クライスラー・ビルディング(ニューヨーク〜アメリカ合衆国)
アールデコの王冠が輝く、摩天楼で随一のビル

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アメリカ合衆国のニューヨーク市マンハッタン区、タートル・ベイに建つ超高層ビルであるクライスラー・ビルディングは、アールデコを施したその優美なデザインでニューヨーク、ひいてはアメリカを象徴する建築の一つです。サンドラ・ブロックとヒュー・グラント主演のロマンティック・コメディ『トゥー・ウィークス・ノーティス』では、2人が摩天楼を眼下にチャーター・ヘリの中で建築談義をするシーンがありますが、クライスラー・ビルディングに近寄ったカメラがこのビルの特徴である頂部の美しさを見事に映し出しています。
クライスラー・ビルディングは1928年に着工、2年後の1930年に落成しました。1920年代からニューヨークで起こった高層建築ラッシュの真っただ中、自動車会社クライスラーの本社ビルとして建てられたこのビル。当初、高さ282メートルの計画で建設されていましたが、高さを競っていたウォール街のウォールタワーが高さ283メートルで計画されていることを知った設計士のウィリアム・ヴァン・アレンは、急きょ変更を加えました。それは、秘密裏に高さ38メートルの尖塔(せんとう)を製造するというもの。クライスラー・ビルディングは、ウォールタワーの落成後に尖塔(せんとう)が追加され、晴れて高さ319メートルで世界一の称号を得ました。
落成の翌年には、エンパイア・ステート・ビルディングの完成によりその記録を塗り替えられてしまったクライスラー・ビルディングですが、アールデコ建築の古典的代表作として、今もなおアメリカの人気建築にランクインしています。しかし、あくまでオフィスビルであるこのビルに展望台などはなく、内部は1階のホールのみ見学可能となっています。ビルの全景が描かれたホールの天井画や寄せ木細工のエレベーターなど、意匠を凝らしたアールデコの装飾は80年以上経った今でもその輝きを失っておらず、いつまでも人々を魅了し続けています。
スキだと気づいたのは、奴のせいで辞表を出した時でした…
■Introduction『ラブソングができるまで』や『Re:LIFE〜リライフ〜』のマーク・ローレンス監督のデビュー作となった、2003年公開の映画。正義感の強い熱血派の女性弁護士と、仕事上の対立関係にあったハンサムだがどこか頼りない大富豪が恋に落ちてしまうロマンティック・コメディ。主演の女性弁護士を演じるのは、本作で製作も務めるサンドラ・ブロック。対立するハンサムな大富豪ジョージを『ノッティングヒルの恋人』や『アバウト・ア・ボーイ』のヒュー・グラントが演じる。
■Story理想家にして、敏腕なる女性弁護士ルーシー(サンドラ・ブロック)と、ニューヨーク有数の大富豪にして、ハンサムだがどこか軽薄で頼りない男ジョージ(ヒュー・グラント)。ふとしたきっかけから、ルーシーはジョージの元で働くことになるが、ジョージの要求の数々に耐えかね、ルーシーはついに「2週間後に辞めてやる!(トゥー・ウィークス・ノーティス)」と宣言してしまう。しかし皮肉なことに、そのときになって初めて、お互いの大切さに気付いてしまうのだった―。