『建築物の防火避難規定の解説2012』
秋になり残暑も落ち着きましたが、これ以降は気温が下がり空気が乾燥する季節へと移行していきます。
空気が乾燥し始めると起こりやすくなるのが火災。火災発生時、人が避難するために建築物に必須となるのが、防火や避難経路の確保等の対策です。それらは建築基準法で定められていますが、その防火避難関係規定についてまとめ、解説を行っているのが本書です。
耐火構造に関する項目では、外壁や屋根など建築物を構成する各パーツの耐火についての仕様等がまとめられています。例えばマンションなどの階数の多い建築物では最上階からの階数によって必要耐火性能が変化します。2〜4の階であれば一時間、5〜14ではそれぞれ2時間以上の耐火性能が必要となってきます。
火災発生時に人の命を左右することになる建築物の防火。その基本をしっかりと理解するために用意された一冊です。
『耐火木造[計画・設計・施工]マニュアル 特殊建築物から戸建住宅まで』
実際の現場で行なわれている耐火木造建築を計画から耐火木造の確認申請に至るまで、写真や図面を用いて詳細に記載した本書。
公共建築物木材利用促進法によって、このところ追い風が吹いてきた木造建築で、防・耐火性能をどうやって確保するかという問題が生じますが、それに対しどんなことが可能なのか、かつそれを実現するには具体的にどうしたらいいのかという事が書かれています。例えば、耐火構造の例示仕様の概要では各パーツ毎にどんな構造があるのかが表にされており、床で2時間の耐火では、「RC造・SRC造・鉄骨コンクリート造、厚さ10cm以上、鉄骨に対してはかぶり3cm以上」をはじめ、その他7つの耐火構造が提示されています。
マニュアル、というタイトルの通り、木造建築の防・耐火について、関係者、特に設計者に提供するための情報を提供してくれる参考書です。