スレイマニエ・モスク<トルコ〜イスタンブール>
大建築家の技が光るオスマン建築の傑作
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娘を溺愛する主人公ブライアンが、娘が危機に陥った瞬間に冷酷非情なタフガイに変身、CIAで培った特殊スキルで敵をなぎ倒していくという、リーアム・ニーソン主演のアクション映画『96時間』。続編となる本作は舞台をパリからイスタンブールへと移し、元妻レノーアと愛娘キムの同時救出に挑むブライアンの激闘が描かれています。グランド・バザールや伝統的なハマムなどエキゾチックな風景はドラマを盛り上げるのに一役買っていますが、なかでもイスタンブール歴史地区の高台にそびえるスレイマニエ・モスク(1557年完成)の美しい姿は深い印象を残します。
1550年、オスマン帝国第10代君主スレイマン1世がトルコの大建築家ミマール・シナンに造らせたスレイマニエ・モスクは、オスマン建築の最高傑作のひとつといわれ、モスクの周りを囲む4本の優美なミナレット、霊廟(れいびょう)や神学校、病院、救貧院なども備えた一大複合施設です。59メートル×58メートルの床面に、直径27.5メートル、頂点の高さは地上53メートルという大ドームを冠するどっしりとしたモスクの内部は、アヤソフィアやブルーモスクなどと比べ派手さこそないものの、白を基調とした内壁と大小のドーム小窓から差し込む光がとても明るく、独特の解放感を生み出しています。
大建築家ミマール・シナンは約100年の生涯を通じ477もの建築物を設計したといわれています。スレイマニエ・モスクは彼が70歳頃に手掛けた作品ですが、“象の足”と呼ばれる巨大な4本の柱が生み出す耐震性、建物の天井や床に空洞を作ることでできる優れた音響効果、空気の流れを計算した照明の設置、また当時の著名な職人が手掛けた繊細なステンドグラスやカリグラフィーなど、細部まで考え抜かれた設計がまさに大建築家の名にふさわしい建物といえるでしょう。
『悲しいほどの父の愛が、再び暴走を始める。』
■Introduction
映画『シンドラーのリスト』や『スター・ウォーズ』シリーズなどに出演する名優リーアム・ニーソンが元CIA工作員を好演し、大ヒットを記録したタイムリミットアクションシリーズ、第2弾。製作と脚本を『LUCY/ルーシー』『TAXi』シリーズのリュック・ベッソン、監督を『トランスポーター3 アンリミテッド』のオリヴィエ・メガトンが務めた。前作に引き続き、娘のキムを『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン』のマギー・グレイス、元妻のレノーアを『X-MEN』シリーズのファムケ・ヤンセンが演じた。
■Story
元CIAの秘密工作員であるブライアン(リーアム・ニーソン)は、イスタンブールで元妻のレノーア、娘のキムと一緒に、家族水入らずで休暇を過ごす予定だった。ところが、かつてブライアンに息子を殺された犯罪組織のボスが密かに復讐計画を実行する。レノーアを誘拐され、ブライアンは自ら組織に捕まる。一方、間一髪のところで逃れたキムは、敵に追われてイスタンブールの街をさまよう事に…。果たして、ブライアンに脱出策はあるのか。そして、捕らわれたレノーアと、敵に追われるキムを救出することはできるのだろうか。

お金があっても人生は楽じゃない?! 20代女子のセレブ観察日記
最先端の文化を発信し続けるエキサイティングな都市ニューヨーク。その中心地マンハッタンの中で世界有数の高級住宅地として知られるのがセントラルパーク東にあるアッパーイーストサイドです。『私がクマにきれた理由(わけ)』は、このアッパーイーストサイドを舞台に、勘違いから「ナニー(専門的なベビーシッター)」になった女性の視点で、セレブな人々の生活が描かれます。
大学で人類学を専攻していたアニーの分析によると、アッパーイーストの住人は「地球上最も裕福で特異な社会システムを持つ」人たちだそうで、男は配偶者を得て子作りに成功すると一定の距離を置き、母たちは育児そっちのけで女ならではの活動に勤しんでいるとか。そんな理由で就職難にもかかわらず引く手あまたのナニーの状況をみたアニーは、偶然出会ったミセスXの家に住み込みで働くことを決めます。
金融業界で成功を収めているミスターXの家は、クラシックスタイルで統一された超高級アパートメント。ソファーセット3組とグランドピアノを置いてもまだ余裕のあるリビング、マノロ・ブラニクやルイ・ヴィトンなど一流ブランドの靴やドレスが並んだドレスルーム、収納たっぷりのキッチンなどため息がでるような豪華さですが、仕事一筋で家族そっちのけのミスターX、ショッピングやセミナー、スパなどに忙しいミセスX、やんちゃだけど寂しがり屋の息子グレイヤーの毎日はどこか不健全です。身勝手な雇い主に振り回されるアニーの成長を描いた物語であると同時にセレブの観察日記でもあるこの作品、もう一人の主人公であるローラ・リニー演じるミセスXのセレブなのにちっとも幸せじゃない姿が印象的です。ちなみにタイトルのクマとは、グレイヤーの部屋においてある監視カメラつきのぬいぐるみのこと。スカーレット・ヨハンソンのキレっぷりにも注目です。
『なりたい自分がきっと見つかる。マンハッタンのお仕事探し。』
■Introduction
ニューヨーク社交界を騒然とさせたベストセラー「ティファニーで子育てを」を実写映画化。主演を務めるのは『アベンジャーズ』シリーズや『LUCY/ルーシー 』などで知られる女優のスカーレット・ヨハンソン。仕事に恋に悪戦苦闘しながらポジティブに生きるヒロインを熱演した。
共演は、『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』でアカデミー賞にノミネートされた実力派女優のローラ・リニー、アルバムの累計セールスが3000万枚を超える歌手で女優のアリシア・キーズ、『キャプテン・アメリカ』シリーズのクリス・エヴァンスなどが集結した。
■Story
ステキな仕事についてエリートになる…はずだったアニー(スカーレット・ヨハンソン)。ところが、名前の“アニー”を勘違いされ、子供の世話をする“ナニー”として働くことになってしまう。雇い主は、マンハッタンに住む超ゴージャスなセレブ。自由なニューヨーク生活を夢見ていたアニーだが、雇い主である母親―美しく高慢なミセスX(ローラ・リニー)と、彼女の幼い息子に24時間振り回される。言いたいことも言えず、プライベートもない。家政婦からは「前任者はデート1回でクビになった」と脅され、恋もできない始末。やがて耐え切れなくなったアニーは、ついに本音を爆発させてしまうが…。
