クラブ・エス ウェブマガジン

アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ニューヨーク、恋人たちの2日間
  • ニューヨーク、恋人たちの2日間
  • 『ニューヨーク、恋人たちの2日間』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:アルバトロス
  • ■価格:\3,800円+税
  • 監督:ジュリー・デルピー
  • 出演:ジュリー・デルピー クリス・ロック アルベール・デルピー
    アレクシア・ランドー ヴィンセント・ギャロ 他
 

ベルヴェデーレ城(ニューヨーク〜アメリカ)

ニューヨークの真ん中にたたずむ石造りの小さな城


グレース大聖堂(サンフランシスコ〜アメリカ)

(C)kmiragaya

パリを舞台に、米仏のカルチャー・ギャップから破局の危機を迎えるカップルの2日間を描いたジュリー・デルピー監督・主演『パリ、恋人たちの2日間』の続編。今回は舞台をニューヨークに移し、クリス・ロック演じる新たな恋人ミンガスが、やりたい放題のマリオン家族に振り回される姿を、シニカルな笑いと共に描いています。

自由の女神、エンパイアステートビルなど、ニューヨーク観光を満喫するマリオン一行が散歩で訪れたのが、セントラルパーク内の小高い丘にあるベルヴェデーレ城。「ベルヴェデーレ」はイタリア語で“美しい景色”という名の通り、城の細いらせん階段を上った展望台からは、屋外円形劇場のデラコート・シアターや、広大な芝生が広がるグレートローン、カメやカモが生息するタートル・ポンドなど、美しい公園の景色が一望できます。

ベルヴェデーレ城の基となったお城は、公園の設計者であるアメリカ合衆国の造園家、フレデリック・ロー・オルムステッドらによって1872年に建てられました。その後、1919年以降は気象庁の観測設備も設置。スコットランドの古城を思わせる石造りの外観は、ゴシック様式とロマネスク様式を取り入れたもの。一時は閉鎖され廃墟と化していましたが、1983年にセントラルパークの管理団体による管理下になると、ビジターセンターとして生まれ変わりました。展望台のほか、セントラルパーク内に住む野生動物や鳥類のはく製、植物の標本などが展示されており、現在は多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。セントラルパークの青々とした緑の向こうに見えるのは、林立する高層ビル群。いかにもニューヨークらしい景色がここから楽しめます。

この素晴らしくも、めんどうくさい、愛おしい者たちよ ■Introduction

『恋人までの距離(ディスタンス)』でイーサン・ホークと共演し注目を集め、2002年に監督デビューを果たして以降、多彩ぶりを発揮してきたジュリー・デルピーが監督・脚本・主演を務めた、『パリ、恋人たちの2日間』の続編。ジュリー扮(ふん)するフランス人写真家マリオンと、新恋人であるミンガスは、ニューヨークでそれぞれの連れ子と一緒に仲良く暮らしていた。そこへマリオンの個展開催に合わせてマリオンの父親と妹、妹と交際中のマリオンの元恋人が、フランスから遊びにやってくる。破天荒でマイペースな父親を演じるのは、デルピーの実の父アルベール・デルピー。新恋人のミンガスは、米タイム誌などで“アメリカで最も面白い男”と評価されるクリス・ロックが演じる。

■Story

パリで生まれ育ったマリオン(ジュリー・デルピー)は、現在はニューヨークで暮らす女性写真家。以前の恋人との間に生まれた一人息子のルルを育てながら、個展の準備に余念がない。そんな彼女は、新しい恋人である人気DJのミンガス、彼の一人娘ウィローとアパートで同せい生活を始め、充実した生活を送っていた。出身も人種も違うが、お互いの仕事を理解し合う、理想のカップルといえる2人。ところが、そんな生活に思わぬ危機が訪れる。マリオンの父親ジャノと妹のローズ、ローズの恋人にしてマリオンの元彼マニュが、彼女たちのアパートに泊まることになったのだ。性や人種問題に関して破天荒な言動をする3人のせいで、アパート内は大混乱。しまいには、良好だったマリオンとミンガスの関係にまで、怪しい空気が流れ出す―。

