ベセスダ・テラス<ニューヨーク〜アメリカ>
天使が見守るセントラルパークの憩いの広場

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マンハッタンの中心にあるセントラルパークは、言わずと知れたニューヨーカーたちの憩いの場所。南北約4km、東西約800mという広大な敷地には並木道の「ザ・モール」、一面芝生の「シープ・メドウ」、公園の東西を見渡せる美しい橋「ボウ・ブリッジ」など変化に富んだ景色が広がります。史上最低のミュージカルを上演して、ひと儲けしようとたくらむ主人公たちの騒動を描いた『プロデューサーズ』では、公園の代表的なスポット「ベセスダ・テラス」が登場し、プロデューサーのマックスが“We can do it”という歌に乗せて気弱な会計士レオをミュージカルの世界へと誘っていました。
セントラルパークの南方に位置するアーチ型の上下2層からなるベセスダ・テラスは、パークの中でも抜群の景観を誇る場所。公園を東西に横切る72丁目の通りに面したテラスの上階では、「ザ・レイク」と呼ばれる湖やパークの中心にある原っぱ「グレートローン」が眺められ、アーチ状の切り抜きが美しい下段をくぐるとマックスが願をかけた「ベセスダの噴水」がある円形広場へ出られます。セントラルパークの設計者であるフレデリック・ロー・オルムステッドとカルヴァート・ヴォークスがヴェルサイユ宮殿からインスパイアされたテラスは、サンドストーンと花こう岩からなり、下段にはウエストミンスター大寺院でも使用されているミントンタイルが使われています。タイルで飾られた美しい天井や壁、そして施された動物や植物の彫刻など、趣向を凝らした造りは、最先端のニューヨークというイメージではなく、歴史あるヨーロッパを感じさせます。
ベセスダ・テラスは、本作以外にもメグ・ライアン主演の『恋人たちの予感』、マコーレー・カルキン主演の『ホーム・アローン2』、ウディ・アレン監督の『地球は女で回ってる』など、さまざまな映画で撮影に使われています。それぞれどんなシーンで登場するのか見比べてみるのも楽しいですね。
トニー賞史上最多12部門受賞のブロードウェイ・ミュージカルを映画化。舞台版の初演で主演を務めた『白雪姫と鏡の女王』のネイサン・レインと『GODZILLA』のマシュー・ブロデリックが、本作でもプロデューサーのマックスと会計士のレオを演じる。そのほか、ヒロインのウーラ役には『キル・ビル』シリーズのウマ・サーマンが、脚本家のフランツ役を『俺たちフィギュアスケーター』のウィル・フェレルが選ばれた。
■Storyかつてはブロードウェイの大物プロデューサーだったマックス(ネイサン・レイン)だが、彼の企画したミュージカルはヒットせず、すっかり落ちぶれてしまっていた。ある日、気弱な会計士レオ(マシュー・ブロデリック)がマックスの元を訪れる。帳簿を調べるうちに、わざとミュージカルを失敗させることで大儲けができることに気が付いた2人は、最低の脚本家、最低の演出家、最低の役者を探しだして、史上最低なミュージカルを作り上げる。ところが、予想に反してミュージカルが大ヒットしてしまい…。