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今月のオススメの一冊

集合住宅

『世界一美しい団地図鑑』

『世界一美しい団地図鑑』 昭和30年代に入り、戦後の人々の生活がようやく安定してきたころ、住宅不足解消と恒久的な住宅供給を目的とし普及していった“団地”。そもそもの始まりは大正期にまでさかのぼるというから驚きです。本書ではそんな団地の基礎知識として「フラット型」「ポイント型」「ツインコリダー型」など代表的な団地の住棟形状についてや、団地の間取りの代名詞的存在「51C型」についてなどを紹介。また、同潤会代官山アパートから東雲キャナルコートCODANに至るまで、18の新旧傑作団地を写真付きで掲載しています。そこには社会背景や経済、建築技術の進歩などの影響を受けて時代と共に変化を遂げてきた団地の姿があり、当時の時代背景に思いをはせるとまるでタイムスリップしたかのような感覚に。巻末には「団地の行方」と題されたコラムが掲載されており、“家余り”の昨今、寿命を迎えたと思われていた団地を、建て替えとは異なる形で再生させる「ルネサンス計画」について紹介。既存の2住戸を一体化して1住戸としたり、古い団地を民間に貸し出して高齢者施設に転用するなど、団地が再び輝きを取り戻し始めた様子がうかがえます。

『世界一美しい団地図鑑』 『世界一美しい団地図鑑』

『世界の夢の集合住宅』

死ぬまでに行きたい世界の図書館「集合住宅」という言葉を聞いて、日本でいうマンションやアパートを想像すると、その概念は音をたてて崩れることでしょう。そこには、単なる“複数世帯が集まった住宅形態”という枠を飛び越えた建物の数々が紹介されています。例えば、ドイツにある「緑の砦」と名付けられた集合住宅は、オーストリアの画家、芸術家、建築家であるフンデルトヴァッサーの設計に基づいたもの。ピンク色を基礎とした色彩豊かなお城のような建物の中には、55の賃貸住宅、オフィス、ショップ、カフェ、幼稚園、医療施設、アートホテルなどがあり、住み、働き、買い物し、人と出会うことができる場所となっています。また、スウェーデンの街並みに出現した国内最高層の建物「ターニング・トルソ」は、その奇抜なデザインとは裏腹に持続可能性への取り組みが進められ、使用エネルギーの100%が地域で生産された再生可能エネルギーとなっています。日本国内ではお目にかかれないような、目を引くデザイン性の高い未来型住居や、省エネと快適さを両立したエコ住宅など、世界中から集められた100超もの集合住宅が全編カラー写真付きで紹介されています。

『世界の夢の集合住宅』『世界の夢の集合住宅』

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