ページトップ

イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所
  • イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所
  • 『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
  • ■価格:BD ¥1,905+税 /DVD ¥1,419+税
  • 監督:R・J・カトラー
  • 出演:クロエ・グレース・モレッツ ミレイユ・イーノス
    ジョシュア・レナード ジェイミー・ブラックリー
    ステイシー・キーチ 他
 

(C)2016 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

17歳の少女の夢と希望と、その先の未来

人生の中で17歳は特別だ。自分は何者なのだろう? 一体どんな大人になるのだろう? 彼らはその先の未来へ向かって自分の居場所を探しますが、本作の主人公ミアは図らずも17歳という若さでその究極の選択を迫られます。癖のある役柄が多かったクロエ・グレース・モレッツが、初となる“等身大の女の子”を演じ、まぶしいほどの輝きを放っています。

パンク・ミュージシャンの父と彼の熱烈ファンだった母、同じくロック好きの弟という家族を持つミアは、チェロを愛する内気な17歳の女の子。チェロを愛し、名門ジュリアード音楽院への進学を夢見るミアは、家族の中では異色の存在でしたが、両親はミアの個性を受け入れて全力で応援してくれるのでした。さらに、分野は違えども“音楽”という共通の言語で惹かれ合う恋人アダムの存在も、彼女の人生を輝かせていました。しかしミアは、ある日突然の事故で家族を一瞬にして失い、ミア自身も昏睡状態に陥ってしまいます。生と死の狭間に投げ込まれた彼女は、これまでの人生を振り返りながら、命の選択を迫られます。

恋人アダム、そばにいる家族、親友の存在、どれもかけがえのないものだと気付かされるミア。大切な存在を失う恐怖は想像に難くありません。寡黙ながらミアを優しく見守ってきた祖父は、涙ながらに「逝きたいなら逝っていいんだ。気持ちがわかるから…」と語り、親友は「独りじゃないよ」と寄り添い、アダムは「そばにいてくれ」と訴えます。ミアが帰る場所とは果たしてどこなのか…。1人の女の子の人生に大きく心を揺さぶられる良作です。

この世界に言うのは、「さよなら」か、「ただいま」か。 ■Introduction

原作「IF I STAY」(邦題「ミアの選択」)は、2009年に発刊され、世界34カ国で愛されるベストセラー小説。ニューヨークタイムズ紙で19週にわたってベストセラーにランクインするなど、感動の物語は根強い人気を誇っている。主人公ミアを演じるのは『キック・アス』『キャリー』で大ブレイクし、今ハリウッドで最も注目を集めているクロエ・グレース・モレッツ。瀕死の重傷を負い究極の選択を迫られる17歳の高校生を、等身大でみずみずしく熱演し、涙を誘う。主人公ミアはジュリアード音楽院を目指すチェロの天才、ボーイフレンドは人気ロックバンドのボーカルという異色のカップル。音楽映画としての側面を持つ本作では、クラシックの名曲からパンク、グランジ、フォークなどさまざまな名曲が全編を彩り、ドラマチックに盛り上げる。

■Story

17歳のミア(クロエ・グレース・モレッツ)は、チェロ奏者になることを夢見る高校3年生。親友と呼び合える友達がいて、付き合い始めて1年になる大好きなミュージシャンの彼氏がいる。今はジュリアード音楽院への入学を目指して猛練習の毎日だ。そんなミアを、ある雪の朝、突然の悲劇が襲った。一家が乗った車に対向車が突っ込み、ミアは一瞬にして家族を失ったのだ。病院のベッドの上、昏睡状態のミアの目に映ったものは、ベッドに横たわる自分の姿と、幸せだったこれまでの人生、そして、彼女を死の淵から呼び戻そうとする人々の姿。「つらいなら頑張らなくてもいい」と言って泣いたおじいちゃんの涙。親友のキムと、看護師の制止を振り切って来てくれた最愛のアダム。この世に残るか家族のもとへ旅立つか、事故から決断までの24時間が描かれる。

ページトップ