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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ターミネーター:新起動/ジェニシス
  • さよならドビュッシー
  • 『さよならドビュッシー』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:キングレコード
  • ■価格:\3,800円+税
  • 監督:利重 剛
  • 出演:橋本 愛 清塚信也 ミッキー・カーチス
    柳 憂怜 相築あきこ 山本剛史
    清水紘治 熊谷真実 サエキけんぞう 他
 

(C) 2013さよならドビュッシー製作委員会

聖ザビエル天主堂(愛知〜日本)

日本の繊細な手仕事が光るカトリックの教会堂


グレース大聖堂(サンフランシスコ〜アメリカ)

(C)tenboh-siyaraku

天才ピアニストにして名探偵の顔も持つ岬洋介の活躍を描き、第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した同名小説の映画版。岬役に抜擢されたピアニスト、清塚信也が奏でる圧倒的に美しいピアノの調べが“音楽ミステリー”の魅力を最大限に引き出しています。

祖父と、従妹のルシアを火事で亡くし一人生き残った遥。夢だったピアニストになるため懸命に練習に励む彼女に次々と不可解な出来事が襲い掛かりますが、火事に続く第二の事件現場の舞台として使われたのが、名古屋近郊の明治村にある聖ザビエル天主堂です。明治村は100万平方メートルの広大な敷地の中に、国の重要文化財や世界中の価値ある建築を移築復元し、60以上の建築や車両を展示している野外博物館。この一角にたたずむ青のバラ窓が印象的な白亜の教会・聖ザビエル天主堂は、もともと1890(明治23)年にキリスト教の伝道師である聖フランシスコ・ザビエルを記念して京都で献堂されました。

西洋の文化が入ってきた“文明開化”の明治時代、建築もまた伝統ある木造建築と近代的な石造り・煉瓦造りの洋風建築をミックスした構造へと変化を遂げました。この聖ザビエル天主堂も外壁は煉瓦造り(※移築の際に鉄筋コンクリート造に改築)ですが、堂内は総けやき造りとなっています。内部は三廊式のゴシック様式で、アーケードやクリアストーリーにはめ込まれたステンドグラスは、白色塗料で草花模様を描いた色ガラスに透明なガラスを重ねた二重ガラス。繊細で柔らかな光が差し込む堂内は、温かみのある空間になっています。敷地内をそぞろ歩けば明治時代にタイムスリップしたような気分が味わえます。

『秘めた思いは、「月の光」とともに溢れだす…』 ■Introduction

第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した中山七里の小説が映画化。主演を務めるのは、『告白』『桐島、部活やめるってよ』など話題作への出演が相次ぐ若手実力派女優・橋本愛。火事で全身にやけどを負い、心に大きな傷を抱えながらも、ピアニストになる夢を追いかける少女が不可解な事件に巻き込まれていく様子を、ドビュッシーやショパンの名曲に乗せて描く音楽ミステリー。ピアノ教師役には、テレビドラマ「のだめカンタービレ」の吹き替え演奏でも知られ、今回が演技に本格初挑戦となる現役の人気ピアニスト清塚信也。監督は、自身も俳優として活躍しながら、約10年振りにメガホンを取った利重剛が務める。

■Story

双子同然で成長してきた16歳の香月遥と従姉妹の片桐ルシアには、ピアニストになるという共通の夢があった。ある晩、ルシアと祖父の玄太郎が暮らす家で火事に巻き込まれた遥は、全身やけどの大けがを負い、独り生き残ってしまう。彼女に残された希望は、生前のルシアと約束したドビュッシーの「月の光」を弾くことだけだった。やけどの後遺症による厳しいリハビリにくじけそうになりながらも、ピアノ教師・岬洋介の指導の下、二人三脚でピアノコンクール優勝を目指し猛レッスンに励む遥。しかし、祖父から遺された24億円もの遺産をめぐり、遥の身の周りで不可解な出来事が頻発する。

