サン・フランシスコ教会<キト〜エクアドル>
スペイン統治時代の面影を残す南米最古の宗教施設
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夫をテロリストに誘拐された妻アリスと人質救出の交渉人テリーの緊迫した救出劇と秘めたる恋を描いた『プルーフ・オブ・ライフ』。映画では南米にある架空の国テカラが舞台となっていますが、撮影の多くは世界遺産第1号の街・エクアドルの首都キトで行われました。
赤道直下、標高2,850メートルに位置し、コロニアル風の建物がスペイン統治時代の面影を残すキトは、かつてクスコに次ぐインカ帝国第二の都市として栄えた街。しかし16世紀半ばにスペインに征服され、宗教都市として新たに生まれ変わります。劇中でテリーとアリスが犯人側との接触をはかったサン・フランシスコ教会は、数ある教会や修道院の中でも南米最古の宗教建造物であり、同大陸ではもっとも威厳のある教会建築といわれる場所。約9,000坪の広大な敷地には教会、修道院、博物館が入っています。
1535年から70年の歳月をかけて建てられたサン・フランシスコ教会はもともとマニエリスム建築様式が基となっていたものの、度重なる地震による修復の結果ビサンチン様式やムデハル様式、バロック様式、蒙古様式などさまざまなスタイルが融合し、独特の宗教芸術を生み出しました。目の前の広場に臨む特徴的な湾曲した階段から一歩中へ足を踏み入れれば、そこは金の祭壇や装飾など黄金色の世界。当時の世界の覇者・スペインの力を感じるとともに歴史を刻んだ重厚な雰囲気にしばし時を忘れます。
このほかにも、壮麗な装飾が目を引くバシリカ教会や、7トンもの黄金を使ったといわれる絢爛豪華なラ・コンパニーア教会などキトの旧市街の至る所に16世紀の名残を見ることができます。ヨーロッパの様式と先住民の伝統が今も鮮やかに息づく世界遺産第1号の街・キト旧市街は、私たちを16世紀の時代へと誘ってくれます。
『男の使命、それは命をかけて守ること。ただし、決して恋に落ちないこと。』
■Introduction
『ニューヨークの恋人』、『ユー・ガット・メール』などに出演し、ロマンティックコメディの女王と呼ばれたメグ・ライアンと、『グラディエーター』でアカデミー賞主演男優賞を受賞後、『レ・ミゼラブル』や『マン・オブ・スティール』などの話題作に続々と出演しているラッセル・クロウが共演したアクション・サスペンス。『Ray レイ』のテイラー・ハックフォード監督が、南米を舞台に夫をテロリストに誘拐された妻と人質救出の交渉人の、緊迫した救出劇と秘めたる恋を描いた。
■Story
アメリカ人のダム建設技師・ピーター(デイヴィッド・モース)が南米の国テカラでテロリストに誘拐されてしまう。彼を救うため、ロンドンの誘拐身代金保険企業に籍を置いている人質事件専門のプロ交渉人テリー・ソーン(ラッセル・クロウ)が早速テカラへと向かった。しかし、身代金の交渉を進める前に、経営危機に陥ったピーターの会社が保険をキャンセルしていたことが発覚してしまう。テリーはいったんテカラを離れることになるが、ピーターの妻アリス(メグ・ライアン)の哀願に心を動かされて、交渉人仲間とともにピーターを救い出すと約束してしまうのだった。

ロック愛に溢れた部屋で暮らすロックな親子の生き方
メジャーからアンダーグラウンド、新しいものから古いものまで何でも揃う名古屋の下町・大須のほど近くにある2LDKの古びたアパートがこの映画の舞台です。
部屋を見ればその住人の趣味や生活ぶりがある程度わかるものですが、リビング、居室、台所など至る所にU.K.サブスやドクター・フィールグッドなどパンクバンドのポスターやフライヤー、感性の思うままペイントされた絵などが飾られたこの部屋からは、住人のロックへの溢れんばかりの愛がビシビシと伝わってくることでしょう。
この部屋の主は17歳で出産したシングルマザーのアキとしっかり者の中学生の娘ハツキ。元パンクバンドのギタリストだった母は、音楽同様、物事の基準も“ロックか否か”で考える、良くも悪くも真っ直ぐな人で、真面目な娘に「スカートをもっと短くしたほうがいいよ」なんて的外れなアドバイスも。そんな母だけでも困るのに、アキの恋人のヤグが現れたことで、ハツキの思いに反してこの家の自由度はさらに加速していくのです。
ヤグはハツキにとって生まれたときから一緒にいる、家族じゃないけど家族の人。そしてアキと自分をめちゃくちゃ愛している人。けれども、思春期真っただ中のハツキにとって30過ぎなのに定職にもつかず夢を追うヤグと彼を受け入れるアキへのいらだちは募る一方。そんなある日、ついにハツキは爆発してしまうのですが…。
「変わり続けるからこそ、変わらずに生きてきた」とは、ロック界の生きる伝説ニール・ヤングの言葉。将来を模索するハツキと、将来ではなく“今”を享受するアキとヤグ。世間の目を気にせず、自分の好きな人やモノにとことんこだわれる“ロック”な大人の姿からハツキははたして何を感じ、何を学んでいくのか。3人の血の繋がりを越えた絆がじんわりと温かい作品です。
『ROCKじゃなきゃ、家族じゃない!?』
■Introduction
吉川トリコの人気同名小説を『キズモモ』の山本透監督が映画化。元パンクロッカーの母と中学生の娘、超・自由人の3人が織り成す、少し変わっているけど実は人一倍お互いを思いあった家族の姿が描かれている。『ロック〜わんこの島〜』や『モテキ』など幅広い役柄を演じ続ける麻生久美子と、『探偵はBARにいる』『しあわせのパン』の北海道出身のエンターテイナー大泉洋の、人気と実力を兼ね備えた2人が初共演&W主演を果たした。また、中学生の娘・ハツキ役を『女の子ものがたり』『告白』の三吉彩花が演じる。
■Story
母親のアキ(麻生久美子)と娘のハツキ(三吉彩花)は2人暮らし。若い頃はパンクバンドのギタリストだったアキと、しっかり者の娘・ハツキは対照的だが、親友のように仲がいい。そんな2人のもとに、海外を放浪していた自由人・ヤグ(大泉洋)が帰ってくる。アキのバンド仲間だったヤグはアキのことが大好きで、自分の娘ではないハツキが産まれる前から彼女と一緒に暮らしていた。久しぶりの3人暮らしに思春期のハツキはなぜか苛立ってしまう。そんななか、ハツキは親友のトモちゃん(能年玲奈)とケンカ別れをしてしまう。それをきっかけに、ハツキはアキの本当の気持ちや、ヤグの過去を知ることになり…。
