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アーキテクト・イン・シネマ ~映画に観る建築・住まい・家族~

LUCY/ルーシー
  • LUCY/ルーシー
  • 『LUCY/ルーシー』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:¥3,400+税
  • 監督:リュック・ベッソン
  • 出演:スカーレット・ヨハンソン モーガン・フリーマン チェ・ミンシク アムール・ワケド 他
 
 

(C) 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

台北101<台北~台湾>

東アジアNO.1を誇る台北の超高層ビル


台北101(台北~台湾)

(C) oyazi - Fotolia.com

人間の脳は全体の10%しか機能していないと言われていますが、リュック・ベッソン久々の監督作は、もし脳の機能が100%になったら、というアイデアをもとに、図らずも脳が覚醒してしまったヒロインとマフィアの戦いを描きました。20%で外国語をマスターし、30%で細胞をコントロール、40%で電波が見え…と、どんどん人間離れしていくスカーレット・ヨハンソン演じるヒロインが見ものです。

物語前半の舞台となった台北では、高級ホテル「リージェント・タイペイ」や桃園国際空港、永楽市場などが登場しますが、中でも台北のランドマーク「台北101」はひときわ深い印象を残します。高さ508メートル、地上101階、地下5階建てのこのビルは、2004年の完成当時は世界一高いビルでした。現在は第4位になってしまったものの、伝統的な宝塔と中国で古くから親しまれている「竹」をモチーフにした台北101のリズミカルな外観は、オリエンタルな台湾らしさを強く印象づけます。

このビルの特徴である逆台形が連なったデザインは、中国で縁起のよい数字である「8」にちなんでいます。8フロアが1ユニットとなっており、高層ビル特有のビル風を弱める効果があるそう。台北の町並みを一望できる、高さ382メートルの展望台までは分速1010メートル、上昇時間はわずか37秒という東芝製エレベーター。ここでは、台北の絶景が楽しめるのはもちろん、92階から吊り下げられたビル全体の振動を軽減する世界最大&最重量のウィンドダンパーの動きを実際に見ることができます。

高層ビルにとって強風や地震の揺れは大きな課題。高層ビルの多くはその解決策として防風や免震効果のあるダンパーを採用していますが、なかなか見ることができません。台北101の一般公開はかなり貴重といえるでしょう。ちなみに、台北101のマスコットは「ダンパーベイビー」。ダンパーがモチーフとなっています。

『人類の脳は、10%しか機能していない』 ■Introduction

『レオン』『ニキータ』『フィフス・エレメント』のリュック・ベッソン監督がスカーレット・ヨハンソンと初タッグ。脳が100%へ向かって覚醒することで、人智を超えた能力を発揮するヒロイン、ルーシー。いまだかつてない鮮烈な印象を残すアクション・エンターテインメントで新たな最強のヒロイン像を創り上げる。さらに、モーガン・フリーマンがルーシーの存在を見守る脳科学者役として、また韓国の個性派俳優チェ・ミンシクがルーシーを陥れるマフィアのボス役として出演している。

■Story

ごく普通の生活を送っていたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、ある日、台北のホテルでマフィアの闇取引に巻き込まれてしまう。密輸のため、ルーシーの体内に、ある物質を入れた袋が埋めこまれる。しかし、その物質がルーシーの体内に漏れ出し、彼女の脳は覚醒。次々と人智を超えた能力を発揮し始める。脳科学者ノーマン博士(モーガン・フリーマン)は、彼女の脳の可能性を信じ、落ち合う約束をする。一方で、逃げ出したルーシーの行方をマフィアが追っていた。

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恋するベーカリー/別れた夫と恋愛する場合
  • 恋するベーカリー/別れた夫と恋愛する場合
  • 恋するベーカリー/別れた夫と恋愛する場合
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:¥1,429+税
  • 監督:ナンシー・マイヤーズ
  • 出演:メリル・ストリープ スティーブ・マーティン アレック・ボールドウィン 他
 

(C) 2009 Universal Studios. All Rights Reserved.

料理も恋も頑張れるこだわりのキッチン

ロマンチック・コメディの名手ナンシー・メイヤーズ監督作品である本作は、大御所メリル・ストリープを主演に迎えた大人のラブコメディ。“混乱”という原題が表すとおり、元夫と建築家との間で揺れる女性の姿が描かれています。

舞台となったのはカリフォルニア州南部にあるサンタバーバラ。スペイン風の建築で統一された町並みは、アメリカ有数のリゾート地としても知られています。オレンジ色の瓦屋根が美しいジェーンの自宅は、緑に囲まれた広大な敷地に平屋の家、プールと手入れの行き届いた家庭菜園があり、成功したベーカリーショップの経営者らしいゆとりある暮らしぶりがうかがえます。ナチュラルな配色にオレンジの小物を効かせたインテリアなど、そのセンスもお見事。

『恋愛適齢期』『ホリデイ』のようにナンシー・メイヤーズ監督作品に登場する家はとても魅力的。「家もキャラクターの一部」という監督の言葉通り、ジェーンの主な居場所であるキッチンも、一目みるだけでジェーンの料理好きがわかるようになっています。パンづくりに最適な大理石のアイランド・テーブルやステンレスの大型冷蔵庫、2つ並んだオーブン、日射しを浴びて気持ちよさそうなキッチンハーブ…。ジェーンはキッチンと寝室を増築するため、打ち合わせにやってきた建築家のアダムに自慢のクロックムッシュを振る舞っていましたが、リビングでもダイニングでもなく、アイランド・テーブルだったからこそ、2人の距離もぐっと縮まったのかもしれません。

ところで、四面を棚に囲まれ収納もバッチリなキッチンを夢見るジェーンは、10年温めていた思いを47通ものメールでアダムに伝えていました。アダムも設計図だけでなく予定地に木で杭を打ち、ジェーンに実際の広さや景色、動線などをイメージさせていましたが、インテリアだけでなく、施主と建築家のこんなやりとりも参考になりますね。

『失敗の数だけ、きっと最後は、おいしい人生が焼きあがる。』 ■Introduction

人気ベーカリーの女経営者と別れた元夫との恋愛をユーモラスに描いたラブコメディ。監督は『ホリデイ』や『恋愛適齢期』など、恋愛映画に定評のあるナンシー・マイヤーズ。人気ベーカリーの女性経営者で、3人の子供たちを育て上げたシングルマザーの主人公・ジェーンを演じるのは、映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で3度目のアカデミー賞を受賞した演技派女優メリル・ストリープ。10年前に別れた元夫のジェイクを、映画『ディパーテッド』のアレック・ボールドウィンが演じた。

■Story

全米No.1の評価を受けた人気ベーカリーの経営者で、3人の子供を女手一つで育て上げたジェーン(メリル・ストリープ)には、10年前に子供たちの父親で敏腕弁護士のジェイク(アレック・ボールドウィン)と離婚した過去がある。離婚後、ジェイクは若い妻をもらい、ジェーンはシングルライフを楽しんでいた。新しい家の設計を任せている建築家アダム(スティーブ・マーティン)の誠実さに心惹かれていたジェーンだったが、ある日、息子の大学卒業式に出席するために滞在したホテルで偶然ジェイクと再会する。

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