『アレルギーの人の家造り［増補改訂版］─シックハウス・住宅汚染の問題と対策』

近年、アトピーを含むアレルギー患者の数は増加傾向にあると言われています。厚生労働省の調査では、全国民の3分の1が何らかのアレルギー症状に悩やまされているという結果が。1990年代に注目されるようになったシックハウス症候群については、建築基準法改正によって対策がとられましたが、実際には室内汚染はほとんど改善されていないと言います。また、シックハウスを回避し、改善するための建材として注目されてきたエコ建材や自然素材・天然素材が逆にアレルギー症状を悪化させる要因になっているケースも。環境にやさしく安全性に優れた保温・断熱材と言われているロックウール等吹き付け素材の危険性、調湿機能を持ち湿気の多い日本の気候に適した塗り壁材である珪藻（けいそう）土の発癌性、調湿機能や抗菌性、消臭効果のある天然漆喰の匂いによりアレルギー症状が出るなど。そんな事を引き起こさないために、室内汚染を回避するための方法と対策やアレルギーを起こす物質を封止する方法などを患者の目線に立ち、わかりやすく解説しています。

『医師が薦める本物の健康住宅　2015年　SPRING/SUMMER』

アレルギー・アトピー・ぜん息に悩まされている人たちにとって、よい居住環境とは一体どのようなものなのでしょうか。例えば、断熱性能を上げると多くの病気が改善することが、多くの医師や大学教授によって発表されています。そんな全国で活躍するベテラン医師たちが、「体と心が喜ぶよい空間」や「健康的な住宅」について真剣に考える人気シリーズ第4弾が本書です。本書の著者である住医学研究会では「安心」「快適」「安全」に暮らせる健康住宅を作る際、“0宣言”を取り入れています。“0宣言”とは、合板や集成材、木工ボンドなどの長持ちしない建材や、健康に悪い影響を与える可能性がある建材を、例え住宅が完成した際に見えなくなってしまう部分でも使用せず、徹底的に排除した家づくりをするというもの。レッドシダーのマシンカットログハウスや240角のレッドシダーのティンバーフレームなど、19邸の健康住宅の最新実例も紹介されています。健康的な生活を送るためにどんな家を建てればいいのか、本書にはそのいくつかの答えがたくさん詰まっています。