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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ミッドナイト・イン・パリ
  • ミッドナイト・イン・パリ
  • 『ミッドナイト・イン・パリ』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:株式会社KADOKAWA 角川書店
  • ■価格:¥1,800+税
  • 監督・脚本:ウディ・アレン
  • 出演:キャシー・ベイツ エイドリアン・ブロディ カーラ・ブルーニ マリオン・コティヤール 他
 
 

(C) 2011 Mediaproduccion, S.L.U., Versatil Cinema, S.L. and Gravier Productions, Inc.

サンテティエンヌ・デュ・モン教会<パリ〜フランス>

パリの守護聖女が眠る優美な教会


サンテティエンヌ・デュ・モン教会(パリ〜フランス)

(C) Tupungato - Fotolia.com

ウディ・アレン監督が描くのは、パリを舞台に現代と1920年代が交錯する大人のほろ苦ファンタジー。アレン監督の持ち味である皮肉は抑えめに、パリへの純粋な憧れをつづった本作は、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ピカソ、ダリなど時代の寵児たちがきら星のごとく登場。憧れの人たちとの会話に目を輝かせる作家志望のギル同様、私たちの心もワクワクさせてくれます。パンテオンの裏にあるサンテティエンヌ・デュ・モン教会はそんな黄金の時代へ導くクラシックカーが現れる場所として登場します。

ヨーロッパの中世の香りが色濃く残る聖ジュヌヴィエーヴの丘に建つサンテティエンヌ・デュ・モン教会は、5世紀にフン族の襲撃から市民を救ったパリの守護聖女・聖ジュヌヴィエーヴが眠る場所。13世紀にパンテオンの前身であるサント・ジュヌヴィエーヴ大修道院の付属教会として建立されましたが、現在の姿になったのは17世紀ごろと言われています。3つの形の異なる切妻屋根と背後にそびえる鐘楼はまるでおとぎ話に出てきそうな雰囲気ですが、ギルを1920年代へ誘う時刻を告げたのもこの鐘楼でした。

パリの数ある教会の中でも唯一この教会だけというのが、身廊と内陣の間にある仕切り「ジュベ」。花や植物をモチーフにした透かし彫りのジュベが描く優美な曲線は、繊細なレースをまとっているように上品で美しいのです。パイプオルガンの調べを聴きながら、白い柱にその姿を映すステンドグラスを眺めていると、まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥ることでしょう。

『真夜中のパリに魔法がかかる』 ■Introduction

映画『それでも恋するバルセロナ』『ブルージャスミン』など多くの作品を手掛け、アカデミー賞に史上最多となる24回のノミネートを記録しているウディ・アレン監督。本作で25年ぶりにアカデミー賞の作品&監督賞にWノミネートされた。出演は、主人公のギル役に『ナイト ミュージアム』シリーズのオーウェン・ウィルソン、婚約者のイネズ役に『シャーロック・ホームズ』シリーズのレイチェル・マクアダムス、そしてギルが魅了される美女アドリアナ役に『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』のマリオン・コティヤール。

■Story

若くして映画業界で成功を収めた脚本家のギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者であるイネズ(レイチェル・マクアダムス)と共に、憧れのパリへとやってきた。その夜、ワインの試飲会に参加したギルは、パリをぶらついている間に道に迷ってしまい、モンターニュ・サント・ジュヌヴィエーヴ通りへとたどり着く。そこで物思いにふけっていると、旧式の黄色いプジョーが目の前に現れた。ほろ酔い気分のギルはプジョーに乗り込み、社交クラブでのパーティーに参加する。そこでギルが出会ったのは、偉大な作家夫婦と同じ名前を名乗る2人組だった。

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NANA-ナナ- スタンダード・エディション
  • NANA-ナナ- スタンダード・エディション
  • NANA-ナナ- スタンダード・エディション
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:セディックインターナショナル
  • ■販売元:東宝
  • ■価格:¥3,800+税
  • 監督:大谷健太郎
  • 出演:中島美嘉 宮崎あおい 松田龍平 成宮寛貴 平岡祐太 丸山智己 松山ケンイチ 玉山鉄二 他
 

(C) 2005「NANA」製作委員会

キャラクター、ファッション、インテリア。あの世界観に浸れる部屋

矢沢あい原作の人気漫画の実写映画版。中島美嘉と宮崎あおいが原作からそのまま抜け出したような2人のナナを演じ、20歳の女の子の恋、夢、友情をスクリーンに映し出しました。バンドデビューを目指すナナと、彼を追って上京した恋愛至上主義の奈々(ハチ)。東京へ向かう新幹線で偶然、隣の席になった2人は意気投合し、物件の下見で再会したのを機に共同生活を送ることになります。

原作の映画化で重要なのはもちろん役者ですが、その背景を彩る住まいも隠れた主役。原作の画をそのまま表現することにこだわった本作は、私たちをそのまま『NANA-ナナ-』の世界へ誘ってくれます。2人の新居は2DK、家賃7万円、707号室という“ナナ”つながりの古いマンション。ダイニングを真ん中に2部屋にわかれた完全振り分けという間取りはプライバシーをほどよく保てるので、生い立ちも性格も正反対の2人にはちょうどいい物件でしょう。

多摩川が見える窓にはめられたハート形の柵や、ボウルが2つ並んだ流し、白いレンガの腰壁など、年代物ならではの味わいがある部屋に、ナナお手製のダイニングテーブルと椅子、レトロな冷蔵庫、お揃いのイチゴのグラスなどで生活空間を作り上げていく過程はファンならずとも楽しいひととき。ダイニングテーブルで夢を語り、失恋の痛みをベッドで分け合い、ただ一緒にいた時間。「あの頃は…だったよね」と時折挟まれるモノローグが喜びも悲しみも入り交った2人の共同生活をより一層、輝かせています。

『夢を歌う。夢に恋する。そして、二人は夢を奏でていく。』 ■Introduction

累計2200万部を売り上げ、爆発的人気を誇った矢沢あいの同名少女漫画を映画『LOVE まさお君が行く!』『黒執事』の大谷健太郎監督の手によって実写映画化。ナナという2人の女の子を主人公に、等身大の恋愛と友情を描いた青春ストーリー。2人のナナを演じるのは、人気歌手でありながらハリウッド映画にも出演する中島美嘉と日本が誇る実力派女優の宮崎あおい。そのほか、『舟を編む』の松田龍平、『のぼうの城』の成宮寛貴、『ルパン三世』の玉山鉄二ら豪華共演者を迎えて、原作の世界観そのままに忠実に再現した。

■Story

東京にいる彼の元へ向かう小松奈々(宮崎あおい)とバンドデビューを目指して上京する大崎ナナ(中島美嘉)。そんな2人は、東京駅に向かう新幹線の中で偶然、隣に居合わせた。同じ歳、同じ名前の2人は意気投合。再会をきっかけに同居生活を始める。ナナはシン(松山ケンイチ)、ノブ(成宮寛貴)、ヤス(丸山智己)をバンドメンバーとして活動を再開。一方、奈々は交際中の章司(平岡祐太)との関係がぎくしゃくし始めていた。そんな時、奈々が超人気バンド「TRAPNEST」のライブチケットを当てる。奈々はナナを誘うが、なぜか彼女はライブに行くことを渋るのだった。

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