彦根城(滋賀〜日本)
美しさと実戦を兼ね備えた鉄壁の城

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徳川四天王の一人といわれた“井伊の赤鬼”こと井伊直政の流れを組む彦根城は、姫路城、松本城、犬山城、松江城と並び天守が国宝に指定されている連郭式平山城です。明治天皇の特旨により廃城を免れたため城郭がほぼ完全な形で残っており、戦乱時代の質実剛健さと、徳川時代の華やかな装飾を間近で見られる貴重な城となっています。
関ヶ原の戦いで勝利した直政は、石田三成の居城であった佐和山城を一掃し、新たな城の築城を計画するも先の戦いで負った傷がもとで死去。その跡を継いだ息子の直継・直孝が1604(慶長9)年より20年の歳月をかけて築いたのが彦根城です。彦根城の建築物には、大津城からの天守や佐和山城からの太鼓櫓門(やぐらもん)など、ほかの城から移築伝承されたものが多くあります。これは縁起担ぎのほか、コスト削減と工期短縮のためといわれています。「牛蒡積み(ごぼうづみ)」と呼ばれるどっしりとした石垣の上にそびえているのは、三階三重の天守。切妻破風、入母屋破風、唐破風などさまざまな破風が巧みに組み合わさっており、高欄付きの廻縁や花頭窓などの装飾が彦根城の美しさをより際立たせています。また、天守の内部には敵の襲撃を防御するための鉄砲狭間や矢狭間が75カ所も備えられており、美しさだけでなく、実戦に即した構造となっているのです。
戦国時代にタイムスリップし、織田信長として生きることになってしまったサブローの成長を描く『映画「信長協奏曲」』では、信長の居城である安土城の城門として、彦根城の天秤櫓が使用されました。石山本願寺を討伐するため信長の武将たちがここから出陣していきましたが、敵陣は前方と左右の三方向から突破しなければならず、その知略を凝らした防衛力の高さもまた、彦根城の魅力です。
歴史変えちゃいますか?
■Introduction「織田信長が実は現代からタイムスリップした高校生だったら」という奇想天外な着想と、そのポップな世界観から累計300万部を突破した石井あゆみ原作のコミック「信長協奏曲」の劇場版。主人公の高校生サブローと織田信長の一人二役に挑む小栗旬を筆頭に、柴咲コウや向井理、山田孝之など“月9”で放送されたテレビドラマ版の豪華キャストが再集結した。監督も、テレビドラマ版を手掛けた松山博昭が務める。
■Story安土城の完成と天下統一を目前にしたサブロー(小栗旬)は、ふと手にした教科書で織田信長が間もなく死ぬ運命にあることを知る。その運命に戸惑い苦悩するサブローだったが、帰蝶(柴咲コウ)や家臣たちの力強い支えの下、運命にあらがい、この時代で生き抜くことを誓うのだった。そして、愛する帰蝶との結婚式を計画するサブロー。しかし、サブローの周りでは不穏な企てが水面下で動き出していた。周囲から愛されるサブローに嫉妬心を抱く光秀。積年の恨みを持ち、信長暗殺の機をうかがう秀吉。1582年、本能寺で彼を待ち受けるものとは―?