クラブ・エス ウェブマガジン

アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

カムバック・トゥ・ハリウッド!!
  • カムバック・トゥ・ハリウッド!!
  • 『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:ニューセレクト株式会社
  • ■販売元:アルバトロス株式会社
  • ■価格:BD ¥4,500+税
  • 監督:ジョージ・ギャロ
  • 出演:ロバート・デ・ニーロ
    トミー・リー・ジョーンズ
    モーガン・フリーマン
 

(C)2020 The Comeback Trail , LLC All rights Reserved

タオス・プエブロ(アメリカ〜ニューメキシコ)

1000年以上変わらないネイティブ・アメリカンの暮らし


タオス・プエブロ(アメリカ〜ニューメキシコ)

(C)shutterstock

ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、トミー・リー・ジョーンズといったオスカー受賞の名優たちが、1970年代のハリウッドを舞台に、保険金を巡ってドタバタ騒動を繰り広げる『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』。劇中で新作映画の撮影場所になったのは、アメリカ南西部のニューメキシコ州。ロッキー山脈や荒野、砂漠など大自然に囲まれたこの地は、本作のように西部劇の絵になる場所がたくさんあります。

ネイティブ・アメリカンの基層文化とヨーロッパ文化が融合した多様な文化と町並みから、「魅惑の州」とも呼ばれるニューメキシコ州。サンタフェから北に100kmほどに位置する世界遺産の「タオス・プエブロ」では、1000年以上に渡って住み継がれてきたネイティブ・アメリカン、プエブロ族の暮らしを見ることができます。赤褐色の特徴的な住居は、土と水とわらで作られたアドビと呼ばれる日干しレンガでできています。夏は暑く、冬は寒い日が続くこの地で、外気温をゆっくりと吸収し、室内の温度を一定に保つ効果がある日干しレンガの建物は、過酷な自然と共に生きてきた昔からの知恵。

現在、150人ほどのプエブロ族がここで生活していますが、なんと、この住居には電気や水道設備がありません。IT技術で世界最先端をいくアメリカにあって、住民が1000年以上変わらない生活を営んでいるタオス・プエブロは、ネイティブ・アメリカンの文化を伝える貴重な場所となっています。

このジジイたち、殺しても死なない!?

■Introduction

『レイジング・ブル』のロバート・デ・ニーロ、『ミリオンダラー・ベイビー』のモーガン・フリーマン、『逃亡者』のトミー・リー・ジョーンズといったアカデミー賞俳優陣が集結したコメディ映画。落ち目の映画プロデューサー、彼を脅すギャングのボス、往年の映画スターの3人が、それぞれの目的のために映画撮影に臨むことで巻き起こる騒動をコミカルに描く。監督を、デ・ニーロ主演のコメディ『ミッドナイト・ラン』で脚本を手掛けたジョージ・ギャロが務める。

■Story

1974年のハリウッド。B級映画プロデューサーのマックス(ロバート・デ・ニーロ)は手掛けた映画が大コケ。さらに、ギャングのボス・レジー(モーガン・フリーマン)から借金35万ドルの返済を迫られ、頭を悩ませていた。追い詰められたマックスは、危険なスタント撮影での死亡事故で保険金を手にするという、とんでもないアイデアを思い付く。早速、往年のスターであるデューク(トミー・リー・ジョーンズ)を老人ホームから担ぎ出し、西部劇の撮影をスタートさせるマックス。しかし、デュークは思いの外しぶとく、撮影は順調に進んでしまう。

ページトップ

ファーザー
  • ファーザー
  • 『ファーザー』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:インターフィルム
  • ■価格:BD ¥4,800+税
  • 監督:フロリアン・ゼレール
  • 出演:アンソニー・ホプキンス オリヴィア・コールマン
    マーク・ゲイティス イモージェン・プーツ
    ルーファス・シーウェル オリヴィア・ウィリアムズ
    アイーシャー・ダルカール
 

(C)NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINE-@ ORANGE STUDIO 2020

老いに直面する親子の姿を新たな視点で描いた、記憶を巡る物語

『羊たちの沈黙』などで知られる名優アンソニー・ホプキンスは、御年83歳。彼が自分と同じアンソニーという名で、実年齢に近い81歳の役柄を演じ、本年度のアカデミー賞で主演男優賞・脚色賞を受賞した『ファーザー』は、記憶を失っていく父と、彼を見守る娘を描いた物語です。自身が手掛けた戯曲を映画化したフロリアン・ゼレール監督は、認知症をテーマに、ミステリアスかつ緊張感の漂う密室劇に仕立てました。

これまで認知症を扱った映画の多くは、介護する側の心情に沿った作品が主でしたが、本作ではその当事者の視点で描かれています。映画の冒頭、娘のアンから新しい恋人とパリで暮らすと告げられたアンソニーはショックを受けますが、別の日には夫と共にロンドンにいると言われます。また、アンソニーの唯一の居場所である自宅には、謎の男が現れ、この家は自分のものだと主張。現実と幻想の境界が危うい中、果たして何が真実なのか、観ている私たちも混乱の渦へ引きずられていきます。

認知症の当事者が感じる、つじつまの合わない毎日への不安や恐怖。かつては知的で威厳があった父の衰えをまざまざと見せつけられ、ショックを受ける娘。そんなつらい状況下でも端々に感じられる親子の愛が胸を打ちます。共にオスカー俳優であるアンソニー・ホプキンスとオリヴィア・コールマンが表現する繊細な感情の揺れは、いつか私たちが体験するかもしれない近い将来の物語。誰もが老いから逃れられないからこそ、一層、この親子の姿に心を揺さぶられずにはいられないでしょう。

記憶と幻想の境界が崩れゆく父と、戸惑う娘
驚きと不安の中たどり着いた答えとは―?
■Introduction

日本を含め世界30カ国以上で上演された舞台「Le Pere 父」を映画化した作品。老いによる喪失と親子の揺れる絆を、記憶と時間が混迷していく父親の視点から描く。『羊たちの沈黙』などで知られる名優アンソニー・ホプキンスが認知症の父親役を、『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンが娘のアンを演じる。また、原作者であるフロリアン・ゼレールが自ら監督を務めている。本作は、第93回アカデミー賞で作品賞をはじめとした計6部門にノミネートされ、主演男優賞と脚色賞の2部門を受賞した。

■Story

ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニー(アンソニー・ホプキンス)。彼は認知症により記憶が薄れ始めていたが、娘のアン(オリヴィア・コールマン)が手配した介護人を拒否してしまう。そんな中、アンソニーはアンから、新しい恋人とパリで暮らすと告げられる。しかし彼の自宅には、アンと結婚して10年以上になるという見知らぬ男(マーク・ゲイティス)が現れ、ここは自分とアンの家だと主張する。さらに、アンソニーにはもう1人の娘ルーシーがいたはずだが、その姿はない。現実と幻想の境界が崩れていく中、アンソニーはある真実にたどり着く。

ページトップ