クラブ・エス ウェブマガジン

アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

(C) Nikolny - Fotolia.com
  • ナイト&デイ
  • 『ナイト&デイ<エキサイティング・バージョン>』
  • ■発売日:発売中
  • ■販売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
  • ■価格:¥1,490(税込)
  • 監督:ジェームズ・マンゴールド
  • 出演:トム・クルーズ キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、ビオラ・デイビス 他
 

(C)2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

マエストランサ闘牛場(スペイン〜セルビア)

闘牛士が目指す最高峰の闘牛場

イタリア〜ヴェローナ

(C) Daniel J.B. - Fotolia.com

闘牛士と雄牛が生と死をかけて戦う究極のドラマ・闘牛。3月から10月のシーズンになると、そのスリルを求めて多くの人が闘牛場に詰めかけます。スペイン国内で400以上あるといわれる闘牛場ですが、なかでもオペラ『カルメン』の舞台として知られる「マエストランサ闘牛場」は、スペインで2番目の古さを誇り、闘牛士の聖地といえる場所。

 

この闘牛場が建設されたのは18世紀前半、その後何度か修復され1915年築のものが現在の姿となっています。併設されている博物館では、闘牛の歴史や道具、衣装などが展示され国技としての闘牛の奥深さを知ることができます。

 

アンダルシアの青い空に映える白い外壁に黄色の縁取りが施されたバロック調の正門は、闘牛士にとって特別な場所。試合後にファンに肩車をされながらここを退場することは彼らにとって最高の名誉なのだといいます。闘牛士と牛との息が詰まるようなぎりぎりの駆け引きと迫力、その一挙一動を14000人の観客たちが固唾を呑んで見守り、喝采を送る。これぞスペインならではの光景といえるでしょう。

 

映画では、サン・フェルミン祭で盛り上がる市内をロイとジューンが敵と交戦しながらバイクで疾走する、迫力満点のシーンが出てきます。本来サン・フェルミン祭といえばヘミングウェイの『日はまた昇る』の舞台となったパンプローナで行われているものですが、セルビアの街中に放たれた牡牛を、人々がマエストランサ闘牛場へ追い詰めるシーンは、この映画でしか見られない貴重な映像で、物語の最大の見所でもあるのです。

『ワイルドな誘惑。スイートな衝撃。』 ■Introduction

『ワルキューレ』のトム・クルーズと『運命のボタン』のキャメロン・ディアス共演によるアクション&ロマンス。平凡な女性が元スパイの男性と出会ったがために、世界規模の騒動に巻き込まれていく。監督は『3時10分、決断のとき』のジェームズ・マンゴールド。そのほか、『17歳の肖像』のピーター・サースガード、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のポール・ダノらが出演。『バニラ・スカイ』で共演したトム・クルーズとキャメロン・ディアスが再び顔を合わせているのも話題。軽快でウィットに富んだ会話の応酬は見もの。

■Story

平凡な女性ジューン(キャメロン・ディアス)が空港で出会った、とびきり笑顔が素敵な男性ロイ(トム・クルーズ)。だが、その男は1週間前までCIAエージェントだったことが判明。恋の予感は一瞬にして怒涛のパニックへと変わり、ジューンは嵐のような大事件に巻き込まれていくが、いくつもの危機を助けられ、次第に彼に惹かれていく。ミステリアスなロイの背後には、巨大な陰謀の影が…。この予測不能で危険なロイと行動を共にすることだけが、ジューンに残された生き延びる方法だった。

ページトップ

ツレがうつになりまして。
  • ツレがうつになりまして。
  • 『ツレがうつになりまして。』
  • ■発売日:発売中
  • ■販売元:キングレコード
  • ■価格:¥3,990(税込)
  • 監督:佐々部清
  • 出演:宮浮おい/堺雅人/吹越満/津田寛治/犬塚弘/梅沢富美男/田山涼成/大杉漣/余貴美子 他

(C) 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会

夫婦を支える温もりに満ちた日本家屋

舞台はいまどき珍しい広い縁側がついた古い日本家屋の平屋建て。漫画本やCDが積まれた本棚やアンティークのガラス瓶など、多くのものであふれた畳敷きの部屋では、レコードが流れ、「高崎イグ」と名付けられたイグアナが、住人であるハルさんとツレ(幹男)を探して部屋を移動しています。

 

几帳面で仕事熱心な夫がうつ病になったことをきっかけに、彼らが成長していく姿を温かな視点で描いた『ツレがうつになりまして。』。うつ病の闘病記というと、どうしても暗く重い物語をイメージしがちですが、本作が明るくほのぼのとした物語になっているのは、うつ病になったツレに対して「がんばらないぞ!」と決意し、彼と自然体で向き合うハルさんのキャラクターはもちろん、この家の存在も大きな役割を果たしているといえるでしょう。

 

細川貂々さんの原作では舞台がマンションだったのに比べ、本作では5LDKの木造平屋建て。「人と床の距離を近くすることで、高崎家の温かな雰囲気を出したかった」という佐々部清監督の思惑どおり、そこではゆったりとした時間の流れを感じることができます。たとえば、「昼間から寝るのは罪悪感がある」というツレに対して、「私なんて毎日昼寝してたよ」といって、二人でごろりと寝転ぶ畳の寝室。縁側で息子同然のイグアナとまどろむひととき。庭先から隣家の桜の花を愛でるとき。そんな日常の何気ないひとときが、日々ストレスにさらされてきたツレの心をじんわりとほぐす薬となったに違いありません。

『がんばらないぞ!』 ■Introduction

夫がうつ病になったことをきっかけに、これまでの自分たちを見つめ直し、成長していく夫婦の姿を描いた細川貂々の同名コミックエッセイを映画化。監督は『陽はまた昇る』『半落ち』の佐々部清。出演は『NANA』『少年メリケンサック』の宮浮おい、『クライマーズ・ハイ』『アフタースクール』の堺雅人、『天使の恋』『冷たい熱帯魚』の吹越満、『誰も守ってくれない』『余命1ヶ月の花嫁』の津田寛治。人生の危機にのんびりと立ち向かう夫婦の姿が、うつとの付き合い方を観客にやさしく教えてくれる。

■Story

熏關ー子(宮浮おい)の家族は、夫・幹男(堺雅人)、そしてイグアナのイグ。幹男は仕事をバリバリこなし、毎朝お弁当まで作るスーパーサラリーマンであった。そんな幹男がうつ病(心因性うつ病)になった。仕事の激務とストレスが原因らしい。結婚5年目。幹男の変化に気付かなかった晴子は、幹男に謝りながら、「会社を辞めないなら離婚する」と告げる。そして会社を辞めた幹男が主夫になり、家事嫌いの晴子は内心嬉しく思っていた。ところが収入源がなくなり、熏濶ニは貧困街道まっしぐら。そこで晴子は編集部へ行き、「ツレがうつになりまして、仕事をください」と大胆発言し…。

ページトップ