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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ALWAYS 三丁目の夕日
  • ALWAYS 三丁目の夕日
  • 『ALWAYS 三丁目の夕日 通常版』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:小学館
  • ■販売元:バップ
  • ■価格:¥3,990(税込)
  • 監督:山崎貴
  • 出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、三浦友和、薬師丸ひろ子、須賀健太、小清水一揮 他
 

(C) 2005「ALWAYS 三丁目の夕日」製作委員会

東京タワー <日本〜東京>

戦後の東京復興のシンボルとして愛される電波塔

東京タワー

今年3月、高さ600mを超え自立式電波塔として世界一となった東京スカイツリー。昨年の3月に333mを超えたことで東京タワーは日本で第2の高さとなりましたが、50年を経た今もなお、東京タワーはインターナショナルな“トーキョー”を代表するランドマークとして人々に親しまれています。

昭和28年(1953年)のテレビ本放送以来、それまで乱立していた電波塔を集約し関東一円に放送電波を届ける総合電波塔として昭和33年に建てられた東京タワー。「建設するからには世界一高い塔でなければ意味がない」という発起人・前田久吉の言葉どおり、当時はパリのエッフェル塔を抜いて自立式鉄塔としては世界一の高さを記録しました。

東京タワーに用いられたのは、三角形を基本にした「トラス形式」。軽くて丈夫、変形にも強いトラス形式をもとに、目もくらむような高所で命綱なしに鳶職人たちが800度に熱せられたリベットを打ち付け、塗装職人がインターナショナルオレンジと白を塗る。そんな職人たちが命がけで創りあげた東京タワーは、高度経済成長の真っ只中の復興のシンボルとして、人々を勇気づけてきました。『ALWAYS 三丁目の夕日』では、そんな建設途中の東京タワーを背景に、人々の活気ある姿が描かれています。

『携帯もパソコンもなかったのに、どうしてあんなに楽しかったのだろう。』 ■Introduction

昭和33年。建設中の東京タワーを背景に、下町に暮らす個性豊かな面々が織り成す感動と希望の物語。原作は、連載開始以来30年以上に渡って人々に愛され続けている西岸良平の人気作品「三丁目の夕日」。豊かではないけれど、未来に希望を抱きながら大切な夢に向かって生きていく人々の姿に、静かに感動する。本作で昭和30年代の街並みの完全再現に挑んだのは、『ジュブナイル』『Returner/リターナー』、ゲーム「鬼武者3」のオープニング映像などを手がけ、その技術と演出力が国内外で高く評価されている監督・山崎貴。そして、吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希など、豪華俳優陣が集結した。

■Story

東京タワーが完成する昭和33年、夕日町三丁目では個性豊かな住民たちが暮らしていた。短気だが家族思いの父・則文(堤真一)と優しい母・トモエ(薬師丸ひろ子)、やんちゃな息子・一平(小清水一揮)が暮らす自動車修理工場・鈴木オートに、ある日青森から六子(堀北真希)が集団就職で上京してくる。そんな工場の向かいには、三流少年誌に小説を執筆しつつ細々と生活を送る、駄菓子屋・茶川商店の店主・茶川竜之介(吉岡秀隆)が住んでいた。あるとき、茶川が恋心を抱く一杯飲み屋のおかみ・ヒロミ(小雪)のところに、引き取り手のない少年が連れられてくる。ヒロミの店で酔っ払った茶川は、ひょんなことから彼の世話をすることになるが…。

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しあわせの隠れ場所
  • しあわせの隠れ場所
  • 『しあわせの隠れ場所』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:ギャガ
  • ■販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
  • ■価格:ブルーレイ:¥2,500(税込)   DVD:¥1,500(税込)
  • 監督:ジョン・リー・ハンコック
  • 出演:サンドラ・ブロック、クィントン・アーロン、ティム・マッグロウ、キャシー・ベイツ、リリー・コリンズ 他

(C) 2009 Warner Bros. Entertainment. All Rights Reserved.

ひとりぼっちの少年が教える「家族」のありかた、過ごし方

ホームレス同然の生活を送っていた黒人の少年が、ある日裕福な白人一家のバックアップのもと、才能を開花させアメリカン・ドリームを手に入れる。『しあわせの隠れ場所』はそんな夢のようなチャンスをつかみ、アメリカン・フットボールのスター選手となったマイケル・オアーと、彼をサポートしたテューイ家の物語です。

一夜の寝床にも困っていたマイケルを家に招いたのは、クラスメイトの母であるリー・アン・テューイ。外食チェーン・オーナーの夫を持ち、自身もインテリア・デザイナーとして活躍する彼女の自宅は、猫足の椅子やたっぷりの生地を使ったカーテン、シャンデリアなどヨーロッパのクラシックなスタイルで統一された、家族4人で住むには大きすぎるほどの豪邸です。メンフィスの貧困地区で暮らし、麻薬や暴力が当たり前にある環境にいたマイケルにとってその家はさぞかし別世界に思えたことでしょう。

一夜の宿を提供するだけのつもりだったリー・アンが、彼の人生を引き受けるきっかけとなった場所がダイニングです。感謝祭の日、リビングのソファに座りテレビを見ながらめいめい食事をするテューイ家に対し、広いダイニングでひとり食事をするマイケル。その姿を見てリー・アンは、家族が本来あるべき姿に気づかされるのです。

映画の原題『The Blind Side』とは、アメフトのクォーターバックを守る役目を持つレフト・タックルのことを意味しますが、テューイ家にとってもマイケルは“家族”の死角を守る頼もしい存在といえるでしょう。

『あなたの人生史上、最高の実話』 ■Introduction

マイケル・ルイスのベストセラー・ノンフィクション『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』を『オールド・ルーキー』のジョン・リー・ハンコック監督が映画化。一度はホームレスになるなど過酷な少年時代を過ごしながらも、ある家族との出会いによって自らの才能を開花させ、ドラフト1巡目指名でNFLデビューを飾ったマイケル・オアーの半生を描く。マイケル・オアーを養子に迎える母親役を見事に演じたのは、『イルマーレ』『あなたは私の婿になる』のサンドラ・ブロック。彼女は本作でグローブ賞、ドラマ部門の女優賞、アカデミー主演女優賞を受賞した。また、その夫役をカントリー歌手として有名なティム・マッグロウが演じている。

■Story

父親の顔も知らず、母親と引き離されて家も寝る所もないひとりぼっちの黒人少年、マイケル・オアー(クィントン・アーロン)。凍てつくような真冬の夜、Tシャツと短パン姿で歩いていた彼に、白人女性リー・アン(サンドラ・ブロック)が声をかけ、夫と娘と息子の4人で住む自宅に招き入れる。はじめはマイケルに憐れみだけを感じていたが、彼の瞳の中に輝きを見つけたリー・アンは後見人になると決心する。そして自分の部屋と教育の場を与え、改めて家族の一員としてマイケルを迎え入れるのだった。その後彼女は、大柄でありながら敏捷な肉体と仲間を危険から守る保護本能に秀でた心を持つマイケルに、アメリカン・フットボールの才能を見出し…。

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