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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

プロデューサーズ
  • プロデューサーズ
  • 『プロデューサーズ』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • ■価格:¥2,381+税
  • 監督:スーザン・ストローマン
  • 出演:ネイサン・レイン マシュー・ブロデリック ウマ・サーマン ウィル・フェレル ゲイリー・ビーチ ロジャー・バート 他
 
 

(C) 2005 BROOKSWORKS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ベセスダ・テラス<ニューヨーク〜アメリカ>

天使が見守るセントラルパークの憩いの広場


ベセスダ・テラス(ニューヨーク〜アメリカ)

(C) SeanPavonePhoto - Fotolia.com

マンハッタンの中心にあるセントラルパークは、言わずと知れたニューヨーカーたちの憩いの場所。南北約4km、東西約800mという広大な敷地には並木道の「ザ・モール」、一面芝生の「シープ・メドウ」、公園の東西を見渡せる美しい橋「ボウ・ブリッジ」など変化に富んだ景色が広がります。史上最低のミュージカルを上演して、ひと儲けしようとたくらむ主人公たちの騒動を描いた『プロデューサーズ』では、公園の代表的なスポット「ベセスダ・テラス」が登場し、プロデューサーのマックスが“We can do it”という歌に乗せて気弱な会計士レオをミュージカルの世界へと誘っていました。

セントラルパークの南方に位置するアーチ型の上下2層からなるベセスダ・テラスは、パークの中でも抜群の景観を誇る場所。公園を東西に横切る72丁目の通りに面したテラスの上階では、「ザ・レイク」と呼ばれる湖やパークの中心にある原っぱ「グレートローン」が眺められ、アーチ状の切り抜きが美しい下段をくぐるとマックスが願をかけた「ベセスダの噴水」がある円形広場へ出られます。セントラルパークの設計者であるフレデリック・ロー・オルムステッドとカルヴァート・ヴォークスがヴェルサイユ宮殿からインスパイアされたテラスは、サンドストーンと花こう岩からなり、下段にはウエストミンスター大寺院でも使用されているミントンタイルが使われています。タイルで飾られた美しい天井や壁、そして施された動物や植物の彫刻など、趣向を凝らした造りは、最先端のニューヨークというイメージではなく、歴史あるヨーロッパを感じさせます。

ベセスダ・テラスは、本作以外にもメグ・ライアン主演の『恋人たちの予感』、マコーレー・カルキン主演の『ホーム・アローン2』、ウディ・アレン監督の『地球は女で回ってる』など、さまざまな映画で撮影に使われています。それぞれどんなシーンで登場するのか見比べてみるのも楽しいですね。

『最低の脚本、演出家、役者を集めて最高のミュージカルが完成!?』 ■Introduction

トニー賞史上最多12部門受賞のブロードウェイ・ミュージカルを映画化。舞台版の初演で主演を務めた『白雪姫と鏡の女王』のネイサン・レインと『GODZILLA』のマシュー・ブロデリックが、本作でもプロデューサーのマックスと会計士のレオを演じる。そのほか、ヒロインのウーラ役には『キル・ビル』シリーズのウマ・サーマンが、脚本家のフランツ役を『俺たちフィギュアスケーター』のウィル・フェレルが選ばれた。

■Story

かつてはブロードウェイの大物プロデューサーだったマックス(ネイサン・レイン)だが、彼の企画したミュージカルはヒットせず、すっかり落ちぶれてしまっていた。ある日、気弱な会計士レオ(マシュー・ブロデリック)がマックスの元を訪れる。帳簿を調べるうちに、わざとミュージカルを失敗させることで大儲けができることに気が付いた2人は、最低の脚本家、最低の演出家、最低の役者を探しだして、史上最低なミュージカルを作り上げる。ところが、予想に反してミュージカルが大ヒットしてしまい…。

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8月の家族たち
  • 8月の家族たち
  • 『8月の家族たち』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:アスミック・エース、ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • ■販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • ■価格:¥1,429+税
  • 監督:ジョン・ウェルズ
  • 出演:メリル・ストリープ ジュリア・ロバーツ ユアン・マクレガー クリス・クーパー アビゲイル・ブレスリン ベネディクト・カンバーバッチ 他
 

(C) 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.

母と娘の複雑な関係を描いた重厚なドラマ

現代アメリカ演劇の金字塔といわれるトレイシー・レッツの同名戯曲を映画化した本作は、機能不全に陥った家族の複雑な感情を描いた愛憎劇です。灼熱の街、オクラホマに暮らす父親が失踪したと知らされ、実家に戻った三姉妹と叔母家族。しかし彼女たちを待ち受けていたのは辛辣(しんらつ)な言葉を投げつけては周囲を凍りつかせる母親バイオレットでした。サム・シェパード演じる父親が冒頭で「妻は薬を飲み、私は酒を飲む」とボヤいていたように、口腔(こうくう)がんを患っているバイオレットは薬に依存している状態。不敵な笑みを浮かべて他者を威圧するメリル・ストリープの演技は名だたる共演者を圧倒しています。

物語はほぼ家の中で進行しますが、平原ばかりの開放的な外の風景と異なり、窓を閉めきった家は、飼っていたインコが暑さのために死んでしまうような、重苦しく閉ざされた空間です。夫と別居し、反抗期の娘に手を焼いている真面目な長女バーバラ、秘密の恋に胸をときめかすおとなしい次女アイビー、うさんくさい婚約者を連れた自由奔放な三女カレン。それぞれ問題を抱えた者たちが一堂に会した薄暗い食卓で、家族の秘密を次々とさらけ出す母親。長女はそれに耐えかねて、ついに爆発してしまいます。

壮絶な“毒の吐き合い”をする母親バイオレットと娘のバーバラは、いわば合わせ鏡のような存在。バイオレットは子供たちを支配しようと考えていますが、そんな彼女もまた、幼い頃に受けた痛みを忘れられずにいる女性です。母と娘の対立、家族が抱える秘密…。自分に最も近い存在だからこそ、容赦ない家族の愛憎が描かれた作品です。

『愛しいからこそ憎らしい』 ■Introduction

ピュリッツァー賞とトニー賞をW受賞した傑作舞台を、「ER 緊急救命室」「ザ・ホワイトハウス」「サード・ウォッチ」などの大人気テレビドラマシリーズを手掛けたジョン・ウェルズ監督が実写映画化。父親の失踪をきっかけに、再会を果たした家族たちを演じるのは、本作で18回目のアカデミー賞ノミネートを果たしたメリル・ストリープ、『オーシャンズ』シリーズのジュリア・ロバーツ、『スター・ウォーズ』シリーズのユアン・マクレガー、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のベネディクト・カンバーバッチなど超豪華俳優陣。

■Story

8月のある日。オクラホマに暮らす父親が失踪したと知らされ、ある一家が実家へと集まった。真面目な長女バーバラ(ジュリア・ロバーツ)と反抗期の娘、別居中の夫、地元に残り秘密の恋に胸をときめかす次女アイビー(ジュリアン・ニコルソン)、自由奔放な三女カレン(ジュリエット・ルイス)とその婚約者。そんな彼女たちを迎えたのは、闘病中の母親バイオレット(メリル・ストリープ)と、その妹家族だった。それぞれの問題を抱えた家族たちが一堂に会した時、毒舌家の母親が家族の秘密を次々とさらけ出し…。

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