『最高の断熱・エコ住宅をつくる方法』
住宅断熱の第一人者である著者による断熱・エコ住宅づくりのノウハウが詰まった一冊。断熱工法は大きく「充填断熱」「外断熱」「付加断熱」の3つに分けられますが、本書のなかで筆者は、家の断熱は工法で選ぶのではなく、さまざまな観点から最適な工法を選ぶべきとしています。「充填断熱」「外断熱」の両方を施工する「付加断熱」は、もともと寒冷地において行われていた工法ですが、簡単に断熱材を厚くすることができ、人体や環境への負荷も低いため、これからは温暖地でも利用される工法として紹介しています。例えば充填断熱では構造材の木材部分の熱橋による熱損失がありますが、付加断熱をすることによってこの問題は解消されます。また、コストは外張り断熱とおよそ同程度ですが、付加部分が増しただけ、外張りより断熱よりも高い断熱性能が手に入ります。著者が手掛けた実例もたくさん掲載されていますので、エコ住宅を知る上で大きな助けとなることでしょう。
『世界で一番やさしい断熱 110のキーワードで学ぶ 38』
本書は断熱の基礎知識に始まり、断熱材の歴史や製造方法、その詳細と特徴をマニアックな知識を絡めて紹介しています。例えば、断熱材であるグラスウールの主原料がリサイクルガラスであり、近年はグラスウール端材も再利用されているためよりエコな製品になっている…など、エコ住宅を建てる上で知っておくとよい知識が満載です。また、既存住宅の断熱改修についても取り上げています。近年、高齢者のヒートショック問題がよく聞かれますが、直接健康に害をなす恐れのある住居内の温度差に対し、筆者は断熱改修の必要性を説いています。この項目では、実際に岩手県内の既存住宅の温度実測の結果や断熱性能の調べ方、実際に改修を行う際の窓・壁・床・天井それぞれへの対応方法などについて教えてくれます。断熱性能に関する知識やノウハウを完全網羅した本書。これから断熱を学びたい人から実際に業務を行っている人まで、ためになる一冊です。