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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

映画『俺物語!!』
  • 映画『俺物語!!』
  • 映画『俺物語!!』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:バップ
  • ■価格:\3,800+税
  • 監督:河合勇人
  • 出演:鈴木亮平 永野芽郁 坂口健太郎
    鈴木砂羽 寺脇康文 他
 

(C)アルコ・河原和音集英社 (C)2015映画「俺物語!!」製作委員会

せんだいメディアテーク(宮城〜日本)

軽さと自由を追求した伊東豊雄の代表的作品


ドイツ連邦議会議事堂(ベルリン〜ドイツ)

(C)2005 sendai mediatheque. all rights reserved

いかつい顔と体を持ち、情に厚い“ザ・日本男児”の猛男と、クールなイケメンの砂川、ピュアな女子高生・大和による恋と友情を描いた、映画『俺物語!!』。主人公・猛男役の鈴木亮平が1カ月で30kg増量し、原作とそっくりのキャラクターになりきったことも話題となりました。オール仙台ロケで制作された本作、物語冒頭のナンパ男から大和を助けるシーンが撮影されたのが、文化複合施設「せんだいメディアテーク」です。ここでは猛男が“壁ドン”ならぬ、ガラス窓をも揺るがす“壁ドカン”でナンパ男を撃退していました。

仙台の中心地・定禅寺通りで、ひときわ目を引くガラス張りのせんだいメディアテークは、建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞をはじめ、数多くの賞を受賞した世界的建築家・伊東豊雄の代表的作品です。フランス語で“メディアを収める棚”を意味する「メディアテーク」の名の通り、地下2階、地上7階からなる各フロアには書籍のほかにビデオやCD・DVDなど、映像や音楽をはじめとした多様な表現媒体が収集・保管されています。また、館内には図書館、ギャラリー、ミニシアター、スタジオなどが併設されており、情報化社会の活動拠点となっているのです。

7枚の鉄骨フラットスラブと13本の鉄骨独立シャフトで構成されているこの建物。鉄骨独立シャフトは“チューブ”と呼ばれ、大小のチューブはネットワークや空調などの設備配管、階段やエレベーターなど垂直動線を通すパイプとしての役割を担っています。うねりながら太さを変える形は、まるで海をたゆたう海藻のようで、建物に不思議な表情を生み出しています。フロアを貫く柱をアクセントにした開放的な館内に華を添えているのは、世界的デザイナーであるカリム・ラシッドが手掛けた赤いカウンターやヴィヴィッドなソファをはじめとした、国内外のそうそうたる有名デザイナーたちによる作品の数々。2001年の「グッドデザイン賞」グッドデザイン大賞に輝いたこの建物に、海外からも多くの見学者が訪れているのもうなずけることでしょう。

好きだ

■Introduction

原作は2013年「このマンガがすごい」オンナ編第1位に輝いた、河原和音の同名コミック。高校生離れした、いかつい見た目だが純情で優しい心根を持つ主人公・剛田猛男を演じるのは、NHK朝ドラ「花子とアン」や、映画『HK 変態仮面』など、幅広い役柄をこなす鈴木亮平。猛男がいちずに思い続けるピュアな女子高生・大和凛子役にはCMやドラマなどで活躍を見せる新星・永野芽郁。イケメンでクールな性格だが、実は友達思いの猛男の親友・砂川誠役を人気絶頂の坂口健太郎が演じる。さらに、鈴木砂羽や寺脇康文など、バラエティーに富んだ俳優陣が脇を固める。

■Story

まったく高校生には見えない顔面と巨体を持つ高校1年生の剛田猛男(鈴木亮平)。いかつい風貌と不器用さで女子から恐れられているが、情に厚くいつでも人助けをする包容力で男子からの人気は高い。そんな猛男の親友は、猛男とは正反対な“超イケメン”砂川誠(坂口健太郎)。ある日、猛男と砂川は街中で危機に遭っていた女子高生・大和凛子(永野芽郁)を救い、猛男は大和に一目ぼれしてしまう。再び3人で会うことになったある日、猛男はふとした大和のしぐさで「大和は砂川のことが好きなのだ」と勘違いしてしまう。落ち込みながらも大和のために一肌脱ぐことを決心する猛男。しかし大和は出会ったときから猛男のことが好きだったのだ。互いにすれ違ってしまう2人だが―。

