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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

グラディエーター (AR Oリング仕様)
  • グラディエーター (AR Oリング仕様)
  • 『グラディエーター (AR Oリング仕様)』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:¥1,500(税込)
  • 監督:リドリー・スコット
  • 出演:ラッセル・クロウ ホアキン・フェニックス コニー・ニールセン 他
 
 

(C)2000 DreamWorks LLC and Universal Studios. All Rights Reserved.

コロッセオ<イタリア〜ローマ>

ローマ帝国の象徴である円形闘技場


コロッセオ(イタリア〜ローマ)

(C) fabiomax - Fotolia.com

「コロッセオが倒れるとき、ローマも滅びる。ローマが滅びるとき、世界が滅びる」

かつて世界人口の4分の1を支配下においた偉大なるローマ帝国。その象徴といえる円形闘技場コロッセオは、映画『グラディエーター』で描かれたように剣闘士たちが命がけの戦いをし、数多の屍が観衆を熱狂させたという血塗られた歴史を持っています。

このコロッセオが完成したのは西暦80年、ティトゥス皇帝の時代のこと。周囲527メートル、高さ48.5メートル、5万人を収容することができる巨大な闘技場の外観は、下からドーリス式、イオニア式、コリント式の柱が連なり、内部の観客席は身分や性別により厳しく分けられていました。また、地下には剣闘士たちが行き来する地下道や猛獣の檻、そしてアリーナへとつながる人力エレベーターが備えられるなど、インフラ技術で名を馳せた帝国の高い建築・土木技術を見ることができます。

コロッセオ落成時には100日間にわたる闘技会が開催。皇帝がこの残酷なショーを開催した理由は、市民に娯楽を与えることで政治や社会問題から目をそらさせるためだったと言われていますが、その目的のために犠牲になった剣闘士2000人と猛獣5000頭の命はあまりに大きな代償といえるでしょう。

建造から約2000年を経た今もその威容を誇るコロッセオ。剣闘士たちの苦しみ、市民の熱狂、皇帝の思惑、様々な思いが交錯するここは世界の覇者の輝きと人間の業の深さを物語っています。

『いま、ヒーローは立ち上がる。』 ■Introduction

第73回アカデミー賞作品賞、第58回ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞した歴史スペクタクル・ムービー。監督を務めるのは『ブレードランナー』『プロメテウス』のリドリー・スコット。古代ローマ帝国を舞台に、陰謀に陥れられたローマ軍の将軍が、剣闘士(グラディエーター)として名を上げていく姿をダイナミックに描いた。主人公である剣闘士・マキシマスを『レ・ミゼラブル』のラッセル・クロウが、マキシマスを陥れるコモドゥスを『容疑者、ホアキン・フェニックス』のホアキン・フェニックスが演じた。

■Story

西暦180年。ローマ帝国の将軍として名を馳せるマキシマス(ラッセル・クロウ)は、時の皇帝より皇位を託したいと要請を受ける。だが、それを知った皇太子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)が父である皇帝を殺害し、自ら後継者を宣言する。マキシマスは処刑を命じられるが、その手を逃れて故郷へと向かう。しかし、故郷の妻と息子は既に殺されており、絶望と疲労の末に倒れたマキシマスは奴隷として捕らわれ、売られてしまう。そんな彼を買ったのは、剣闘士を育成する奴隷商人のプロキシモ(オリヴァー・リード)。プロキシモの元で剣闘士として頭角を現したマキシマスは、図らずもローマへ帰還するのだった。

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家族の庭
  • 家族の庭
  • 『家族の庭』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売:ツイン
  • ■販売元:パラマウント ジャパン
  • ■価格:¥4,179(税込)
  • 監督:マイク・リー
  • 出演:ジム・ブロードベント レスリー・マンヴィル ルース・シーン ピーター・ワイト 他
 

(C) 2010 UNTITLED 09 LIMITED, UK FILM COUNCIL AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

英国流、正しい庭での過ごし方

イギリスは「庭師の国民」と呼ばれるほど、ガーデニングが盛んな国。街には丹精こめてつくられた庭園や公園、フットパスなど緑が随所にあり、また一般家庭でも男女問わずガーデニングを楽しむ光景が見られます。

この映画の主人公であるトムとジェリーという初老の夫婦も暇を見つけては市民菜園に行き収穫や世話に勤しむ2人。お互いにやりがいのある仕事を持ち、一人息子との関係も良好、いつまでも仲睦まじい彼らの姿はまさに理想の生き方といえるでしょう。

そんな彼らが友人たちをもてなすのは、リビングではなく広くて明るいキッチンと自慢の庭。彼らが暮らす一般的なセミ・デタッチド・ハウス(2戸連続住宅)では道路に面したフロント・ガーデンのほかに、バックガーデンを持っています。イギリスではこのバックガーデンは、「第二のリビング」とも言われ、生活と憩いの場として欠かせない場所。夫婦の手作り料理とワインをお供に、話に花を咲かせるのは何にも代えがたい時間ですが、監督のマイク・リーはそんな幸せな一家と対照的な独身の友人・メアリーやケンを登場させることで、彼らの深い孤独をより際立たせています。

映画の原題は“ANOTHER YEAR”。春・夏・秋・冬のパートともに、喜びや哀しみなど人生の四季も重ねて活写。特にドラマティックな出来事がなくとも、何気ない会話だけで人間の多面的な感情を浮かびあがらせるのは、俳優たちと即興を積み重ねながら物語をつくるリー監督だから出せる世界でしょう。とりわけラストシーンのメアリーの表情は忘れがたい印象を残します。

『ここに集まると、喜びは倍に悲しみは半分になる』 ■Introduction

映画『秘密と嘘』でカンヌ国際映画祭パルムドール、映画『ヴェラ・ドレイク』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したマイク・リー監督が贈るヒューマンドラマ。監督の長編映画第11作目となる本作は、俳優たちと即興を積み重ねてキャラクターとストーリーを作り上げていくスタイルはそのままに、一つの幸福な家庭とそこに集う人々との明暗を、時にユーモラスに時にシニカルに描き出した。出演は、本作でロンドン映画批評家協会賞をはじめ、数々の映画賞の女優賞を獲得したレスリー・マンヴィル。

■Story

地質学者のトム(ジム・ブロードベント)と、医学カウンセラーのジェリー(ルース・シーン)は誰もがうらやむおしどり夫婦。それぞれ現役で働きながら、休日は市民菜園での畑仕事に精を出す、そんな穏やかな生活を送っている。唯一気がかりと言えば、30歳になる息子のジョー(オリヴァー・モルトマン)が未だ結婚できずにいること。ある晩、ジェリーは同僚メアリー(レスリー・マンヴィル)を夕食に招待する。男運のなさを嘆いてばかりの彼女は、大酒飲みでちょっとしたトラブルメーカーだった。そんな彼女はどうやらジョーのことが気になっているらしい。ところが、ジョーには恋人がいて…。

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