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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ライジング・ドラゴン
  • ライジング・ドラゴン
  • 『ライジング・ドラゴン』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:KADOKAWA 角川書店
  • ■価格:¥1,800+税
  • 監督:ジャッキー・チェン
  • 出演:ジャッキー・チェン クォン・サンウ ジャン・ランシン ヤオ・シントン 他
 
 

(C) 2012 Jackie and JJ Productions Limited, Huayi Brothers Media Corporation and Emperor Film Production Co Limited All rights reserved

シャンティイ城<シャンティイ〜フランス>

絵画と書物を愛した王子が築いたルネッサンス様式の名城


シャンティイ城(シャンティイ〜フランス)

(C) V. ZHURAVLEV - Fotolia.com

世界的アクションスター、ジャッキー・チェンが久しぶりに監督、製作、脚本、主演を務めた『ライジング・ドラゴン』。『サンダーアーム 龍兄虎弟』『プロジェクト・イーグル』に続きトレジャーハンター「アジアの鷹」に扮したジャッキーが、真骨頂である身体を張ったアクションとコミカルさを武器に、世界をまたにかける大冒険を繰り広げます。

作中でお宝「十二生肖像」の一つを奪うために潜入したマルソー城として登場したのが、パリから電車で北へ30分ほどの場所にある、美しい湖に佇むシャンティイ城です。14世紀から19世紀にかけてモンモランシー家やコンデ家など名門貴族の居城として受け継がれてきたこの城は、幾度となく行われた増改築による建築様式や装飾の変遷を見られる貴重な建物。現在の姿は、19世紀後半、最後の城主となったルイ・フィリップ王の息子オマール公の大規模な修復によるもので、フランス革命で破壊された2つの城をひとつにし、中世の城塞やルネサンスなどさまざまな様式を新ルネサンス様式へと改修しました。複雑ながらも均整のとれた優美な城です。

熱心な絵画と書物の愛好家でもあったオマール公。自身のコレクションを陳列する予定で設計されたという城の内部には、ピエロ・ディ・コジモの『美しきシモネッタ』やラファエロの『三美神』などの傑作をはじめとし、彼の貴重なコレクションが19世紀当時のまま並んでおり、コンデ美術館として一般に公開されています。1850年以前の旧絵画の所蔵数はルーブル美術館に、また700点の写本はフランス国立図書館に次ぐ規模を誇るのだとか。映画では世界で最も美しい写本と言われる『ベリー公のいとも華麗なる時梼書』や約3万冊の蔵書が収められた重厚な図書室が登場しています。

『ジャッキー・チェン最後のアクション超大作!』 ■Introduction

日本でも絶大なる人気を誇るスーパースター、ジャッキー・チェン。陽気でユーモアたっぷりな作風とコミカルでキレのよいアクション、そして危険を顧みないスーパースタントで観客を魅了し続けてきた。本国中国では、公開から約1カ月で興収140億円を突破した。共演は日本でも大人気のクォン・サンウ。ヒロインにはテコンドー選手権での優勝経験もある、ジャン・ランシン。さらには中国ゴールデンスター賞で最優秀女優賞にノミネートされたヤオ・シントン。そしてフランスからローラ・ワイスベッカーと3人の美女が激しいアクションに華を添える。

■Story

19世紀、欧州の中国侵攻により十二支のブロンズ像「十二生肖」が略奪された。そして現代。発見された数体のブロンズ像はオークションによって高値で売買され話題となっていた。一方で、ブロンズ像を元の国へ返却すべきという運動も起こっていた。そんな中、アンティーク・ディーラーのマックス・プロフィット社は、すべてのブロンズ像を探し出しオークションに出品すべく、腕利きのトレジャーハンター・JC(ジャッキー・チェン)を雇う。依頼を承諾したJCは仲間と共に作戦を開始する。それは世界各地で本物を探し出しながら、精巧に偽造されたイミテーションとすり替えるというものであった。

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シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組)
  • シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組)
  • シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組)
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:ハピネット
  • ■価格:¥4,700+税
  • 監督:ジャック・ドゥミ
  • 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ ニーノ・カステルヌオーヴォ マルク・ミシェル アンヌ・ヴェルノン 他
 
 

(C) Cine-Tamaris photo by Agnes Varda (C)Agnes Varda

大胆な壁紙がおしゃれな60年代不朽の名作

戦争によって引き裂かれた男女の恋をミシェル・ルグランの艶やかな音楽に乗せて綴ったジャック・ドゥミ監督の傑作ミュージカル『シェルブールの雨傘』。当時21歳のカトリーヌ・ドヌーブの眩しすぎる美しさや彼女の可憐さを引き立たせるクラシックなファッション、そして悲恋モノでありながらも場面ごとに変わる色彩は今見てもとても新鮮ですが、画面を彩る色の中でも特に印象的なのが、ドヌーブ演じる主人公・ジュヌヴィエーヴと母親が暮らす雨傘店の鮮やかな壁紙です。映画に登場するのは、ピンク×グリーンのストライプ、ブルーにオレンジの花柄があしらわれたもの、ドットなど色とりどりの大胆な壁紙。それらはもう一つの主役といってもいいほど強烈なインパクトを残します。なかにはジュヌヴィエーヴのワンピースやママのガウンと壁紙の柄がお揃いというおしゃれなシーンも。

壁紙を住宅建材の一部として考えてきた日本の住宅に比べ、室内をより魅力的にするインテリアの一部として親しんできたヨーロッパ。最近は日本でも壁の一部をペイントしたり、壁をカスタマイズできる賃貸の物件があったりと空間を楽しむ人が増えてきました。ヌーヴェルバーグを支えてきた美術家、ベルナール・エヴァンが見せた本作での壁紙使いは、部屋の概念を変える力を持っています。空間を明るく、広く見せてくれるベーシックな白い壁紙もいいけれど、本作のように壁の全面もしくは一部を変えてイメージチェンジをしてみてはいかがでしょうか。

『恋は、儚く褪せてしまうもの?』 ■Introduction

すべてのせりふを排除し、歌で表現する大胆な手法をとり、第17回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した傑作ミュージカル。お互いに愛し合いながらも、戦争によって引き裂かれ、やがて違う人生を歩きだす少女ジュヌヴィエーヴと青年ギイの物語をフランスの名匠ジャック・ドゥミ監督が色彩豊かに描きだした。ヒロインのジュヌヴィエーヴ役を演じるのは、『ヴァンドーム広場』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたフランスの大女優、カトリーヌ・ドヌーヴ。

■Story

フランス北西部の港町シェルブールに暮らす17歳のジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と20歳の自動車整備工ギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)。2人はささやかだけれど美しい恋を育んでいた。恋に恋する年頃のジュヌヴィエーヴに母親は心配をしていたが、ジュヌヴィエーヴはギイと会う時間がとても楽しかった。しかし、ある日、ギイにアルジェリア戦争の徴集礼状が届く。2年間の兵役を務めることになったギイは、ジュヌヴィエーヴとの別れを惜しみつつ、シェルブール駅から旅立っていく。

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