
闘牛士が目指す最高峰の闘牛場

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闘牛士と雄牛が生と死をかけて戦う究極のドラマ・闘牛。3月から10月のシーズンになると、そのスリルを求めて多くの人が闘牛場に詰めかけます。スペイン国内で400以上あるといわれる闘牛場ですが、なかでもオペラ『カルメン』の舞台として知られる「マエストランサ闘牛場」は、スペインで2番目の古さを誇り、闘牛士の聖地といえる場所。
この闘牛場が建設されたのは18世紀前半、その後何度か修復され1915年築のものが現在の姿となっています。併設されている博物館では、闘牛の歴史や道具、衣装などが展示され国技としての闘牛の奥深さを知ることができます。
アンダルシアの青い空に映える白い外壁に黄色の縁取りが施されたバロック調の正門は、闘牛士にとって特別な場所。試合後にファンに肩車をされながらここを退場することは彼らにとって最高の名誉なのだといいます。闘牛士と牛との息が詰まるようなぎりぎりの駆け引きと迫力、その一挙一動を14000人の観客たちが固唾を呑んで見守り、喝采を送る。これぞスペインならではの光景といえるでしょう。
映画では、サン・フェルミン祭で盛り上がる市内をロイとジューンが敵と交戦しながらバイクで疾走する、迫力満点のシーンが出てきます。本来サン・フェルミン祭といえばヘミングウェイの『日はまた昇る』の舞台となったパンプローナで行われているものですが、セルビアの街中に放たれた牡牛を、人々がマエストランサ闘牛場へ追い詰めるシーンは、この映画でしか見られない貴重な映像で、物語の最大の見所でもあるのです。
『ワルキューレ』のトム・クルーズと『運命のボタン』のキャメロン・ディアス共演によるアクション&ロマンス。平凡な女性が元スパイの男性と出会ったがために、世界規模の騒動に巻き込まれていく。監督は『3時10分、決断のとき』のジェームズ・マンゴールド。そのほか、『17歳の肖像』のピーター・サースガード、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のポール・ダノらが出演。『バニラ・スカイ』で共演したトム・クルーズとキャメロン・ディアスが再び顔を合わせているのも話題。軽快でウィットに富んだ会話の応酬は見もの。
■Story平凡な女性ジューン(キャメロン・ディアス)が空港で出会った、とびきり笑顔が素敵な男性ロイ(トム・クルーズ)。だが、その男は1週間前までCIAエージェントだったことが判明。恋の予感は一瞬にして怒涛のパニックへと変わり、ジューンは嵐のような大事件に巻き込まれていくが、いくつもの危機を助けられ、次第に彼に惹かれていく。ミステリアスなロイの背後には、巨大な陰謀の影が…。この予測不能で危険なロイと行動を共にすることだけが、ジューンに残された生き延びる方法だった。