コロッセオ<イタリア〜ローマ>
ローマ帝国の象徴である円形闘技場
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「コロッセオが倒れるとき、ローマも滅びる。ローマが滅びるとき、世界が滅びる」
かつて世界人口の4分の1を支配下においた偉大なるローマ帝国。その象徴といえる円形闘技場コロッセオは、映画『グラディエーター』で描かれたように剣闘士たちが命がけの戦いをし、数多の屍が観衆を熱狂させたという血塗られた歴史を持っています。
このコロッセオが完成したのは西暦80年、ティトゥス皇帝の時代のこと。周囲527メートル、高さ48.5メートル、5万人を収容することができる巨大な闘技場の外観は、下からドーリス式、イオニア式、コリント式の柱が連なり、内部の観客席は身分や性別により厳しく分けられていました。また、地下には剣闘士たちが行き来する地下道や猛獣の檻、そしてアリーナへとつながる人力エレベーターが備えられるなど、インフラ技術で名を馳せた帝国の高い建築・土木技術を見ることができます。
コロッセオ落成時には100日間にわたる闘技会が開催。皇帝がこの残酷なショーを開催した理由は、市民に娯楽を与えることで政治や社会問題から目をそらさせるためだったと言われていますが、その目的のために犠牲になった剣闘士2000人と猛獣5000頭の命はあまりに大きな代償といえるでしょう。
建造から約2000年を経た今もその威容を誇るコロッセオ。剣闘士たちの苦しみ、市民の熱狂、皇帝の思惑、様々な思いが交錯するここは世界の覇者の輝きと人間の業の深さを物語っています。
第73回アカデミー賞作品賞、第58回ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞した歴史スペクタクル・ムービー。監督を務めるのは『ブレードランナー』『プロメテウス』のリドリー・スコット。古代ローマ帝国を舞台に、陰謀に陥れられたローマ軍の将軍が、剣闘士(グラディエーター)として名を上げていく姿をダイナミックに描いた。主人公である剣闘士・マキシマスを『レ・ミゼラブル』のラッセル・クロウが、マキシマスを陥れるコモドゥスを『容疑者、ホアキン・フェニックス』のホアキン・フェニックスが演じた。
■Story西暦180年。ローマ帝国の将軍として名を馳せるマキシマス(ラッセル・クロウ)は、時の皇帝より皇位を託したいと要請を受ける。だが、それを知った皇太子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)が父である皇帝を殺害し、自ら後継者を宣言する。マキシマスは処刑を命じられるが、その手を逃れて故郷へと向かう。しかし、故郷の妻と息子は既に殺されており、絶望と疲労の末に倒れたマキシマスは奴隷として捕らわれ、売られてしまう。そんな彼を買ったのは、剣闘士を育成する奴隷商人のプロキシモ(オリヴァー・リード)。プロキシモの元で剣闘士として頭角を現したマキシマスは、図らずもローマへ帰還するのだった。





