シャンティイ城<シャンティイ〜フランス>
絵画と書物を愛した王子が築いたルネッサンス様式の名城

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世界的アクションスター、ジャッキー・チェンが久しぶりに監督、製作、脚本、主演を務めた『ライジング・ドラゴン』。『サンダーアーム 龍兄虎弟』『プロジェクト・イーグル』に続きトレジャーハンター「アジアの鷹」に扮したジャッキーが、真骨頂である身体を張ったアクションとコミカルさを武器に、世界をまたにかける大冒険を繰り広げます。
作中でお宝「十二生肖像」の一つを奪うために潜入したマルソー城として登場したのが、パリから電車で北へ30分ほどの場所にある、美しい湖に佇むシャンティイ城です。14世紀から19世紀にかけてモンモランシー家やコンデ家など名門貴族の居城として受け継がれてきたこの城は、幾度となく行われた増改築による建築様式や装飾の変遷を見られる貴重な建物。現在の姿は、19世紀後半、最後の城主となったルイ・フィリップ王の息子オマール公の大規模な修復によるもので、フランス革命で破壊された2つの城をひとつにし、中世の城塞やルネサンスなどさまざまな様式を新ルネサンス様式へと改修しました。複雑ながらも均整のとれた優美な城です。
熱心な絵画と書物の愛好家でもあったオマール公。自身のコレクションを陳列する予定で設計されたという城の内部には、ピエロ・ディ・コジモの『美しきシモネッタ』やラファエロの『三美神』などの傑作をはじめとし、彼の貴重なコレクションが19世紀当時のまま並んでおり、コンデ美術館として一般に公開されています。1850年以前の旧絵画の所蔵数はルーブル美術館に、また700点の写本はフランス国立図書館に次ぐ規模を誇るのだとか。映画では世界で最も美しい写本と言われる『ベリー公のいとも華麗なる時梼書』や約3万冊の蔵書が収められた重厚な図書室が登場しています。
日本でも絶大なる人気を誇るスーパースター、ジャッキー・チェン。陽気でユーモアたっぷりな作風とコミカルでキレのよいアクション、そして危険を顧みないスーパースタントで観客を魅了し続けてきた。本国中国では、公開から約1カ月で興収140億円を突破した。共演は日本でも大人気のクォン・サンウ。ヒロインにはテコンドー選手権での優勝経験もある、ジャン・ランシン。さらには中国ゴールデンスター賞で最優秀女優賞にノミネートされたヤオ・シントン。そしてフランスからローラ・ワイスベッカーと3人の美女が激しいアクションに華を添える。
■Story19世紀、欧州の中国侵攻により十二支のブロンズ像「十二生肖」が略奪された。そして現代。発見された数体のブロンズ像はオークションによって高値で売買され話題となっていた。一方で、ブロンズ像を元の国へ返却すべきという運動も起こっていた。そんな中、アンティーク・ディーラーのマックス・プロフィット社は、すべてのブロンズ像を探し出しオークションに出品すべく、腕利きのトレジャーハンター・JC(ジャッキー・チェン)を雇う。依頼を承諾したJCは仲間と共に作戦を開始する。それは世界各地で本物を探し出しながら、精巧に偽造されたイミテーションとすり替えるというものであった。