せんだいメディアテーク(宮城〜日本)
軽さと自由を追求した伊東豊雄の代表的作品

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いかつい顔と体を持ち、情に厚い“ザ・日本男児”の猛男と、クールなイケメンの砂川、ピュアな女子高生・大和による恋と友情を描いた、映画『俺物語!!』。主人公・猛男役の鈴木亮平が1カ月で30kg増量し、原作とそっくりのキャラクターになりきったことも話題となりました。オール仙台ロケで制作された本作、物語冒頭のナンパ男から大和を助けるシーンが撮影されたのが、文化複合施設「せんだいメディアテーク」です。ここでは猛男が“壁ドン”ならぬ、ガラス窓をも揺るがす“壁ドカン”でナンパ男を撃退していました。
仙台の中心地・定禅寺通りで、ひときわ目を引くガラス張りのせんだいメディアテークは、建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞をはじめ、数多くの賞を受賞した世界的建築家・伊東豊雄の代表的作品です。フランス語で“メディアを収める棚”を意味する「メディアテーク」の名の通り、地下2階、地上7階からなる各フロアには書籍のほかにビデオやCD・DVDなど、映像や音楽をはじめとした多様な表現媒体が収集・保管されています。また、館内には図書館、ギャラリー、ミニシアター、スタジオなどが併設されており、情報化社会の活動拠点となっているのです。
7枚の鉄骨フラットスラブと13本の鉄骨独立シャフトで構成されているこの建物。鉄骨独立シャフトは“チューブ”と呼ばれ、大小のチューブはネットワークや空調などの設備配管、階段やエレベーターなど垂直動線を通すパイプとしての役割を担っています。うねりながら太さを変える形は、まるで海をたゆたう海藻のようで、建物に不思議な表情を生み出しています。フロアを貫く柱をアクセントにした開放的な館内に華を添えているのは、世界的デザイナーであるカリム・ラシッドが手掛けた赤いカウンターやヴィヴィッドなソファをはじめとした、国内外のそうそうたる有名デザイナーたちによる作品の数々。2001年の「グッドデザイン賞」グッドデザイン大賞に輝いたこの建物に、海外からも多くの見学者が訪れているのもうなずけることでしょう。
好きだ
■Introduction原作は2013年「このマンガがすごい」オンナ編第1位に輝いた、河原和音の同名コミック。高校生離れした、いかつい見た目だが純情で優しい心根を持つ主人公・剛田猛男を演じるのは、NHK朝ドラ「花子とアン」や、映画『HK 変態仮面』など、幅広い役柄をこなす鈴木亮平。猛男がいちずに思い続けるピュアな女子高生・大和凛子役にはCMやドラマなどで活躍を見せる新星・永野芽郁。イケメンでクールな性格だが、実は友達思いの猛男の親友・砂川誠役を人気絶頂の坂口健太郎が演じる。さらに、鈴木砂羽や寺脇康文など、バラエティーに富んだ俳優陣が脇を固める。
■Storyまったく高校生には見えない顔面と巨体を持つ高校1年生の剛田猛男(鈴木亮平)。いかつい風貌と不器用さで女子から恐れられているが、情に厚くいつでも人助けをする包容力で男子からの人気は高い。そんな猛男の親友は、猛男とは正反対な“超イケメン”砂川誠(坂口健太郎)。ある日、猛男と砂川は街中で危機に遭っていた女子高生・大和凛子(永野芽郁)を救い、猛男は大和に一目ぼれしてしまう。再び3人で会うことになったある日、猛男はふとした大和のしぐさで「大和は砂川のことが好きなのだ」と勘違いしてしまう。落ち込みながらも大和のために一肌脱ぐことを決心する猛男。しかし大和は出会ったときから猛男のことが好きだったのだ。互いにすれ違ってしまう2人だが―。