『これだけ!空調設備』
梅雨を控え、これから温度や湿度が気になる季節ですね。屋内の温度、湿度、そして気流や清浄度を快適に保つために必要不可欠なのが空調設備です。空調設備はダクトや配管、冷凍機などそれぞれに専門家がいますが、本書は一つの分野に特化するのではなく、空調設備全般の知識を底上げすることを目的としています。ですから、空調設備を学ぶ前に知っておくべきことから、空調設備の主要機器、熱源から熱を伝えるための機器・設備、そして空気の入れ替えを行う換気、火災の際に煙を外に出す排煙設備までを幅広く学ぶことができます。なかでも近年叫ばれている「省エネ」について書かれた項目では、太陽熱、太陽光、地中熱など再生可能エネルギーを利用したもののほか、発電によって作られる排熱エネルギーを利用するコージェネレーションシステムや、建物ごとではなく地域でエネルギーを共有する地域冷暖房といったさまざまな省エネ空調システムを知ることができます。応用をあえて削除し、簡潔にまとめられた本書を読めば、空調の全体像をつかむことができます。
『図解入門 よくわかる 最新 空調設備の基本と仕組み』
より詳細な内容が描かれている本書は、実際に空調設備を設置するために知っておかなければならない内容が多く盛り込まれています。「空調設備の予備知識」の項目では、空気線図の読み方や図面と図示記号などを紹介。近年問題となっている高齢者のヒートショックや熱中症についても書かれています。「代表的な空調方式」の項目では、空調機から一本の給気ダクトで空気を送る「単一ダクト方式」、空調機とダクトを各階で設置する「各階ユニット方式」、熱源からの冷温水を各階のファンコイルユニットで冷温風に変える「ファンコイルユニット方式」など、それぞれの特徴を交えて取り上げています。「省エネに考慮した空調設備」では、再生可能エネルギーの利用のほか、近年日本で普及している「ヒートポンプ」や、人が長く滞在するタスク域と比較的滞在時間の短いアンビエント域を分けて空調を行い、省エネを図るという「タスク・アンビエント空調」などを学ぶことができます。押さえておきたいポイントを重点的に取り上げた、かゆいところに手が届く…そんな一冊です。