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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります
  • ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります
  • 『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」パートナーズ
  • ■販売元:ポニーキャニオン
  • ■価格:¥3,800+税
  • 監督:リチャード・ロンクレイン
  • 出演:モーガン・フリーマン
    ダイアン・キートン シンシア・ニクソン 他
    ※Blu-ray同時発売中

 

(C)2014 Life Itself,LLC All Rights Reserved

熟年夫婦を通して体感するニューヨーク不動産売買

自分たちが住み慣れた家も年月を重ねていくと、家の老朽化をはじめ子供の独立、体が不自由になるなど、環境の変化に合わせた住まいの見直しを求められます。モーガン・フリーマンとダイアン・キートンという2人の名優が意外にも初共演を果たした本作は、熟年夫婦のこうした住宅問題を絡めながら、夫婦の絆を描いた味わい深い作品です。

ブルックリンを舞台に、40年間暮らした家を売って新しい家を探そうとする熟年夫婦の数日間を描いた『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』。アパートの最上階に住む画家のアレックスとルースはブルックリンを一望できるこの家を気に入っていましたが、唯一の欠点は建物にエレベーターがないこと。年長のアレックスの体を思い、家を手放すことを決意したルースと、彼女の気持ちを尊重しようとするアレックスは不動産ブローカーである、めいの力を借りて家を売ることにします。愛犬の急病、ニューヨークで起きたテロ騒動など予想外の出来事が起こる中で、2人は新たな住まいを探すのですが…。

2人が住むブルックリンのウィリアムズバーグは、90年代後半は夜の一人歩きが危険な場所でしたが、今やさまざまな施設が立ち並ぶ、最先端の人気観光スポットとなりました。アレックスとルースが出した「寝室2つ 採光よし レトロな雰囲気」という新聞広告に引かれ、内覧会には癖のある人たちが大挙して訪れますが、その物件価格はなんと約90万ドル(約1億円)だというから、このエリアの人気の高さがうかがえます。白熱する入札合戦、迫るタイムリミット、売るのか? 買うのか? マネーゲームさながらの交渉合戦に見ているこちらもジリジリしますが、2人はそんな激流にもまれながら、平たんではなかったこれまでの夫婦の歩みを思い出していきます。2人が売ろうとしているのは、ただの「不動産」ではなく、思い出のたくさん詰まった「家」だということ。夫婦が下した決断に、心がほのぼのとします。

人生も、リノベーションしてみませんか ■Introduction

ハリウッドきっての名優モーガン・フリーマンと、アメリカを代表する名女優ダイアン・キートン。共演の企画を探していた2人が巡り合ったのは、ロサンゼルス・タイムズから「ほとんど完璧な小説」と評されたロングセラー小説「眺めのいい部屋売ります」映画化の企画だった。年長の夫を思い、家を手放すことを決意した妻ルースと、妻の気持ちをおもんぱかって承諾したものの、本当は売りたくない夫アレックス。紆余(うよ)曲折ありながらも長年連れ添った夫婦の心の機微を、名優2人が軽やかに演じ切り、物語に深みを添えている。監督は『リチャード三世』のベテラン監督リチャード・ロンクレインが務める。

■Story

ブルックリンの街を一望できるアパートメントの最上階、画家のアレックス(モーガン・フリーマン)と愛妻ルース(ダイアン・キートン)がこの理想的なわが家に住んで40年が経った。しかし、この5階建ての建物には「エレベーターがない」という欠点が。年長の夫の今後を心配したルースは、エレベーターのある住居に引っ越そうとアレックスを説き伏せ、2人は今の住まいを売ることを決意する。しかし、購入希望者へのオープンハウスを明日に控えた日、愛犬ドロシーがヘルニアで手術をすることになってしまう。さらに近所でテロ事件が勃発し、夫婦は予測不可能なとんでもない週末を迎えることに…。

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