ルブア・アット・ステート・タワー<バンコク〜タイ>
エネルギッシュな街・バンコクを見下ろす天空のバー
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酔っ払って記憶を失くした3人組の珍騒動を描いた『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の続編である本作の舞台は微笑みの国、タイ。スチュの結婚式に参加するため、タイへとやってきたスチュ、フィル、アラン、ダグたち御一行。しかし結婚式前夜の祝杯の1杯がとんでもない事態を巻き起こすことに。翌朝、目が覚めると、そこには見知らぬサル、切断された指、スチュの顔にはタトゥー…さらに花嫁の弟が行方不明に! 「何でこんなことに!?」という前作のお約束を踏まえつつハチャメチャ度もさらにスケールアップして3人はエネルギッシュな街・バンコクを駆け回ります。
映画の冒頭、「またやった。マジでヤバイ…」とフィル、スチュ、アランが頭を抱えて座り込んでいた場所が、ラグジュアリーホテル「ルブア・アット・ステート・タワー」です。高級ホテルが並ぶリバーサイド・エリアにそびえる65階建てのこのホテルは21〜26階と51〜59階が客室、そのほかはコンドミニアムとサービスアパートメントが入っています。前述の3人が途方にくれていた場所が、このホテルの屋上にあるレストラン・バー「Sirocco(シロッコ)」。地上247メートル、世界一高い場所にあるこのバーは、バンコク名物、屋根のないルーフトップバーの火付け役となったスポットで、超高層ビルが林立する近未来的な景観と悠久なるチャオプラヤー川、2つの異なる美しい眺めが肌で感じられるなんとも贅沢な空間です。
ここを訪れたならぜひ味わってみたいのが、本作のキャストのために作られたカクテル“Hangovertinis”。非日常的な空間で夜景を眺めながらこのカクテルを飲めば、たちまち映画の世界へトリップできることでしょう。ただし、飲み過ぎにはくれぐれもご注意ください!
『飛べ、異国の地へ!! 飛ぶな、昨夜の記憶!!』
■Introduction
全米コメディ映画史上歴代ナンバーワン興収を記録し、ゴールデングローブ賞・作品賞を受賞した前作、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の続編。目が覚めると見知らぬ場所で、昨夜の記憶がまったくない! という“最悪の二日酔い”を描き、世界中の観客を共感させた題材をそのままに、今度はアジアの都市、タイ・バンコクを舞台に描く。監督は引き続きトッド・フィリップス、主演のブラッドリー・クーパーら、キャスト陣も再集結した。
■Story
ラスベガスでの騒動から2年後。フィル(ブラッドリー・クーパー)、アラン(ザック・ガリフィアナキス)、ダグ(ジャスティン・バーサ)は、スチュ(エド・ヘルムズ)の結婚式に参加するためにタイを訪れていた。記念すべき結婚式前々夜、独身最後を祝うためにスチュたちは乾杯するが、翌朝、目が覚めると見知らぬホテルの一室にいた。昨晩の記憶はなく、式を控えたスチュの顔にはタトゥーが入っている。しかも、一緒に祝杯をあげたはずの花嫁の弟は行方不明で、代わりにベストを着た1匹のサルがいて…。

12年の家族の軌跡を物語る少年と家
タイトル通り1人の少年の6歳から18歳までの成長を描いた『6才のボクが、大人になるまで。』は、同じキャストで12年もの歳月をかけて撮られた画期的な作品です。ドキュメンタリーではなくあくまでもフィクション。けれども子供たちの成長や自然の流れに任せた脚本は、少年の“今”を鮮明に映し出し、見る者の心に深く訴えかける力を持っています。
オーディションで見いだされたエラー・コルトレーン演じる少年メイソンは、離婚した母のキャリアアップのために、テキサス州オースティンからヒューストンへとやってきます。母親の再婚、義父の暴力、実の父親との交流など大人に翻弄されながらも、恋や孤独を経験し大人になっていくメイソン。そんな彼にとって家とは人生の転機の象徴であり、母親のオリヴィアにとっては人生そのものを表しています。家が変わり、一緒に暮らす相手も変わり、これまでの生活に突然、別れを告げなければならない子供たち。そんな中、住む家が変わっても「遊びに行こうぜ」と2人の元を訪れるマイペースな実父の存在は、緊張感を強いられる生活のなかでの緩和剤となっています。
実の父役、イーサン・ホークが演じた『ビフォア〜』シリーズ3部作が、18年という月日をかけて撮られたように、監督のリチャード・リンクレーターにとって時間は大切な要素です。本作の原題は『Boyhood(少年時代)』。しかし監督はこの作品は同時に『Parenthood(親子)』でもあると語ります。1年ごとに成長し、顔つきも言動も段々大人びていく子供たちですが、親たちにも等しく時間は流れています。映画の終盤、オリヴィアが母親としての心境を吐露する場面は、なんと切ないことか。子供として、親として。その一瞬一瞬の時間の積み重ねがもう戻らないものだからこそ、本作は特別な作品として輝きを放っています。
『すべての瞬間に、「大切」が宿ってる。』
■Introduction
1人の少年の6歳から18歳までの成長と家族の軌跡を、実際に12年をかけて撮影したドラマ。監督は『ビフォア・ミッドナイト』のリチャード・リンクレイター。主人公の少年メイソンを演じるのは、オーディションで見いだされたエラー・コルトレーン。エラー・コルトレーンをはじめ、母親役のパトリシア・アークエット、父親役のイーサン・ホーク、姉役のローレライ・リンクレイターら4人の俳優が、12年間、同じ役を演じ続けた。第87回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞ほか計6部門で候補に挙がり、パトリシア・アークエットが助演女優賞を受賞している。
■Story
テキサス州に住む6歳の少年メイソン(エラー・コルトレーン)は、キャリアアップのため大学に入学した母親オリヴィア(パトリシア・アークエット)に従ってヒューストンに転居する。ヒューストンで多感な思春期を過ごすメイソンは、アラスカから戻って来た父親(イーサン・ホーク)との再会、母親の再婚、義父の暴力、淡い初恋などを経験し、大人になっていく。そんな中、メイソンはアート写真家を目指すことに。母の元を巣立ったメイソンと、大学教員になった母。ミュージシャンを目指していた父も就職し、再婚して新たな子供が生まれるなど、12年という歳月のなかで家族も形を変えていく――。
