旧王立海軍大学<イギリス〜グリニッジ>
大英帝国の栄光を今に伝える歴史的建造物
世界の時間の標準地点として知られるグリニッジ。19世紀に7つの海を制したイギリス海軍の歴史的建造物が残されているこの街は、河港都市グリニッジ(マリタイム・グリニッジ)として世界遺産に登録されている由緒ある港町です。
その中のひとつ、テムズ川を臨む旧王立海軍大学はグリニッジのランドマーク的存在。ドーム屋根が印象的なここは、もともとはヘンリー8世やエリザベス1世が誕生したプラセンティア宮殿がありましたが、1696年にクリストファー・レンの手により海軍兵の病院として生まれ変わり、その後1869年以降は王立海軍大学に、そして現在はグリニッジ大学とトリニティ音楽院として使われています。
旧王立海軍大学を手掛けたクリストファー・レンは、セント・ポール大聖堂を筆頭にセント・ジェームス教会、ロンドン大火塔、グリニッジ天文台などロンドン復興に力を注いだ天才建築家。クイーンズ・パレスを真ん中にバロック式の4つの建物が左右対称に並んだ姿は目を見張るほどの美しさを誇っています。
『英国王のスピーチ』で、旧王立海軍大学が登場するのは物語のクライマックス。ドイツとの開戦宣言を控えたジョージ6世をサポートするためにバッキンガム宮殿へ向かったローグは、防空壕となった旧王立海軍大学へと急ぐ市民を目にします。第二次世界大戦の戦火を免れたこの建物は今もなおその堂々たる佇まいを披露しています。
『英国史上、もっとも内気な王。』
■Introduction
子供の頃から吃音に悩む英国王ジョージ6世が自らを克服し、国民に愛される本当の王になるまでを描いた感動の実話。ジョージ6世を演じるのは、『シングルマン』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートしたコリン・ファース。セラピストのライオネルには『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』のオスカー俳優ジェフリー・ラッシュ、妻のエリザベスには『アリス・イン・ワンダーランド』のへレナ・ボナム=カーターと、演技派の名俳優たちが顔を揃えた。
■Story
ジョージ6世(コリン・ファース)は兄が王座を捨てたことから予期せず王位に就くことになる。しかし、子供の頃から吃音に悩む彼は、スピーチが必須である公務に苦痛を感じていた。王を心配した妻のエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家・ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)を訪ねる。彼はユニークな治療法で王の心を解きほぐしていく。折りしも第二次世界大戦が始まり、国民は王の言葉を待ち望んでいた。友情と愛情に支えられ王は渾身のスピーチに挑むが…。

昔ながらの家で暮らす兄弟の生き方
両親の離婚により離れ離れになった兄弟。兄の航一は母と鹿児島に、そして弟の龍之介は父と福岡で暮らしていますが、しっかり者の母と自由人の父、その2人の生き方を反映するかのような兄弟の暮らしぶりがユニークです。
桜島の降り積もる灰に「意味わからん」といいながら丁寧に掃除する航一の家は、祖父母が暮らす家。かつて和菓子屋を営んでいたこの家は店舗部分の広いスペースとは逆に住居部分はとてもコンパクトで、2階の整然とした航一の部屋に比べ、居間は台所とダイニングテーブルと食器棚でもうギュウギュウ。フラダンスが趣味のおばあちゃんが飾り付けたちょっぴりハワイアンな雰囲気の中、みんなで食卓を囲む場面は私たちの子供時代にも共通する懐かしさに満ちています。
一方、福岡でミュージシャンの父と暮らす龍之介の家は、古びた長屋。玄関のガラス戸は割れ部屋はものが散らかるなど、好きなものであふれたこの空間はまるで気楽な学生の一人暮らしのようですが、そんな雑多な環境の中で買ってきたたこやきを一人でほおばり庭で野菜を育てる龍之介はなぜだかとても楽しそうです。親や兄弟と離れて寂しいはずなのに2人の心が荒んでいないのは、きっとおじいちゃんやおばあちゃん、友達など人の温もりがきちんとあるから。
おじいちゃんが和菓子をつくる真剣な姿、友達を招いて庭の花火大会、スイミングスクール、学校…。そんな日常の何気ない光景がたまらなく愛おしく思える一瞬があります。「九州新幹線の一番列車がすれ違うときに奇跡が起きる」という噂を信じ、再び家族4人で暮らそうと願った2人。ひと夏の冒険を終えたあとの表情は私たちに忘れがたい印象を残します。
『あなたもきっと、誰かの奇跡。』
■Introduction
『誰も知らない』の是枝裕和監督の最新作。両親の離婚で離れ離れになった兄弟が、家族の絆を取り戻したいと願い、友達や両親、周りの大人たちを巻き込んだ壮大で無謀な計画を立てる。主人公の兄弟を演じるのは小学生漫才コンビ“まえだまえだ”として活躍している前田航基と前田旺志郎の2人。その母親に『アマルフィ 女神の報酬』の大塚寧々、父親に『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』のオダギリジョーなど豪華キャストが揃った。
■Story
九州新幹線が全線開業する朝、上下線の一番列車がすれ違う瞬間に奇跡が起きて願い事が叶う―そんな噂を耳にした小学生の航一(前田航基)は、両親の離婚で離れて暮らす弟の龍之介(前田旺志郎)と共に家族の絆を取り戻したいと願う。航一は母(大塚寧々)と鹿児島で、龍之介は父(オダギリジョー)と福岡で暮らしていた。兄弟は友達や両親、周りの大人たちを巻き込んで、壮大で無謀な計画を立て始める。そしてその計画は、人々に思いもよらない奇跡を起こしていくのだった。