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アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜
  • ベートーベン
  • 『ベートーベン』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:\1,429円+税
  • 監督:ブライアン・レヴァント
  • 出演:チャールズ・グローディン ボニー・ハント
     ディーン・ジョーンズ ニコール・トム
     クリストファー・キャスタイル 他
 

(C) 1991UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

※2016年3月現在の情報です

犬嫌いの父率いる一家に大型犬が巻き起こすほほ笑ましい騒動

雪山の遭難救助犬としても知られるセント・バーナードが、悪徳獣医師相手に大奮闘するファミリー・コメディ。犬好きな人はもちろん、そうでない人も安心して楽しめる作品です。

ペット泥棒の手から逃れニュートン家に迷い込んだ子犬のセント・バーナード。ベートーベンと名付けられた彼はすくすくと成長します。子供たちのピンチにはヒーローのごとく駆けつけ、時には長女の恋の相談相手になるなど、“ペット”という枠を超えて頼もしいことこの上ないベートーベンですが、なぜかチャールズ・グローディン演じる犬嫌いの父ジョージにだけはいたずらばかり。グローディンの絶妙なリアクションもあって、同情しつつもその名(迷)コンビぶりに思わず笑ってしまいます。

そんなかわいくて頼りになるベートーベンですが、そもそもセント・バーナードは成犬の標準体高が70〜90cm、体重は55〜90kgほどにもなる、あらゆる犬種の中で最大級の体格を誇る犬。それゆえ、実際に飼うにはなかなかの覚悟が必要です。旺盛な食欲を支える大量のエサに、健康を保つための適度な運動、したたるヨダレやいたずらの後始末…。日本の住宅事情で飼うのは至難の業ですが、ベートーベンほどの大きさでもゆったりとくつろげる広さであるニュートン家の邸宅は、映画の隠れた主役ともいえるでしょう。ちなみに本作の舞台となったのは、ロサンゼルスの北部に位置する歴史ある街、パサディナ。20世紀のアメリカン・ドリームの象徴のような、並木道に手入れされた芝生や家が立ち並ぶ住宅街で描かれた一家のほほ笑ましい騒動は、心を和ませる温かさに満ちています。

『キュートなセント・バーナード犬“ベートーベン”が大活躍!』 ■Introduction

犬嫌いの父親がいるニュートン家に住みついたセント・バーナードが、その家族と巻き起こすさまざまな事件を描いたハートフル・アニマルコメディ。メガホンを取ったのは『フリントストーン』シリーズや、『ジングル・オール・ザ・ウェイ』など、コメディに定評のあるブライアン・レヴァント監督。『ゴーストバスターズ』で一躍有名となった、映画監督・映画プロデューサーのアイヴァン・ライトマンが製作総指揮を執った。ニュートン家の主、ジョージを演じたのは『愛が微笑む時』のチャールズ・グローディン。俳優としてはもちろん、そのコメディセンスを買われ「サタデー・ナイト・ライブ」でホストを務めたこともある彼が、大型犬のおかげで悪戦苦闘を強いられる父親をコミカルに演じている。

■Story

犬泥棒の騒動に紛れてペットショップから逃げ出した、賢いセント・バーナードの子犬が、アメリカの平凡な一家・ニュートン家にやってきた。父親のジョージ・ニュートン(チャールズ・グローディン)は大の犬嫌いで飼うことに気乗りしなかったが、妻アリス(ボニー・ハント)や子供たちにせがまれて、「本当の飼い主が見つかるまで」という条件付きで、渋々飼うことを許可する。ベートーベンの「運命」に反応したことから“ベートーベン”と名付けられたこの犬は、ニュートン家でいたずらの限りを尽くすが、家族はベートーベンをかわいがっていた。そんなある日、ジョージは虐待まがいの動物実験を行う悪徳獣医師にだまされ、ベートーベンを処分するため獣医師の病院へ連れて行ってしまう。

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