クラブ・エス ウェブマガジン

アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ペントハウス
  • ペントハウス
  • 『ペントハウス』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:¥1,429(税抜)+税
  • 監督:ブレット・ラトナー
  • 出演:ベン・スティラー エディ・マーフィ ケイシー・アフレック アラン・アルダ 他
 
 

(C) 2012 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー
<ニューヨーク〜アメリカ>

アメリカの名建築家と不動産王が手掛けたNY屈指のホテル


トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー(ニューヨーク〜アメリカ)

(C) images4 - Fotolia.com

NY・マンハッタンの、高級住宅地アッパー・ウェスト・サイドに建つ北米で最も高価なマンション「ザ・タワー」。ベン・スティラーとエディ・マーフィが初タッグを組んだ『ペントハウス』は、マンハッタンの超高級マンションを舞台に、最上階に住む大富豪に自分たちの年金をだまし取られたスタッフたちが奪還作戦を決行する模様を描いたもの。この映画のロケ地となったのが、同じくアッパー・ウェスト・サイドにある「トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー」です。

エントランス前にある地球のモニュメントが目印の「トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー」は、マンハッタンの中心地、セントラルパーク西とブロードウェイが交差したところにあるホテルと居住用コンドミニアムが入った52階建ての建物。床から天井までガラス張りの窓からは高層ビルとセントラルパークの眺めが楽しめるほか、ミシュラン3つ星のジャン・ジョルジュ・レストランなど、5つ星ホテルならではのゴージャスな雰囲気が楽しめます。

このホテルを設計したのは、「グラスハウス」や「AT&Tビル(現ソニービル)」「ロスコ・チャペル」など数多くの傑作で知られる建築家フィリップ・ジョンソン。もともとは1970年にジョンソンが手掛けたGulf & Westernビルを、1995年にアメリカの不動産王ドナルド・トランプが購入。ジョンソンはオフィス用のフロアを住宅用に変更し46階建てから52階建てに、また外観も骨組みを残してブロンズ色のガラスとスチールのフレームというモダンなビルに生まれ変わらせました。

アメリカのモダニズムを代表する建築家が手掛けた建物と不動産王の美学が貫かれたゴージャスな館内、そして『ペントハウス』同様一流のサービスで迎えてくれるホテルは、NY滞在をとびきりエキサイティングなものにしてくれるでしょう。

『全財産は、最上階(ペントハウス)。』 ■Introduction

アメリカの人気コメディ俳優、『ナイト ミュージアム』シリーズのベン・スティラーと『ドリームガールズ』や『シュレック』シリーズでは声優も務めるエディ・マーフィが初共演。大富豪にすべてを奪われたビルの使用人たちが徒党を組んで復讐する姿を描いたアクションコメディ。監督は、『ラッシュアワー』シリーズでも監督を務めたブレット・ラトナー。共演は『オーシャンズ』シリーズのケイシー・アフレック、『アビエイター』のアラン・アルダ、『プロデューサーズ』のマシュー・ブロデリックなど。

■Story

ニューヨーク、マンハッタンの一等地にそびえる超高級マンション「ザ・タワー」。そこで働くジョシュ(ベン・スティラー)は、ザ・タワーのサービスを取り仕切っている管理マネージャーだ。ある日、最上階に住む大富豪アーサー・ショウ(アラン・アルダ)が2000万ドルの詐欺容疑で逮捕され、しかも使用人たちの財産をだまし取っていたことが発覚する。ショウが隠しているという逃亡資金が、壁に埋め込まれた金庫の中にあるとにらんだジョシュは、幼なじみのスライド(エディ・マーフィ)やほかの使用人たちとチームを組み、ショウの財産を強奪する計画を立てる。

ページトップ

幸福な食卓 プレミアム・エディション
  • 幸福な食卓 プレミアム・エディション
  • 『幸福な食卓 プレミアム・エディション』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:¥4,700(税抜)+税
  • 監督:小松隆志
  • 出演:北乃きい/勝地涼/平岡祐太/さくら/羽場裕一/石田ゆり子 他
 

(C) 「幸福な食卓」ASSOCIATES

食卓が象徴する家族の距離感

「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」という衝撃的なひと言で幕を開けるこの物語の家族は、どこか不思議。父さんを辞める宣言をした父は3年前に自殺を図り、母はそのときのショックから家を出て一人で暮らし、天才といわれた兄は大学を中退し農業を始めました。はたから見ればこの家族・中原家はとっくに崩壊しているのに、なぜだかとても緊密にも見える瞬間もあり…。そんな不思議な空気をまとった家族の姿が、中学生の娘・佐和子の目を通して描かれます。

中原家にとって食卓は、家族の行く末が決まる場所。中原家には「毎朝、家族そろって朝食を食べる」という決まりがあり、母の家出も兄の中退も発表されたのは朝の食卓でした。中原家の食卓は家族の距離を遠ざける場所ですが、同時にそれぞれをゆるやかに繋いでいる場所でもあります。家族が別々の方向を向いていても完全にバラバラにならないのは、ルールを決めた母がいなくなっても毎朝食卓を囲む習慣が生きているからなのでしょう。

言いたいこと、聞きたいことはあるけれど、相手を気遣うあまり自分を押し殺してしまう佐和子や兄の直にとって、同級生で転校生の大浦君や恋人の小林ヨシコの存在はそんな日常をいい意味で壊してくれます。家族だけではときに息が詰まるときでも、他人がかかわることによって見え方もずいぶん変わってくるもの。

「大丈夫。気づかないうちに、守られてるから。」

大浦君が佐和子に向けた言葉通り、佐和子につらい出来事があったとき朝の食卓には、彼女を励ますように家族4人が集います。これまで言いたいことを我慢していた家族が、食卓を挟んで正面からぶつかったとき、中原家は新たな一歩を踏み出します。映画のラストで母が食卓に用意した4つの真っ白なお皿は、この家族の未来を象徴しているようです。

『大丈夫。気がつかないうちに、守られてるから。』 ■Introduction

瀬尾まいこのベストセラー小説を映画化。『奇談 キダン』の小松隆志監督が、とあるひとつの家族の崩壊と再生を描いた。主人公である少女・佐和子役には、『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』『コドモ警察』などに出演し、その透明な存在感が光る北乃きい。彼女の心の支えとなる転校生役を『シュアリー・サムデイ』『北のカナリアたち』の勝地涼、兄の直役を『キッズ・リターン 再会の時』『真夏のオリオン』の平岡祐太、家を出て行ってしまう母親役を『おとうと』『MW-ムウ-』の石田ゆり子が演じている。

■Story

佐和子(北乃きい)の中学生活最後の始業式の朝、食卓で突然父(羽場裕一)が“父親であることを辞める”と宣言した。3年前に父が自殺未遂を起こして以来、佐和子の家族は崩壊していた。優秀だった兄の直(平岡祐太)は大学を中退して農業を始め、母(石田ゆり子)は家を出てひとり暮らしをしている。それでも毎朝の食卓でなんとかつながっていた家族に新たな波紋を投げかける父の言葉。高校受験を前にした佐和子の心は揺れていた。そんな時、佐和子の前に転校生の大浦(勝地涼)が現れる。彼の存在は佐和子の中で次第に大きくなっていくが…。

ページトップ