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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ちはやふる ‐下の句‐
  • ちはやふる ‐下の句‐
  • 『ちはやふる ‐下の句‐ 通常版 Blu-ray&DVDセット』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:東宝
  • ■価格:¥3,500+税
  • 監督:小泉徳宏
  • 出演:広瀬すず 野村周平 真剣 佑
    上白石萌音 矢本悠馬 森永悠希 清水尋也
    松岡茉優 松田美由紀 國村 隼 他
 

(C) 2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

近江神宮(滋賀〜日本)

鮮やかな朱塗りの楼門が映える“かるたの聖地”


パワーズコート(アイルランド)

(C)みのやんさん

競技かるたに情熱を燃やす千早、新、太一たちの熱き青春を描いた末次由紀原作の漫画「ちはやふる」。映画『ちはやふる ‐下の句‐』では、東京代表として全国大会へ駒を進めた千早・太一率いる瑞沢高校かるた部が、団体戦および最強クイーンである若宮詩暢に挑みます。

「真っ赤だね」。そうつぶやいた千早の視線の先に見えるのは、色鮮やかな朱塗りの楼門。この楼門の奥に本殿を構えているのが『ちはやふる』を象徴する建物・近江神宮です。近江神宮は天智天皇を祭神として創祀(そうし)されました。また、小倉百人一首の巻頭歌「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」が天智天皇の御詠とされていることから、毎年1月に競技かるたのチャンピオンを決める名人位、クイーン位決定戦が行われ、“かるたの聖地”と呼ばれています。

近江神宮は皇紀2600年を記念して1940(昭和15)年に創建されました。本殿・祝詞殿・内外拝殿を回廊が取り囲んだ建築様式は「近江造」または「昭和造」と呼ばれる独特のもので、平成10年より国の登録有形文化財に登録されています。千早と詩暢がすれ違うシーンが撮影されたのは、楼門から外拝殿へと向かう階段で、その先にある外拝殿では瑞沢高校かるた部が大会前の祈願をしていました。外拝殿に向かって右にしばらく進むと、競技かるたの試合が行われる“選手憧れの地”、近江勧学館があります。約6万坪にも及ぶ広大な境内には、日本で最初の時計である漏刻や日時計が置かれるなど見どころもたくさん。社務所では『ちはやふる』のイラストと百人一首の歌15首が記された特製おみくじも売られており、『ちはやふる』の世界を存分に楽しむことができます。

“青春マンガの大本命”ついに実写映画化!

■Introduction

累計発行部数1700万部突破の末次由紀による同名漫画を実写映画化。『タイヨウのうた』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』など、等身大の若者たちを生き生きと描き、青春映画に定評のある小泉徳宏が監督と脚本を務める。主人公・綾瀬千早を演じるのは、『海街diary』『怒り』など話題作への出演が続く若手実力派女優・広瀬すず。本作が映画初主演となる。千早の幼なじみ、真島太一を演じるのは野村周平。同じく千早の幼なじみ綿谷新を真剣佑、千早のライバル若宮詩暢を松岡茉優、さらに上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也ら次世代を担う若手俳優陣が集結。また、松田美由紀、國村隼らベテラン俳優陣が脇を固める。

■Story

綾瀬千早(広瀬すず)、真島太一(野村周平)、綿谷新(真剣佑)は幼なじみ。いつも一緒にかるたで遊んでいたが、家の事情で新が引っ越し、離れ離れになってしまう。高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、再会した太一と共に瑞沢高校“競技かるた部”を作る。創部1年ながら、エース・千早の活躍と抜群のチームワークで見事、東京都大会を優勝。舞台はいよいよ全国大会へと進む。しかし、千早は新の「かるたはもうやらん…」という告白にショックを受けてしまう。全国大会へ向けて懸命に練習に励む中、千早は同級生ながら“最強のクイーン”と呼ばれる若宮詩暢(松岡茉優)の存在を知る。千早、太一、新の気持ちが少しずつすれ違っていき…。泣きたくなるほど熱い感動のクライマックスの、幕が上がる!

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ルーム
  • ルーム
  • 『ルーム』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
  • ■販売元:ハピネット(ピーエム)
  • ■価格:¥3,900円+税
  • 監督:レニー・アブラハムソン
  • 出演:ブリー・ラーソン ジェイコブ・トレンブレイ
    ジョアン・アレン ウィリアム・H・メイシー
    ショーン・ブリジャーズ 他
 

(C)Element Pictures/Room Productions Inc/Channel Four Television Corporation 2015

<世界>に飛び出した息子と<世界>に戻った母の出会いと別れ

キッチン、トイレ、お風呂がコンパクトにまとまっている小さな部屋は、5歳のジャックにとって楽しい遊び場です。しかし、母のジョイにとってこの薄暗い空間は監獄でしかありません。なぜなら彼らはここに監禁されているから…。

エマ・ドナヒューの小説「部屋」をレニー・アブラハムソン監督が映画化した『ルーム』は、7年間の監禁の果て、脱出に成功した母と息子の物語です。スリリングな脱出劇ではありますが、この映画のすごみはその先にこそ隠されていると言っても過言ではありません。

母の愛とありったけの勇気を胸に、空っぽだと教えられていた“本物”の世界へ飛び出したジャック。太陽、空、人、犬…。生まれて初めて見る世界は広くてきれいでちょっぴり怖い。だからジャックはママと一緒にあの居心地のよい“部屋”に戻りたいと思うのでした。一方ジョイも、やっと自由になれたというのに社会の好機の目や、拉致される前の19歳の自分にとらわれ、どんどん自分の世界に閉じこもってしまいます。忌まわしいはずの“部屋”は、出た後もなお2人の心に居座っているのです。

「監禁」という言葉は私たちの日常に決してなじみのあるものではありませんが、本作に誰もが共感できる理由は、母と息子の強い絆と、母子だけの生活を卒業する過程が丁寧に描かれているから。彼らの心をやんわりと解きほぐす祖母と、その恋人レオの存在に救われながら、ジョイとジャックが不器用に一歩ずつ進んでいく姿は胸を打ちます。本作でアカデミー主演女優賞を獲得した母親役のブリー・ラーソンと、難しい役どころをピュアに演じきった息子役のジェイコブ・トレンブレイによる迫真の演技がただただ素晴らしく、映画の最後に見せる2人の澄んだ表情がいつまでも心に残ります。

はじめまして、【世界】。 ■Introduction

世界で大ベストセラーを記録し、英国で最も権威ある文学賞・ブッカー賞の最終候補作、ニューヨーク・タイムズ「2010年のフィクション・ベスト5」に選ばれたエマ・ドナヒューの「部屋」を映画化。監督は『FRANK-フランク‐』のレニー・アブラハムソン。主演はハリウッドの大型演技派女優として賞レースに大旋風を巻き起こしているブリー・ラーソンが務める。子役は『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』のジェイコブ・トレンブレイ、そのほか、ジョアン・アレン、ウィリアム・H・メイシーらが名を連ねている。

■Story

7年前から施錠された部屋に監禁されているジョイ(ブリー・ラーソン)と、彼女がそこで出産し、外の世界を知らずに育った息子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。ジャックが5歳の誕生日を迎えたとき、ジョイは“部屋”しか知らないジャックに本当の世界を見せるため、脱出を図る。2人は奪われた人生を取り戻すはずだったが、現実の世界は決して楽園ではなく、予想もつかない出来事が次から次へと襲い掛かる―。

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