クラブ・エス ウェブマガジン

アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

映画「信長協奏曲」
  • 映画「信長協奏曲」
  • 『映画「信長協奏曲」』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:フジテレビジョン
  • ■販売元:ポニーキャニオン
  • ■価格:¥3,800+税
  • 監督:松山博昭
  • 出演:小栗 旬 柴咲コウ 向井 理
    藤ヶ谷太輔 水原希子 古田新太
    濱田 岳 嶋政宏 山田孝之 他
 

(C) 石井あゆみ/小学館 (C) 2016 フジテレビジョン 小学館 東宝 FNS27社

彦根城(滋賀〜日本)

美しさと実戦を兼ね備えた鉄壁の城


ブラッドベリ・ビル(ロサンゼルス〜アメリカ)

(C)lanx

徳川四天王の一人といわれた“井伊の赤鬼”こと井伊直政の流れを組む彦根城は、姫路城、松本城、犬山城、松江城と並び天守が国宝に指定されている連郭式平山城です。明治天皇の特旨により廃城を免れたため城郭がほぼ完全な形で残っており、戦乱時代の質実剛健さと、徳川時代の華やかな装飾を間近で見られる貴重な城となっています。

関ヶ原の戦いで勝利した直政は、石田三成の居城であった佐和山城を一掃し、新たな城の築城を計画するも先の戦いで負った傷がもとで死去。その跡を継いだ息子の直継・直孝が1604(慶長9)年より20年の歳月をかけて築いたのが彦根城です。彦根城の建築物には、大津城からの天守や佐和山城からの太鼓櫓門(やぐらもん)など、ほかの城から移築伝承されたものが多くあります。これは縁起担ぎのほか、コスト削減と工期短縮のためといわれています。「牛蒡積み(ごぼうづみ)」と呼ばれるどっしりとした石垣の上にそびえているのは、三階三重の天守。切妻破風、入母屋破風、唐破風などさまざまな破風が巧みに組み合わさっており、高欄付きの廻縁や花頭窓などの装飾が彦根城の美しさをより際立たせています。また、天守の内部には敵の襲撃を防御するための鉄砲狭間や矢狭間が75カ所も備えられており、美しさだけでなく、実戦に即した構造となっているのです。

戦国時代にタイムスリップし、織田信長として生きることになってしまったサブローの成長を描く『映画「信長協奏曲」』では、信長の居城である安土城の城門として、彦根城の天秤櫓が使用されました。石山本願寺を討伐するため信長の武将たちがここから出陣していきましたが、敵陣は前方と左右の三方向から突破しなければならず、その知略を凝らした防衛力の高さもまた、彦根城の魅力です。

歴史変えちゃいますか?

■Introduction

「織田信長が実は現代からタイムスリップした高校生だったら」という奇想天外な着想と、そのポップな世界観から累計300万部を突破した石井あゆみ原作のコミック「信長協奏曲」の劇場版。主人公の高校生サブローと織田信長の一人二役に挑む小栗旬を筆頭に、柴咲コウや向井理、山田孝之など“月9”で放送されたテレビドラマ版の豪華キャストが再集結した。監督も、テレビドラマ版を手掛けた松山博昭が務める。

■Story

安土城の完成と天下統一を目前にしたサブロー(小栗旬)は、ふと手にした教科書で織田信長が間もなく死ぬ運命にあることを知る。その運命に戸惑い苦悩するサブローだったが、帰蝶(柴咲コウ)や家臣たちの力強い支えの下、運命にあらがい、この時代で生き抜くことを誓うのだった。そして、愛する帰蝶との結婚式を計画するサブロー。しかし、サブローの周りでは不穏な企てが水面下で動き出していた。周囲から愛されるサブローに嫉妬心を抱く光秀。積年の恨みを持ち、信長暗殺の機をうかがう秀吉。1582年、本能寺で彼を待ち受けるものとは―?

ページトップ

リリーのすべて
  • リリーのすべて
  • 『リリーのすべて』
  • ■発売日:4月7日発売
  • ■価格:¥1,429円+税
  • 監督:トム・フーパー
  • 出演:エディ・レッドメイン
    アリシア・ヴィキャンデル ベン・ウィショー
    アンバー・ハード マティアス・スーナールツ 他

 

(C) 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

性差を超えて。真実の愛を貫いた夫婦の物語

世界で初めて性適合手術を受けたリリー・エルベの半生をつづった小説「The Danish Girl」を映画化。“トランスジェンダーのパイオニア”という扇情的な題材を、『英国王のスピーチ』のトム・フーパー監督はアイデンティティを模索する主人公と彼を愛する妻ゲルダの葛藤に焦点を当て、魂を揺さぶる感動作へと仕立て上げました。

1926年のデンマークで活躍する風景画家アイナーは、肖像画家である妻ゲルダから女性モデルの代役を頼まれたことをきっかけに、自分の中に眠る“女性”の存在に気付きます。アイナーは次第に自分の中の女性を具現化した「リリー」として過ごすことが多くなり…。まだトランスジェンダーという概念もなかったこの時代、「リリー・エルベとして生きたい」と願ったアイナーの胸の高鳴り、戸惑い、苦悩を美しく繊細に表現したエディ・レッドメイン。オスカー俳優の実力を遺憾なく発揮する彼に、本作でアカデミー賞助演女優賞を獲得したゲルダ役のアリシア・ヴィキャンデルも圧巻の演技で応えます。

愛する夫が女性として変わってしまうことへの戸惑い、いら立ち、寂しさ、悲しさ。しかし一方で肖像画家としての自分は、創作の対象としてリリーを強く求めています。そんなジレンマに陥りながらも、リリーとして生まれ変わった夫の理解者となり“彼女”を支えていくゲルダの姿は感動的です。アイナーにとってリリーとは、命を賭けても成し遂げたい自分のすべて。そんなリリーのすべてを受け入れ一緒に生きようとするゲルダ。人を愛するとはどういうことか、夫婦の決断からその意味を深く考えさせられます。

あなたの愛で、本当の自分になれた。 ■Introduction

80年以上前に世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話に基づく勇気と愛の物語。『英国王のスピーチ』でアカデミー賞4部門を受賞し、『レ・ミゼラブル』で世界中の観客を涙させた巨匠トム・フーパーが監督を務める。主演は、『博士と彼女のセオリー』で英米のアカデミー賞を制覇し、若手演技派スターのトップに躍り出たエディ・レッドメイン。共演は『コードネーム U.N.C.L.E.』『ボーン』シリーズ新作のヒロインに抜てきされた注目女優のアリシア・ヴィキャンデル。その他、ベン・ウィショー、アンバー・ハード、マティアス・スーナールツら豪華キャストが結集した。

■Story

1926年、デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、肖像画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)と、公私共に充実した日々を送っていた。そんなある日、ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、アイナーは自分の内側に潜んでいた“女性”の存在に気付く。それ以来“リリー”という名の女性として過ごす時間が増えていくアイナーは、心と身体が一致しない自分に困惑する。一方のゲルダも、夫が夫でなくなっていく事態に戸惑うが、次第にリリーこそがアイナーの本質なのだと理解していく。

ページトップ