シドニー・オペラ・ハウス<シドニー〜オーストラリア>
苦難の末に生み出された20世紀を代表する近代建築
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凄腕エージェントに扮したトム・クルーズが殺人ウイルス“キメラ”と、その解毒剤“ベレロフォン”を奪還するため、テロリストに挑む『M:I-2』。シドニーの美しい景色をバックに、いかにもジョン・ウーらしい手に汗握るド派手なアクションが繰り広げられますが、本作の冒頭に映し出されるのがオーストラリアのランドマーク、シドニー・オペラ・ハウスです。貝殻やヨットの帆が幾層にも重なったように見える独創的なデザインと構造は、まだ歴史が浅いながらも20世紀を代表する近代建築として2007年に世界遺産に登録されました。
1956年、シドニー・オペラ・ハウスのデザインを決める国際コンペで32カ国233件の応募の中から選ばれたのは、当時無名に近かったデンマークの若手建築家ヨーン・ウツソンの設計案。曲面を駆使した有機的なデザインは美しく革新的でしたが、大屋根の重量や海風への耐性に問題があり、当初の放物線状からシェル状へと変更、大幅な予算超過、工期の遅れ、さらにはウツソンの解任などを経て、竣工から実に14年もの歳月を費やして完成に至ったのです。
そんな苦闘の末に生み出されたシドニー・オペラ・ハウスは、オペラや演劇など、年間約3000ものイベントが行われる芸術の中心地となっています。世界最大規模のパイプオルガンがあるコンサートホールをはじめ、4つの劇場、ギャラリーなどで一流の芸術に親しむもよし、外へ出て美しいシドニー湾とのコントラストを楽しむもよし、建築そのものをじっくり眺めるもよし、シドニーを代表するランドマークを、あなたなりに楽しんでみてはいかがでしょうか。
『不可能を可能にする』
■Introduction
『レッドクリフ』シリーズをはじめ、アクション大作を次々と世に送り出してきたジョン・ウーが監督を務めた、大人気『ミッション:インポッシブル』シリーズの第2弾。前作より引き続き、主人公イーサン・ハントを演じるのは、『アウトロー』『オブリビオン』など数々の大作で主演を務めるトム・クルーズ。その他、元IMFメンバーでテロリストのショーン・アンブローズを『マリリン 7日間の恋』のダグレイ・スコットが、今回のミッションの鍵を握る女泥棒ナイアを『幸せのちから』のタンディ・ニュートンが演じた。
■Story
休暇中のイーサン・ハント(トム・クルーズ)の元に、突如、IMFの司令官から緊急指令が入った。それは、30時間で人間を殺してしまう驚異の殺人ウィルス“キメラ”と、その解毒剤“ベレロフォン”を元IMFメンバーのテロリスト、ショーン・アンブローズ(ダグレイ・スコット)から奪還すること。そのためにまずは女泥棒ナイア(タンディ・ニュートン)をメンバーに引き入れよという命令を受けて、スペインへと飛んだイーサンは彼女と接触する。そこで、ナイアがアンブローズの元恋人であり、再び彼に接近してその計画を調べ出す使命を帯びている事を知るのだった。

クローゼットの中の人生模様
美しい容姿を持っているけれど、資格も学歴も職もない妹と、仕事は充実しているものの、女としての自信がない姉。そんな正反対の姉妹の心の葛藤を描いた『イン・ハー・シューズ』。タイトルは“彼女の立場に立って”という意味ですが、劇中ではシューズ(靴)そのものも、彼女たちのメタファーとして効果的に用いられています。
残業続きでロマンス小説に愛を求める地味な姉・ローズの家は、夜景が一望できる広めの1LDK。グレーの壁紙を基調とした、とても落ち着いた空間ですが、ひときわ異彩を放っているのが洋服や靴を収納しているウォークインクローゼットです。天井まで作り付けの三面の棚には、きちんと揃えられた黒、ピンク、水色、赤などの靴、靴、靴…。ジミー・チュウをはじめ高級なピンヒールやサンダル、ブーツがズラリと並ぶ華やかさには、女性なら誰もが胸をときめかせてしまうはず。「履きもしない靴を持っていたってしょうがない」とマギーに言われても、ローズにとってたくさんの靴は落ち込んだ時に自分を慰めてくれる癒しのアイテムなのです。
家の中でも靴を履く欧米では、靴の収納場所はクローゼットが基本。マスターベッドルームから直接行ける収納部屋は、何かとたまる洋服や靴をすっきりと収納でき、部屋を出ることなく身支度ができる効率の良さも魅力です。日本でも最近の建売住宅はウォークインクローゼットがついた部屋が一般的となりましたが、2畳ほどのスペースが一般的な日本と比べ、欧米のものは広さも内装もいろいろ。プライベート空間ゆえ実際に目にすることはなかなかないですが、いろいろなスペースをじっくりと眺めることができるのも映画の楽しみのひとつといえるでしょう。
『私たちは何度もすりむいて、自分だけの“靴”をみつける。』
■Introduction
全米でベストセラーとなったジェニファー・ウェイナーの同名小説を『L.A.コンフィデンシャル』や『8Mile』などの監督を務めたカーティス・ハンソンが映画化。『モネ・ゲーム』『ナイト&デイ』のキャメロン・ディアスと、『リトル・ミス・サンシャイン』『ヒッチコック』のトニ・コレットが、対照的な二人の姉妹を演じ、それぞれが抱えている葛藤を乗り越えて本当の自分を見つけ出す姿を描いたハートフル・ヒューマン・ストーリー。共演は『奥さまは魔女』などに出演のオスカー女優、シャーリー・マクレーン。
■Story
美しい容姿を持っているけれど、30歳を目前にして資格も学歴も職もない妹のマギー(キャメロン・ディアス)は、優秀な弁護士として働いて仕事は充実しているものの、外見にコンプレックスを抱えていて女としての自信がない姉、ローズ(トニ・コレット)のアパートへと転がり込む。ところが、姉の恋人にちょっかいを出してしまったマギーは、ローズと大喧嘩の末にアパートを追い出されてしまう。行くあてのないマギーは、仕方なく母方の祖母エラ(シャーリー・マクレーン)が住むフロリダへと向かう。そこで、エラが生活する施設で働かせてもらうことになるのだが…。
