『増補改訂カラー版 世界で一番やさしい建築材料 110のキーワードで学ぶ 08』
現在、震災の復興需要の本格化や、2020年の東京五輪開催などで建築資材が高騰しています。さらに4月に入り、消費税が8%へと変更され、建設費の上昇は逃れられない状況です。こんな時、建築資材をよく知っていたら、機能面を損なうことなく余計な出費を抑える事ができるのではないでしょうか。本書は建築現場で使われる材料類を工事順に解説しています。例えば第2章では躯体工事について取り上げており、構造用の金物やコンクリート、床や壁などについて事細かく書かれています。構造用金物には、角金物、山形プレート羽子板ボルトといったさまざまな形がありますが、この選定を行うにあたって、「N値計算」というポイントを紹介しています。N値計算は、柱頭・柱脚接合部の強さを、両側の耐力壁の強度、周辺部材による曲げ戻し、柱に加わる鉛直荷重の3つの要因から算出するもので、これを知ることにより必要十分な接合方法を選択することが可能になります。このように建材選びのポイントを現場の流れに沿って把握できるようになっており、建築に携わる人には必読の一冊です。

- ■発行:エクスナレッジ
- ■著者:area045「建築材料」編纂チーム
- ■参考サイト:エクスナレッジのウェブサイト
- ■価格:¥3,000+税
『使える!内外装材[活用]シート 2014-2015』
こちらは内外装材に特化した建材活用書の最新版。設計の視点から、建材を一般的な工事項目(塗装工事、建具工事等)で分類し、解説していますが、建材の種類・素材、仕様、工法、安全性やデザインなど、さまざまな視点からも見渡せるように作られています。例えば屋根の項目では、瓦、スレート系、金属系(工法・材種)、雨樋に分類されており、さらにその中の瓦の項目では、釉薬瓦、いぶし瓦、素焼瓦、練り込み瓦、窯変瓦、ガラス瓦といった製造方法による分類、和形瓦、平板瓦、スパニッシュ形瓦、S形瓦といった形状による分類に分けられています。また、瓦がほかの屋根材と比較して耐久性が高く長寿命であることや、退色や変色がほとんどないといった、機能的な特徴も書かれているため、それぞれの項目を参照し、見比べながら、建物にあった屋根材を探していけるような内容となっています。設計をしながらどんな建材を選ぼうかと考える時に、まず本書を参照してもらえるよう、図版・実例も豊富に盛り込んだ設計者必携のバイブルです。