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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

スラムドッグ$ミリオネア
  • スラムドッグ$ミリオネア
  • 『スラムドッグ$ミリオネア』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元・販売元:メディアファクトリー
  • ■価格:DVD¥3,990(税込)、Blu-ray¥4,935(税込)
  • 監督:ダニー・ボイル
  • 出演:デーブ・パテル アニール・カプール、イルファン・カーン、マドゥル・ミッタル、フリーダ・ピント 他
 

(C) 2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation

タージ・マハル<インド〜アーグラ>

皇帝が亡き妻に捧げた愛の記念碑

セント・ポール大聖堂

土煙の向こうにぼんやりと浮かぶ白い堂々たる建物をみたジャマールは思わずこう呟きます。「ここは天国?」。ジャマールの言葉どおり、白亜の大理石で造られたタージ・マハルは「その偉容と美しさは天上の7つの楽園をも凌ぐ」といわれるほど。世界の1、2を争う美しさはまさに天国という言葉にふさわしい建物といえるでしょう。

16世紀に北インドを治めたムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、若くしてこの世を去った愛妃ムムターズ・マハルを偲んで造ったこの霊廟は、世界各地から2万人ともいわれる最高の職人と貴石を集め、22年の歳月をかけて1653年に出来上がりました。赤砂岩の南門をくぐり、正方形のムガル式四分庭園を抜けると、そこには4本の尖塔(ミナレット)を従えた堂々たるドーム屋根の廟堂が鎮座しています。まばゆいほどに輝く総大理石造りの壁には、唐草模様や花、アラベスク。細部にまで施された装飾や建物の配置には、ペルシア建築の影響が多く見受けられます。

そしてタージ・マハル最大の特徴といえば、完璧な左右対称の形です。東西南北どこから見ても同じという構図はまさに芸術的。贅を極めたタージ・マハルですが、国家が傾くほどの費用をかけて建造した結果、皇帝は晩年息子によってアーグラ城に幽閉され、亡き妻が眠るタージ・マハルを眺めては涙を流したと言われています。皇帝亡き後、棺は愛する王妃の隣に安置されましたが、そんな愛の物語も人々を魅了してやまないのでしょう。

『運じゃなく、運命だった。』 ■Introduction

インド生まれの作家ヴィカス・スワラップによる小説「ぼくと1ルピーの神様」を元に、世界最大のゲームショー「クイズ$ミリオネア」で一夜にして億万長者のチャンスを掴んだスラムの少年の人生を描いた感動作。監督は『トレインスポッティング』『ザ・ビーチ』『28日後...』など毎回まったく違ったジャンルの作品を贈り出してきたダニー・ボイル。また、脚本を『フル・モンティ』でオスカー候補に挙がったサイモン・ビューフォイが務めている。本作では、ほとんどのキャストが現地のスラムでスカウトされ、リアリティを重視して、言語も全体の3分の1がヒンディー語で撮影された。

■Story

アジア最大のスラム街・ムンバイで育った少年ジャマール(デーヴ・パテル)は、世界的人気番組「クイズ$ミリオネア」にて1問を残して全問正解、一夜にして億万長者のチャンスを掴む。その全ての答えの裏側にインドを疾走する彼の人生があった。そして、一問正解するごとに近づいていく、運命の恋。必ず、君を見つけ出す。だが、番組史上最高額の賞金を目の前にし、無学な彼は不正の疑いをかけられる。番組の差し金で警察に連行され、尋問を受けることになってしまったジャマールは、自らの過去を語り始める。そして、なぜ彼がクイズ番組に出演しようと思ったのか、その動機が明らかにされるのだった…。

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50歳の恋愛白書
  • 50歳の恋愛白書
  • 『50歳の恋愛白書』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:ギャガ
  • ■販売元:ポニーキャニオン
  • ■価格:¥3,990(税込)
  • 監督:レベッカ・ミラー
  • 出演:ロビン・ライト・ペン、キアヌ・リーヴス、ウィノナ・ライダー、ブレイク・ライブリー、モニカ・ベルッチ 他

(C)Lam Duc Hien,Photographer (C)Central Films Sarl,Morena Films SL,BetterWide Limited,Lumiere International limited,LBF10Limite.2009,Studio Canal,All Rights Reserved.

理想の妻がつくりあげた理想の家

さまざまな家具や雑貨などで満たされた部屋をみると、その住人がどんなことに興味を持っているのか、またどんな感性なのかわかる気がしませんか?人々の個性が現れるインテリア。『50歳の恋愛白書』のピッパの場合も、インテリアでの自己表現が見られます。
2度の心臓発作に見舞われた夫の健康のため、都会から静かな郊外へ引っ越してきたピッパ。そんな熟年夫婦が暮らす平屋は、シンプルモダンな家具で統一された大人のセンスが光る家。ブラウンや白、淡いブルーなどシックな色を基調に、上質なソファや磨きこまれたキッチンなど落ち着いたインテリアは、いかにも“出版王”の家らしいラグジュアリーな雰囲気に満ちています。

30歳年上の人気作家と結婚し、2人の子どもを育てたピッパは良妻賢母としてみんなから憧れられる存在。そんな彼女がつくりあげた家もまた誰もがうらやむような素敵な家です。しかし、本当のピッパは自分がつくりあげた家に居心地の悪さを感じており、新たな住まいを「死に向かう人たちの村」と揶揄します。時間をもてあますようになった彼女は、ドラッグに明け暮れた若い頃や情緒不安定だった母のことを思い出すのですが、ある日年下のフリーター、クリスと出会って心に変化が現れます。

さまざまな予測不能な事態を経て、型にはめた役割を生きるのではなく、自分の思うがままに生きようと決意したピッパ。彼女は、次にどんな家をつくりあげるのでしょうか。

『人生半分過ぎたら、やりたいことだけやろう。』 ■Introduction

誰もが羨む“理想の妻”を演じてきた50歳の女性が、年下男との出会いをきっかけに、新しい人生を模索し始める…。悩める大人たちの、恋と人生の物語。主人公・ピッパ役を演じるのは、『アンブレイカブル』『消されたヘッドライン』のロビン・ライト・ペン。また、ピッパに大きな影響をもたらす夫役に『リトル・ミス・サンシャイン』でオスカーを獲得したアラン・アーキン、ピッパが奇妙な心のつながりを持つことになる年下の男性クリス役に、キアヌ・リーヴスが扮している。さらに、テレビドラマ「ゴシップガール」で絶大な人気を誇るブレイク・ライブリーやジュリアン・ムーア、ウィノナ・ライダーなど、豪華女優陣が脇を固めている。メガホンを取ったのは、『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』で世界中の涙を誘ったレベッカ・ミラー。

■Story

ピッパ・リー(ロビン・ライト・ペン)、50歳。年上のベストセラー作家との“結婚”を手に入れ、2人の子供を育て、完璧な妻を30年近く演じてきた。誰もが“理想の妻”として羨む彼女だったが、そんな彼女を取り巻くのは、浮気な夫、ダメ女の親友、反抗的な娘…。ピッパは、日々型にはまった退屈で息苦しい自分に、不満を募らせていた。だがある日、15歳も年下のクリス(キアヌ・リーヴス)との出会いによって、彼女は変わっていく。今までの自分を捨てて、新しい人生を始めるために。いくつになっても、人は恋をしてしまうもの。悩める大人たちが手にするハッピーエンドは、今の幸せか、それとも、その先にある新しい未来なのか…?

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