい)状態から目覚めた彼は、フェイと名乗る男からあるミッションを命じられる。それは、未来からやってきた敵と戦い、世界を救うというもの。未来では、“時間の逆行”と呼ばれる装置が開発され、人や物が過去へと移動できるようになっていた。すべてのキーワードは「TENET(テネット)」。「TENET(テネット)」の謎を解き明かし、第三次世界大戦を防ぐため、相棒・ニール(ロバート・パティンソン)と共に未来からの敵に立ち向かう。

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私をくいとめて
  • 私をくいとめて
  • 『私をくいとめて』通常盤BD
  • ■発売日:2021年10月13日(水)発売
  • ■発売元:東映ビデオ
  • ■販売元:東映
  • ■価格:BD ¥5,800+税
  • 監督:大九明子
  • 出演:のん 林遣都
    臼田あさ美 若林拓也 前野朋哉
    山田真歩 片桐はいり 橋本愛
 

おひとりさま(+脳内のA)の大冒険

東京の会社に勤めながら、1人暮らしをしている黒田みつ子、31歳。「一人カフェ」や「一人焼肉」など、お一人さまライフをそれなりに楽しんでいますが、その理由は脳内に相談役「A」がいるから。「A」はアンサーの「A」。いつだってみつ子に正しい答えをくれる存在です。

お一人さまを楽しむ姿は、彼女の部屋の様子にも表れています。ACTUSやunico、IDEEなど、おしゃれなインテリアショップでそろえた家具やラグ、小物が並ぶお気に入りのもので溢れた部屋は、とても居心地がよさそうです。また、キッチンにあるDANSKの水色の両手鍋は、彼女がきちんと自炊する人であることを物語っています。そんなある日、夕食の買い物で、たまたま取引先の気になる年下男子・多田君と会ったみつ子は、成り行きで定期的に晩ごはんのおかずをお裾分けすることに。彼のことを好きだと自覚しているものの関係性の変化を恐れて、「本人に直接気持ちを聞いてみたらどうですか?」というAの助言もあしらい、煮え切らない日々を過ごしています。

みつ子を演じるのは、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」でおなじみの女優、のん。同ドラマで親友を演じた橋本愛との共演も話題となりました。当時の透明感のある佇まいはそのまま、30代の複雑な感情を繊細に表現していて、日常のささやかな幸せや不安、鬱屈(うっくつ)した思い、喜び、怒り、寂しさ、さまざまな感情を吐露する表情の変化に引き込まれます。変わりたいけど、変わりたくない。そんなこじらせ女子が、お一人さまのハードルをどう乗り越えていくのか…。“A”と共に見守ってみませんか。

脳内に相談役Aが爆誕した31歳おひとりさま ■Introduction

第30回東京国際映画祭コンペティション部門の観客賞などを受賞した『勝手にふるえてろ』の大九明子が監督・脚本を手掛け、芥川賞作家・綿矢りさの同名小説を実写映画化。お一人さま生活を満喫する30代女性と年下男子との不器用な恋の行方を描く。ヒロイン・みつ子役を演じるのはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」などで知られる、のん。相手役の年下男子・多田役を林遣都が演じる。共演には、朝ドラ以来の共演となる橋本愛をはじめ、臼田あさ美、片桐はいりといった実力派の俳優陣が脇を固めている。

■Story

何年も恋人がおらず、おひとりさまライフがすっかり板についた31歳の黒田みつ子(のん)。そんな彼女が楽しく平和に生活できているのには訳があった。彼女の脳内にはもう1人の自分である相談役「A」が存在し、人間関係や身の振り方に迷った際にはいつも正しい答えをくれるのだ。平和な日常がずっと続くと思っていたみつ子だったが、取引先の若手営業マン・多田(林遣都)に恋をしてしまったことで、徐々に日常が変わり始める。戸惑いながらも、一歩前へ踏み出すことを決意するみつ子だったが…。

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