クラブ・エス ウェブマガジン

アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ボーン・アイデンティティー
  • ボーン・アイデンティティー
  • 『ボーン・アイデンティティー』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:¥1,429+税
  • 監督:ダグ・リーマン
  • 出演:マット・デイモン フランカ・ポテンテ
    クリス・クーパー クライヴ・オーウェン 他
 

(C) 2002 Kalima Productions GmbH & Co.KG. All Rights Reserved.

グランダルシュ(パリ〜フランス)

パリの新旧をつなぐ20世紀の凱旋(がいせん)門


グランダルシュ(パリ〜フランス)

(C)photovicky

凱旋(がいせん)門があるシャルル・ドゴール=エトワール駅からメトロで約10分ほど、パリ北西部にある副都心ラ・デファンス地区は、伝統的なパリの街並みとは異なり、近代的な高層ビル群が建ち並ぶビジネスエリア。このエリアでひときわ目を引くのが大きな門の形をしたグランダルシュです。

グランダルシュは“パリの歴史軸”と呼ばれる、歴史的建築物、記念碑、道路などを結ぶ直線上にあります。その形から“新凱旋門”とも呼ばれていますが、実際はオフィスや役所が入る高層ビルで、マット・デイモン主演のボーン・シリーズ第1作『ボーン・アイデンティティー』では、記憶を無くした元CIA要因のジェイソン・ボーンが、“ケイン”という名を手掛かりにこのグランダルシュの中に入る会社を訪れていました。

側面と内部がガラス張り、それ以外は大理石で造られた四次元超立方体のこの建物でまず驚くのはその大きさです。高さは110mでエトワール凱旋門の約2倍はあり、幅108m、奥行112mの広さを誇ります。真ん中の空洞部にはノートルダム大聖堂がすっぽり収まるというから、その巨大さは圧巻の一言。1985年に着工され、人権宣言200周年となる1989年7月に落成。門の柱部分に当たる両側には、87,000平方メートルのオフィス空間があり、12本の柱が30万トンのビルの重さを支えています。デンマークの建築家、ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセンは、4次元から3次元の世界が見渡せる「世界への窓」という思いを込めてこのグランダルシュを設計したそう。展望台からは新旧のパリの景色と、この街の時代の流れを体感できることでしょう。

ヨーロッパを縦断して繰り広げられる壮絶なチェイス!
マット・デイモン主演の新感覚スパイ・アクション!!

■Introduction

人気作家ロバート・ラドラムによるポリティカル・サスペンス“ボーンシリーズ”の第1作「暗殺者」を、『スウィンガーズ』『go』の俊英ダグ・リーマン監督が映画化。マット・デイモンが主演を務め、記憶喪失でありながらなぜか戦闘能力や語学が堪能な男を演じる。そんな男に協力する女性役として『ラン・ローラ・ラン』のヒロイン役、フランカ・ポテンテが共演。

■Story

ある嵐の夜、マルセイユ沖でイタリアの漁船が海上に漂う若い男(マット・デイモン)を発見し、引き上げる。意識不明なその男の背中には弾痕があり、皮下にはスイス・チューリッヒの銀行口座番号を記したマイクロカプセルが埋め込まれていた。男はなんとか息を吹き返すが、記憶を失っており、自分の名前も分からない状態。数週間後、彼はマイクロカプセルに記されたスイスの銀行に向かう。その貸金庫には、パリ在住とされたジェイソン・ボーンという名義のアメリカ合衆国パスポートをはじめ、多数の偽造パスポートや大金、そして拳銃が入っていた。やがて暗殺者たちに狙われ始めた彼は、偶然出会ったマリー(フランカ・ポテンテ)の協力を得てパリへと向かう。

ページトップ

リリーのすべて
  • 団地
  • 『団地』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:キノフィルムズ
  • ■販売元:ハピネット(ピーエム)
  • ■価格:¥3,900円+税
  • 監督:阪本順治
  • 出演:藤山直美 岸部一徳 大楠道代 石橋蓮司 斎藤 工
    冨浦智嗣/竹内都子 濱田マリ 原田麻由 滝裕可里
    宅間孝行 小笠原弘晃/三浦誠己 麿 赤兒 他

