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今月のオススメの一冊

アントニ・ガウディの世界

『バルセロナのガウディ建築案内』

バルセロナのガウディ建築案内 ガウディといえば、未完の世界遺産サグラダ・ファミリアが最も有名ですが、そのほかにも多くの建築を残しています。本書では、石切り場を意味する「ラ・ペドレラ」という別名を持ち、ガウディ建築の完成形ともいえる高級マンションの「カサ・ミラ」をはじめ、生涯ガウディを支援した富豪の壮麗な邸宅「パラウ・グエル」、市の依頼で設計したという「旧市街ボルンの街灯」、ガウディがデザインをしたという瓦を使用し、やわらかな曲線が特徴的な「ミラージェス邸の門と塀」、さらには未完の計画まで約50の建物を厳選し、紹介しています。設計図をほとんど用いずに膨大な模型を作ってゆく独自の手法をとっていたガウディ。自由な発想で構成された建物たちが、バルセロナ在住の建築家でガウディ研究家でもある著者の建築知識と歴史的な視点を絡めて詳しく解説されています。知っておきたいガウディ作品とそのゆかりの地を余すところなく紹介している本書は、ガウディを巡るビジュアル・ガイドの決定版です。

『バルセロナのガウディ建築案内』 バルセロナのガウディ建築案内

『サグラダ・ファミリア ガウディとの対話』

サグラダ・ファミリア ガウディとの対話スペイン・バルセロナにある世界遺産、サグラダ・ファミリア。そのなかの聖堂内にある彫刻「生誕のファサード」「少年たちの合唱隊」を完成させた日本人彫刻家・外尾悦郎が、ガウディの壮大な構想と図面のないまま彫刻に挑む生みの苦しみと喜びをつづっています。2010年に、ガウディについての質問に答える形式で発行された書籍「La Libertad vertical」の日本語訳である本書には、実際に著者が手がけた作品を中心に、200点以上の美しいカラー写真を掲載しており、通常では見ることができない細部や構造が著者の回想を交えて解説されています。建築の構造を強化するものとしても必要不可欠なサグラダ・ファミリアの彫刻と20年以上も向き合い続けてきた著者は、「最も重要な目的は、聖堂を美しく完成させることではありません。聖堂の最終目的は、人類を構築することなのです」とその美学を語っています。ガウディをもっとも深く理解する珠玉の言葉とともに、現在も建築途中となっているサクラダ・ファミリアを間近に体験することができる一冊です。

『サグラダ・ファミリア ガウディとの対話』サグラダ・ファミリア ガウディとの対話
  • ■発行:原書房
  • ■著者:外尾悦郎
  • ■翻訳:宮崎真紀
  • ■参考サイト:原書房のウェブサイト
  • ■価格:¥8,000+税


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