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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船
  • 三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船
  • 『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:ギャガ
  • ■販売元:アミューズソフト
  • ■価格:¥2,980(税込)
  • 監督:ポール・W・S・アンダーソン
  • 出演:ローガン・ラーマン オーランド・ブルーム ミラ・ジョヴォヴィッチ クリストフ・ヴァルツ マッツ・ミケルセン 他
 

(C)vom - Fotolia.com

 

(C)2011 Constantin Film Produktion GmbH, NEF Productions, S.A.S., and New Legacy Film Ltd. All rights reserved by Constantin Film Verleih GmbH.A German-French-UK Co-Production

ヴュルツブルクのレジデンツ<ドイツ〜ヴュルツブルク>

若き才能が花開いたドイツ随一の宮殿


ヴュルツブルクのレジデンツ(ドイツ〜ヴュルツブルク)

アレクサンドル・デュマの冒険活劇『三銃士』をアクション満載で描いた『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』。本作でルイ13世の宮殿となったのが世界遺産に登録されているヴュルツブルクのレジデンツです。この場所が映画のロケ地として使われたのは映画史上初。かつてナポレオンが「ヨーロッパで最も美しい居城」と讃えたバロック建築に隠し階段が登場したり、飛行船が現れたりとワクワクする仕掛けがちりばめられています。

神聖ローマ帝国時代の1719年にこの地の領主司教になったヨハン・フィリップ・フランツが、権力の象徴として建てたレジデンツ。天才バロック建築家バルタザール・ノイマンが設計したこの建物は、世界で一番大きいフレスコ画を天井に配した「階段の間」や、繊細なスタッコ(漆喰)の装飾を施した「白の間」のように、340あまりの部屋はいずれも贅を極めた装飾が施されています。

ドイツの旧50マルク紙幣に自身の肖像画が印刷されるなど、まさにドイツを代表する建築家ノイマン。しかし、このレジデンツを手掛けた当時はまだ駆け出しでした。巨大な吹き抜けながら柱を使わず鉄で強度を高めた「階段の間」は、その頃の建築常識にはない構造で、「設計ミス」と批判される中、「大砲を打っても崩れない」というノイマンの主張はその後、第二次世界大戦でこの天井だけが無事だったことが証明しています。

新人ながらもイタリアを代表する画家ティエポロやアントニオ・ボッシなど名だたる芸術家を集め、独創的な空間を生み出したノイマン。レジデンツはのちに天才と呼ばれる男の才能が集約された建物なのです。

『伝説よりも、ハデにいこうぜ。』 ■Introduction

アレクサンドル・デュマの名作「三銃士」を、『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督が壮大なVFXを駆使して描いた冒険アドベンチャー!主人公である青年ダルタニアンを若々しく演じたのは、『パーシー・ジャクソンとオリンパスの神々』のローガン・ラーマン。その他、正体不明の魔性の美女ミレディに『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチ、狡猾な英国バッキンガム公爵に、本作で初の悪役に挑戦した『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのオーランド・ブルームなど。

■Story

17世紀のフランス。野心家のリシュリュー枢機卿(クリストフ・ヴァルツ)は実権を掌握しようと暗躍していた。そんな中、パリを訪れた青年ダルタニアン(ローガン・ラーマン)は、成り行きから憧れの三銃士の仲間となる。その頃、正体不明の美女ミレディ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は敵国のバッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)と王妃が通じていると見せかけるべく、王妃の首飾りを盗み出す。王妃の侍女コンスタンス(ガブリエラ・ワイルド)からそのことを聞かされたダルタニアンと三銃士は、首飾りを奪還すべくイギリスへと旅立つ。

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キッズ・オールライト
  • エンディングノート
  • 『エンディングノート』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:バンダイビジュアル
  • ■価格:¥3,990(税込)
  • 監督:砂田麻美
  • 出演:砂田知昭 
 

(C)2011「エンディングノート」製作委員会

人生の旅立ちを見守る家族と家

映画『エンディングノート』は、ガンの宣告を受けた砂田知昭さん(享年69歳)の日常を実の娘が記録したドキュメンタリーです。しかしながら壮絶なガンの闘病記といった悲壮感はほとんどなく、そこに映し出されるのは死期が迫ってもなお、人生を前向きに生きる砂田さんの姿と、彼を見守る家族の絆でした。

大企業の営業マンとして高度成長期を担い、第二の人生を歩み始めた矢先のガン宣告。病状が深刻であれば病院の病室で過ごさざるをえない人が多い中、砂田さんはギリギリまで自宅のマンションで過ごし、人生最期の“仕事”に取り組みます。それは残された家族が困らないよう、現役時代と同様に“段取り”を組むこと。

長年住み慣れた自分の家で最後の時間を過ごしたいという気持ちは、誰もが抱くもの。病に侵されながらも医者が驚くほど元気な砂田さんは、幸運にも自宅で人生最期のプロジェクトを実行に移していきます。式場選び、孫たちと全力で遊ぶ、家族旅行をする、息子へ引き継ぎ……。

小さいころから家族のカメラ係だったという監督である次女の麻美さんだからこそ撮れた砂田さんのリラックスした表情と、時折挟み込まれる砂田家の昔の写真や映像が親近感を抱かせ、私たちも砂田家の一員になったかのような気分にさせてくれます。

結婚、子育て、子供たちの独立、孫の誕生など、円熟した人生に終わりが見えたとき、その人は、家族はどう過ごすのか。決して明るさを失わなかった砂田さんと彼の一大プロジェクトを見守る“身近な家族”である砂田家の人々の行動は私たちにひとつの見本を示してくれています。

『わたくし、終活に大忙し。』 ■Introduction

人間味あふれる“父”とその姿を見守る家族を“娘”が描いた、感動のエンターテメント・ドキュメンタリー。メガホンをとるのは、大学在学中よりドキュメンタリーを学び、卒業後はフリーの監督助手として是枝裕和らの映画制作に従事し、本作が初監督作品となる砂田麻美。「家族と生と死」というテーマのもと、病と向き合い、最後の日まで前向きに生きようとする父親と、父親の死の段取りを見守り続ける家族の絆をユーモアと哀愁を交えながら描きだす。

■Story

熱血営業マンとして高度経済成長期に会社を支え駆け抜けたサラリーマン・砂田知昭。67歳で40年以上勤めた会社を退職し、第二の人生を歩み始めた矢先、健康診断で胃ガンが発見される。しかし、その時にはすでに手術が不可能な状態だった。残される家族のため、そして人生の総括のために、彼が最後のプロジェクトとして課したのは、「自らの死の段取り」と、“エンディングノート”の作成だった。果たして彼は人生最後のプロジェクトを成し遂げることができたのか?そして残された家族は…。

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