 

(C)2016「団地」製作委員会

コメディ、ミステリー、SF。何でもアリな団地の世界

昭和30〜40年代、高度経済成長期に建てられ庶民の憧れだった「団地」。半世紀経ち、住民の高齢化や設備の老朽化などの問題も抱えていますが、近年はリノベーションを経て再び活気を取り戻してきています。『顔』以来16年ぶりに藤山直美を主演に迎えて阪本順治監督が作ったのは、そんな団地を舞台に初老の夫婦と住人たちが巻き起こす奇妙でおかしな物語です。

漢方薬局を畳んだ初老の夫婦、清治とヒナ子が引っ越してきた団地は、エレベーターが無い年季の入った5階建ての建物と、オブジェのような球体の給水塔、住民が集う集会所など、昭和の雰囲気を色濃く残す場所。調子のいい自治会長の行徳、その妻で“ゴミ監視役”の君子、クレーマーで次期会長を狙う吉住、暇を持て余した奥様たち…。この団地で繰り広げられるご近所付き合いは、良くも悪くも濃密で、新参者の2人は興味の的になっています。そんなある日、あることをきっかけに清治が「僕は死んだことにしてくれ!」と床下へ隠れてしまったことから、事態は思いも寄らぬ方向へ。

失踪? はたまた妻が夫を殺害? 奥様たちの井戸端会議を発端に、うわさがうわさを呼んでマスコミまでやってくる騒ぎに。「団地ってオモロイなぁ。うわさのコインロッカーや」。自分たちを餌に盛り上がる団地の住人。それを横目につぶやくヒナ子ですが、「団地では何が起こってもおかしくない!」と力強く宣言する自治会長の言葉通り、物語は誰もが予想しない展開へと転がっていきます。藤山直美、岸部一徳、石橋蓮司、大楠道代ら芸達者のとぼけた会話劇の中に、SFという爆弾を仕込んだ監督が魅せる「あり得ないけどあり得る」団地物語をご堪能ください。

【DANCHI】なんでもありえる昭和の集合住宅。
ウワサが転がる小宇宙。
■Introduction

舞台女優・藤山直美と阪本順治監督コンビによる人間関係コメディー。2人がタッグを組むのは、数多くの映画賞を総ナメにした映画『顔』以来、16年ぶりとなる。本作は阪本監督が藤山直美のために書き下ろした完全オリジナル脚本の会話劇で、さまざまな人生が交差する団地という“小宇宙”を舞台に、ごく平凡な夫婦の全然普通じゃない日常を、独特のオフビートな感覚で描きだす。藤山演じる山下ヒナ子の夫役を岸部一徳が演じ、そのほか石橋蓮司や斎藤工など個性豊かな俳優陣が脇を固める。

■Story

大阪近郊にある古ぼけた団地。半年ほど前に店を閉め、その一角へ引っ越してきたばかりの山下ヒナ子(藤山直美)は、夫で元漢方薬局店主の清治(岸部一徳)とひっそり暮らしていた。腰は低いがどこか世を捨てた雰囲気の2人に、住民たちは好奇心を隠せない。調子のいい自治会長の行徳(石橋蓮司)と、妻で“ゴミ監視役”の君子(大楠道代)。クレーマーで次期会長を狙う吉住(宅間孝行)に、暇を持て余した奥さま連中。時折訪れる妙な立ち居振る舞いの青年・真城(斎藤工)だけが、山下夫妻の抱えた過去を知っていた─。そんなある日、ささいな出来事でへそを曲げた清治が「僕は死んだことにしてくれ」と床下に隠れてしまう。夫の姿が団地から消えても、淡々とパートに通い続けるヒナ子の言動に、隣人たちの妄想は膨らむばかり。団地を覆った不安は一気にあらぬ方向へと走り出す。

ページトップ