王立裁判所<ロンドン〜イギリス>
荘厳なゴシック建築に圧倒されるイギリスの最高裁判所
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32歳女性、独身で恋人なし。そんなブリジット・ジョーンズが、恋に仕事に奮闘する様子を描いたヘレン・フィールディング原作の『ブリジット・ジョーンズの日記』。その映画化である本作は、女優のレニー・ゼルウィガーが大幅な増量とイギリス英語をマスターして挑み、その等身大過ぎる女性像に多くの人がハートをつかまれました。
さて、そんなブリジットがヒュー・グラント演じるセクシーな上司ダニエルにフラれ、心機一転、テレビのレポーターに転職した際、取材に訪れたのがストランド街にある「王立裁判所」です。イングランド、ウェールズの控訴院および高等法院が置かれたこの裁判所は、日本でいう最高裁判所にあたり、注目の裁判になるとブリジットのような報道陣が多く詰めかけます。1866年に議会で設立が決定後、11もの設計プランから選ばれたのは、ゴシック・リバイバル様式を代表する建築家、ジョージ・エドモンド・ストリートの案。1882年、ヴィクトリア女王の命で開設されたゴシック様式の荘厳な建物は、東西南北がそれぞれ140メートル、高さは75メートルという大きさを誇り、部屋数は1000を超えるのだとか。
外観だけでも十分に見ごたえのある王立裁判所ですが、14歳以上であれば誰でも敷地内に入場することが可能。裁判所内には実際に裁判官や弁護士が着用するカツラやローブが展示された部屋やカフェが併設されています。入り口に「in private」「in camera」と掲示されていなければ、実際に傍聴することもできます。17世紀以来、受け継がれてきたイギリスならではの伝統的な裁判を覗いてみてはいかがでしょうか。
『未修整・未検閲・未婚。』
■Introduction
日本ではもちろん世界各国でベストセラーとなったヘレン・フィールディングの同名ラブコメディー小説を、『ブローン・アパート』のシャロン・マグワイア監督が映画化した。32歳の独身女性、ブリジット・ジョーンズが恋に仕事に奮闘する様子を描いた。主演は『シカゴ』『コールド マウンテン』などのレニー・ゼルウィガー。ブリジットの恋の相手役に、『ラブ・アクチュアリー』のヒュー・グラントと『英国王のスピーチ』のコリン・ファースが選ばれた。
■Story
出版社に勤めるブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、ダイエットと恋愛に夢中な32歳の独身女性。ある日、出版記念パーティーに出席したブリジットは上司のダニエル(ヒュー・グラント)と急接近するが、彼はブリジットの同僚と浮気をしたあげく、彼女と婚約してしまう。傷ついたブリジットは会社をやめ、リポーターに転職。友人に紹介されたバツイチの弁護士マーク(コリン・ファース)といいムードになるも、ブリジットに許しを求めてやってきたダニエルと鉢合わせしてしまう。

猫たちと過ごす幸せのひととき
今やすっかり癒やしスポットとして定着しつつある「猫カフェ」ですが、本作はそんな猫カフェよりも一歩進んで、寂しい人に猫を貸す「レンタネコ」を営む人の物語です。
猫が乗ったリアカーを引きながら「レンタ〜ネコ、レンタ〜ネコ」と客引きをするのが主人公・サヨコ。猫を借りにくるお客さんは、心のどこかに“穴ぼこ”を抱えた寂しい人たちばかり。猫との日々を通し、お客さんに訪れるささやかな変化を縦軸に、サヨコのまったりとした日常が紡がれる本作は、『かもめ食堂』『めがね』の監督を務める荻上直子さんらしい、陽だまりで猫と日向ぼっこをしているかのような温かい雰囲気に包まれています。
そんなサヨコが暮らしているのが、平屋の日本家屋。亡き祖母の仏壇に年季の入った扇風機、玉簾(すだれ)、豚の蚊取り線香、ちゃぶ台など、ここだけ時が止まったかのように昭和の雰囲気を色濃く残しています。どこか懐かしいその空間を自由に行き来するのは、むすっとした顔が味わい深い“歌丸師匠”や美形の“モモコ”、ニオイフェチの“マミコ”といった個性豊かな猫たちです。レンタネコを営む傍ら、ある時は株のトレーダー、またある時は占い師、はたまた作曲家としての顔も持つサヨコの日常はどこか浮き世離れしていますが、猫と同じようにとても自由で自然体。家も、庭に面した居間の窓はいつも開け放たれており、夏の暑い日には猫の背中をなでながら縁側で冷たいビールを飲んだり、庭で流しそうめんを食べたりと、その季節を楽しむを生活を送っています。毎日を楽しそうに生きるサヨコと猫たちの暮らしは、猫好きの人はもちろん、そうでない人にもひとときの癒しを与えてくれるでしょう。
『さみしいまま、なんてゼッタイいけません』
■Introduction
『かもめ食堂』『めがね』『トイレット』など手掛けた荻上直子監督が、猫を通して人と人とのつながりを描いたハートウォーミングストーリー。主人公のサヨコ役には、これまで何度もの荻上監督作品に出演している市川実日子が選ばれた。共演者には、『ひまわりと子犬の7日間』の草村礼子、『アウトレイジ ビヨンド』の光石研、『福福荘の福ちゃん』の山田真歩、『図書館戦争』シリーズの田中圭、そしてラジオDJ、ナレーターとして活躍する小林克也と、実力派がそろった。見た人をより癒してくれる17匹の猫たちの表情にも注目。
■Story
サヨコ(市川実日子)は、都会の一隅にある平屋で複数の猫たちと暮らしている。幼い頃から猫に好かれていたサヨコは、心の寂しい人に猫を貸し出す「レンタネコ」を営み、猫と人とを引き合わせていく。サヨコから猫を借りるのは、夫と愛猫に先立たれた老婦人(草村礼子)、家族に疎まれている単身赴任中の中年男性(光石研)、自分の存在意義に悩むレンタカー店の女性(山田真歩)、ある組織から追われているという青年(田中圭)。さらに謎の隣人(小林克也)らとの関わりを通して、サヨコの気持ちにも徐々に変化が生まれていく。
