千年の歴史を物語る誇り高き社
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舞妓が大好きな男が、憧れの“舞妓はんとの野球拳”を目指してハイテンションで突っ走る映画『舞妓Haaaan!!!』。映画の冒頭で修学旅行中の鬼塚が「ななはぁぁあん」と叫んでいた場所が、緑釉瓦(り ょくゆうがわら)と鮮やかな朱色のコントラストが美しい平安神宮です。
平安京の大内裏の正庁を約8分の5のスケールで再現した平安神宮は、衰退する京都を盛り上げるべく明治28年(1895年)に平安遷都1100年を記念して造られました。二層楼閣で勾欄(こうらん)を設けた応天門、政治や儀式の場であった寝殿造りの大極殿、その左右には蒼龍楼と白虎楼と左右対称の建築美が見事な境内は、雅な雰囲気に満ち、在りし日の平安京の姿を喚起させます。
また、本殿の裏にあるおよそ1万坪の神苑も見所のひとつ。〈まことにここの花を措(お)いて京洛(きょうらく)の春を代表するものはない〉。『細雪』にそう記した文豪・谷崎潤一郎は、ここのしだれ桜をことのほか愛したといいます。植治の七代目・小川治兵衛がつくり上げた東、中、西、南という4つの趣の異なる見事な日本庭園では、初夏には花菖蒲、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の美しさを楽しめます。
京都御所から平安神宮まで練り歩く京都三大祭のひとつ「時代祭」では、明治維新から延暦時代までの時代装束を身にまとった人々の行列を見ることができます。「京都をおいて他には真似のできないものを」という意気込みで始まった時代祭もまた、平安神宮とともに京都人の誇りの象徴といえるでしょう。
『男の究極の夢。それは……《舞妓はんとの野球拳!!!》』
■Introduction
映画『ピンポン』『木更津キャッツアイ』シリーズなどのヒット作の脚本を手がけ、他にも俳優、構成作家、監督、ミュージシャンなど多彩な活動で知られる宮藤官九郎が“舞妓”をテーマにオリジナル脚本を書き下ろした。主演は、存在感のある俳優として定評のある『大奥』『なくもんか』の阿部サダヲ、そして数々のヒット・ドラマ、ヒット映画の常連ともいえる『クライマーズ・ハイ』『ALWAYS 三丁目の夕日』の堤真一、『日本沈没』『食堂かたつむり』の柴咲コウの3人。監督は『花田少年史』の水田伸生。 誰も描けなかった“舞妓ワールド”を、絶妙な演出で描いたエンターテインメント作品。
■Story
鬼塚公彦(阿部サダヲ)は鈴屋食品・東京本社で働く平凡なサラリーマン。ただひとつ異なるのは、熱狂的な舞妓ファンで暇さえあれば京都に通っていること。しかし、舞妓と遊ぶためのお店・お茶屋ののれんをくぐったことはない。そんなある日、公彦に吉報がもたらされた。念願の京都支社への転勤が決まったのだ。あっさりと、同僚OLの彼女・大沢富士子(柴咲コウ)を捨てて、意気揚々と京都入り。死にものぐるいで仕事をして、「一見さんお断り」という最高峰の壁を強引に乗り越え、やっとの思いでお茶屋デビュー。お座敷での宴会も盛り上がり、いざ舞妓との野球拳というときに…。

夜な夜な人の血を吸い、暗い城の柩のなかで眠りにつく。1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』以降、数多く描かれてきたヴァンパイア映画の“家”は、陽の差さない冷たい城、柩や地下牢など暗いイメージが大半でしたが、まったく新しいヴァンパイア像を見せてくれる本作は“家”もとてもスタイリッシュです。
1人の少女を激しく愛しながらもその人の血を欲してしまうヴァンパイアの苦悩と、そんな彼を一途に愛する少女の禁断の恋を描いた『トワイライト』シリーズ。その主人公である美しきヴァンパイア、エドワードが家族と暮らすのは、黒塗りのコンクリートと木のコントラストが美しい3階建ての家。目の前の森を存分に楽しめるよう広範囲に使われた窓などは、あのフランク・ロイド・ライトの傑作「落水荘」を思い起こさせます。また、白を基調とした室内にはデザイナーズ家具やアンティーク、アートがさりげなく飾られ、とても洗練された空間となっています。
このモダンな家からは一見して彼らがヴァンパイアだとはわかりませんが、100はあろうかという高校の卒業帽子のコラージュや、ベッドがないこと、生活感がないキッチンは、彼らが睡眠も食事も必要とせず、永遠の時間を生きるヴァンパイアであることを物語っています。
俊敏で強靭な肉体、人の心を読めるなど特殊な能力を持ち永遠の時間を生きるヴァンパイア。彼らが住むスタイリッシュで完璧な家は、人血への欲望を抑え正体を隠しながら人間社会に籍をおく彼らの努力と深い孤独を表しているのです。
『すべてを奪われたい。』
■Introduction
ステファニー・メイヤー原作のシリーズ累計2500万部のベストセラー小説の映画化。雨と霧の町フォークスに引っ越してきた内気な高校生ベラと、そこで彼女が出会う完璧な容姿を持つヴァンパイア・エドワードとのロマンスを描く。出演は、『パニック・ルーム』『イントゥ・ザ・ワイルド』のクリステン・スチュワート、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のロバート・パティンソン、『バレンタインデー』のテイラー・ロートナー。監督は『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』『赤ずきん』のキャサリン・ハードウィック。女性がラブストーリーに求めるすべての要素が、凝縮された究極の恋愛映画。
■Story
霧の町、ワシントン州フォークスに引っ越してきたベラ・スワン(クリステン・スチュワート)は、転入先の高校で、不思議な雰囲気を持ったカレン家の面々に出会う。アリス(アシュリー・グリーン)、ジャスパー(ジャクソン・ラスボーン)、ロザリー(ニッキー・リード)、エメット(ケラン・ラッツ)、そして、完璧な美男子エドワード(ロバート・パティンソン)。彼らは、他人と交わらずに自分たちだけの世界を守っている。次第に惹かれ合うベラとエドワードだが、エドワードには重大な秘密があった。ヴァンパイアの一族だったのだ。エドワードはベラの血が放つ香りにヴァンパイア本来の欲求が抑えられなくなりそうな恐怖を感じ…。
