ストックホルム市庁舎<ストックホルム〜スウェーデン>
世界の英知が集うストックホルムのシンボル
(C) alpegor - Fotolia.com
世界の学者や作家にとって最も栄誉あるノーベル賞。ノーベルの命日にあたる12月10日、選ばれた受賞者たちが授賞式後に豪華な晩餐会やパーティーを楽しむ場所がストックホルム市庁舎です。
スウェーデン人建築家ラグナル・エストベリの設計で1911年から1923年にかけて建てられたストックホルム市庁舎はナショナルロマン様式建築の傑作のひとつであり、堅牢な煉瓦づくりと北欧中世風のデザインはどこか宮殿を思わせます。ストックホルムの街を一望できる高さ106メートルの塔、ヴァイキングルネッサンス様式の見事な天井の市会議事堂など見所は多いですが、特に有名なのがノーベル賞と深いかかわりを持つ「青の間」と「黄金の間」です。
スウェーデン王室をはじめ約1,300人のゲストが集う晩餐会が開かれるのが大広間「青の間」。煉瓦でぐるりと囲まれた中世の広場のようなこの部屋は、一つ一つの煉瓦に手作業で細かい穴を穿(うが)ち、光と音を柔らかく反射。北ヨーロッパ一の大きさを誇るパイプオルガンの音色をやさしく響かせます。もともと煉瓦は青く塗装される予定だったものの、煉瓦の質感を気に入ったエストベリはこのまま残し「青の間」という名前だけが残りました。
晩餐会のあとはパーティーが開かれる「黄金の間」へ。ストックホルム市の市章となっているメーラレン湖の女王が正面に描かれるこの部屋は、1,800万枚の金箔モザイクで壁面が飾られた豪華絢爛なまばゆさ。劇中では、冒頭に「黄金の間」でのパーティーの模様が映し出されます。賑やかな音楽、きらびやかなドレスに身を包んだ淑女や紳士たちがダンスに興じるなど、なかなか見られない晩餐会後のパーティーの様子やノーベル賞選考の舞台裏がわかるのもこの映画の見どころのひとつです。
『ノーベル賞晩餐会に殺人が―。
新聞記者アニカが真実に迫る。
』
■Introduction
『ミレニアム』シリーズのスタッフが放つサスペンス・ミステリー映画。原作本は世界30カ国で翻訳され、累計900万部の大ベストセラーとなったクライムノベル「アニカ・ベングッソン」シリーズ。原作者であるリサ・マークルンドがプロデューサーとして参加している。本作はシリーズ8作品のうち、「ノーベルの遺志」を映画化。女性新聞記者のアニカが、ノーベル賞記念パーティーで発生した謎の暗殺事件の真相を追ううちに驚くべき事実へと辿りつく。
■Story
ストックホルム市庁舎で盛大に行われていたノーベル賞記念パーティーを取材していた女性新聞記者アニカ(マリン・クレピン)は、ノーベル医学賞を決定する委員会の代表であるキャロライン・ヴォン・ベリングが殺害されるところを目撃してしまう。事件調査のため、警察からは鉗口(かんこう)令を敷かれ、アニカは記事が書けない状況に。しかし、独自に調査を進めたアニカは、この事件が謎の女暗殺者によって起こされたものだと知る。この女暗殺者を陰で動かしているのは一体誰なのか? ノーベル委員会の関係者が次々に不審な死を遂げていくなか、アニカは次第に真実に近づいていき…。

家族という居場所を探す泣き虫な男の物語
父に捨てられ弟とも生き別れた主人公が辿る波乱万丈の人生を綴った本作は、『舞妓Haaaan!!!』の宮藤官九郎×阿部サダヲのコンビがハイテンションと予測不可能な展開で突っ走る一風変わった家族の物語です。
舞台となるのは多くの人で賑わい昭和の面影を残す善人商店街。この商店街一の名物店が本作の主人公・下井草裕太が暮らすハムカツ店の「山ちゃん」です。店舗兼住宅の3LDKの「山ちゃん」は、店のすぐ後ろにちゃぶ台が置かれた居間があり、その居間から庭越しに見える部屋には亡き夫のセーターをせっせと編む認知症の女将さんの姿が。そんなある日、初代「山ちゃん」の娘・徹子とその2人の子供が出戻り、なぜか裕太と結婚。裕太の生活はずいぶん賑やかになります。
幼少の頃、ろくでなしの父が盗みを働いた「山ちゃん」に置いてきぼりにされ、その店の夫婦になんとな〜く可愛がられ育てられた裕太。その償いや遠慮から、いつしか町内みんなの頼みごとを一手に引き受ける“究極の八方美人”になった彼は、たとえ人々の感謝の言葉が上辺だけのものとわかっていても、笑顔を振りまき続けます。自分の気持ちにウソをついてでも居場所を求める裕太。それだけに、気持ちを爆発させる居間でのシーンはとりわけ印象に残ります。
自分を捨てた父、生き別れた弟、徹子とその子供、女将さん。初めて“家族”が揃い、みんなですきやきを囲むものの、話が弾むどころか重苦しい空気が漂うばかり。それでも笑顔をつくる裕太は、みんなに対し「腹に何を抱えてても淡々と飯を食うのが本当の家族だろ!」と言い放ちます。「なくもんか!」と心に誓いながらも人知れず涙を流す裕太が、「血の繋がっている家族」と「血の繋がらない家族」と出会い、本当の居場所を見つけたとき。愛も苦々しさも全部飲み込んだあとにみせる笑顔の清々しさが心地よい作品です。
『これは“泣ける喜劇”が!?“笑える悲劇”か!?』
■Introduction
日本中を笑いの渦に巻き込んだ『舞妓Haaaan!!!』チームがおくる、笑って泣ける人情喜劇。脚本は、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』が大ブレイクした宮藤官九郎。監督は『舞妓Haaaan!!!』『謝罪の王様』などこれまでクドカン作品を手掛てきた水田伸生が務める。出演は『奇跡のリンゴ』の阿部サダヲ、『まほろ駅前多田便利軒』の瑛太、『チーム・バチスタの栄光』の竹内結子など超豪華キャスト陣が揃った。まったく予測不可能な展開を見せる物語を “笑える悲劇” とも “泣ける喜劇”ともいえる作品に仕上げた。
■Story
祐太(阿部サダヲ)は、秘伝のソースをかけたハムカツが人気の店「デリカの山ちゃん」の店主として善人通り商店街で暮らしている。幼い頃に生き別れた弟の祐介(瑛太)は、「金城ブラザーズ」という超売れっ子芸人になっていたが、2人はその事を知らないまま成長していた。ある日、十数年前に出て行ったきり音信不通となっていた、「山ちゃん」の初代店主の娘・徹子(竹内結子)が帰ってくる。昔とはまるで別人のように美人になった徹子を迎え入れた祐太。やがて2人は結婚することに。しかし、婚姻届を出すために手に入れた戸籍謄本で、祐太は祐介が実の弟であることを知ってしまう。
