『建築がすごい世界の美術館』
世界中の美術館を集めた本書は、優れた建築物でもある美術館ばかりを紹介しています。元は発電所であるイギリスの美術館「テート・モダン」は、スイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンの手によって改装されました。発電機があった巨大なタービン・ホールではインスタレーションが展示されています。また、トルコにある「トプカプ宮殿博物館」は、オスマン帝国の君主・メフメト2世が居住した宮殿。宮殿内にはブルーのタイルや白い貝殻などでびっしりと装飾された「スルタンの間」や「皇子の間」があり、かつての栄華をしのばせます。一方で、スペインの水辺にある美術館「グッゲンハイム・ビルバオ」は、近代的な構造。不規則な曲線でできた外壁はチタンで覆われており、建物の内外で太陽の光が踊り、水辺を輝かせる構造になっています。歴史的な建築物から、現在建築家が作りだした奇想天外な建築物まで、一度は見ておきたいと思わせる個性的な美術館の数々は圧巻です。
『世界で一番美しい劇場』
歴史あるオペラハウスから、近代的なコンサートホールまで、世界中の美しい劇場ばかりを集めた一冊。本書の表紙になっているのは、スペイン・バルセロナの「カタルーニャ音楽堂」で、スペイン版アールヌーボーといわれるモデルニスモ建築の傑作として名高いコンサートホールです。花をモチーフにした装飾が館内外に施され、天窓や側面の色鮮やかなステンドグラスから光が差し込む様子は息をのむほどの美しさです。2010年にオープンした中国のオペラハウス「広州大劇院」もまた違った美しさがあります。設計は日本の新国立競技場の設計でも知られる女性建築家ザハ・ハディドさん。まるで鍾乳洞のような巨大ホールは黄金色に輝いています。照明はまるで星のように散りばめられていて、近未来的な雰囲気にあふれています。そのほか、オーストラリアの「オペラハウス」やフランスの「シャトレ座」、アメリカの「カーネギー・ホール」などの有名劇場も紹介しています。