東京駅(東京〜日本)
美しくよみがえった東京の玄関口

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特撮怪獣映画の金字塔『ゴジラ』シリーズ。国内製作では12年ぶりとなる同シリーズ最新作の『シン・ゴジラ』で総監督&脚本を務めたのは、人気アニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明。核の悲劇をテーマとしたオリジナルの『ゴジラ』(54)を踏襲しつつ、東日本大震災を連想させる災害の恐ろしさをゴジラに見立て、緊迫感溢れる映像で見せていきます。政府の危機管理対策や国際社会の動きなど、リアリティーのある演出は、そのまま現代の日本が抱える問題を提示しているよう。そこで長谷川博己演じる矢口たちが見せる頑張りは「これぞ大和魂!」と、私たちの胸を熱くさせてくれることでしょう。
神奈川〜東京を侵害し、破壊の限りを尽くしたゴジラですが、矢口率いる人間たちとの最終決戦の舞台となったのが国の重要文化財でもある東京駅丸の内駅舎です。辰野金吾の設計により1914年(大正3年)に竣工。デザインは、クイーン・アン様式と呼ばれる英国建築の流れに位置付けられるもの。辰野のほかの作品にも多く見られる、赤レンガと白い花こう岩のストライプで外観を印象付ける手法は「辰野式」とも呼ばれ、日本の玄関口にふさわしい風格ある佇まいを見せています。開業当初は3階建てでしたが、1945年の東京大空襲で損壊し、戦後応急的に行われた修復工事で2階建てに変更。2012年には耐震化などの復元工事により、創建時の姿を取り戻しました。60年の時を経てよみがえった南北ドームは外観もさることながら、8つの干支(えと)や、8羽の勇猛なワシのレリーフなど、創建時の意匠を凝らした内部の装飾も見事で、美しいドームを見上げる人が多く見られます。
丸の内駅舎とともに再オープンした東京ステーションホテルと東京ステーションギャラリーをはじめ、ショッピング、レストランエリアなど、2014年に開業100周年を迎え、ますます充実の東京駅。劇中では打倒ゴジラの<ヤシオリ作戦>によって、東京駅はとんでもないことになりますが、同時にこの東京駅でなければ実行できなかった作戦をご堪能ください。
現実(ニッポン) 対 虚構(ゴジラ)。
■Introduction第1作の『ゴジラ』(1954年)が公開されてから約60年、国内シリーズ12年ぶりとなる最新作で脚本・総監督を務めるのは、人気アニメーション「エヴァンゲリオン」シリーズの生みの親にして、日本のみならず世界中にファンを持つ庵野秀明。本作のゴジラは史上最大となる体長118.5メートル、国内シリーズ初のフルCGで描かれ、想像をはるかに超える最強の“完全生物”としてスクリーンに現れる。ゴジラに立ち向かうキャストには、長谷川博己、竹野内豊、石原さとみなど、日本を代表する豪華俳優陣が集結。さらに日本映画では異例の3監督・4班体制、総勢1000人以上のスタッフによる超大規模撮影を敢行した。
■Storyある日、東京湾アクアトンネルが巨大なごう音とともに大量の浸水に巻き込まれ、崩落するという、原因不明の事故が発生した。内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)は、海中にすむ巨大生物による可能性を指摘するが、内閣総理大臣補佐官の赤坂秀樹(竹野内豊)をはじめ、周囲は矢口の意見を一笑に付す。しかしその直後、海上に正体不明の巨大な生物が現れた。政府は緊急対策本部を設置。米国国務省からは、女性エージェントのカヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)が派遣され、未曽有の脅威に対し、日本のみならず世界もその行方を注視し始める。そして、“ゴジラ”と名付けられたその巨大生物と自衛隊による一大決戦の火ぶたが切られた―。