メヘラーンガル城(ジョードプル〜インド)
マハラジャたちが愛した豪華絢爛(けんらん)な太陽の砦(とりで)

(C)Rafal-Cichawa
インド北西部、タール砂漠の入口に位置する城塞(じょうさい)都市、ジョードプル。「ブルーシティー」の愛称を持つほど、壁を青く塗った家々が連なるこの美しい町には、「太陽の砦(とりで)」と呼ばれる巨大な城、メヘラーンガルがそびえ立っています。高さ約120mの切り立つ岩山の上に、さらに36mの城壁を積み上げて築いた城は他を圧倒しており、「ジャングル・ブック」の著者であるイギリスの文学者、ラドヤード・キップリングは、その威容さを「巨人の創造物」だと例えています。
マールワール王国こと、ヒンドゥー王朝の都として、1459年に当時のマハラジャ(※藩王)
であるジョーダが築いた都市、ジョードプル。その都城であるメヘラーンガル城は、ジャヤ・ポル(勝利の門)からローハ・ポル(鉄の門)まで7つの門が敵を阻む難攻不落の城でした。インドとイスラムの流れを組む「ムガル様式」と、透かし彫りなどの繊細な彫刻が特徴の「ラージプート様式」が融合した城内は、今もマハラジャ所有のものですが、博物館として一般に公開されており、黄金の輿(こし)や、家具、武器などを見ることができます。「花の間」を意味するフール・マハルや、「真珠の間」を意味するモティ・マハルなど、ダイヤやルビー、象牙といった贅(ぜい)の限りを尽くす王族の部屋は、当時のマハラジャの権力の大きさをうかがわせます。
クリストファー・ノーラン監督によるバットマンシリーズの完結編『ダークナイト・ライジング』では、主人公のブルース・ウェインがゴッサムシティー破壊をもくろむテロリスト・ベインにより、かつてない窮地に追い込まれます。ベインが“この世の地獄”と呼んだ深い深い穴から這い上がってきたブルース。そのとき目の前にそびえ立っていたのが、この鉄壁の防御を誇るメヘラーンガル城でした。果たしてブルースはこの雄大な城を見て何を思っていたのでしょうか。
伝説が、壮絶に、終わる。
■Introduction『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』に続くシリーズ完結編。監督を務めるのは1作、2作に続くクリストファー・ノーラン。『ダークナイト』から8年後の世界を舞台に、ゴッサム・シティーを破壊しようとする殺し屋ベインと戦い、謎に包まれたキャット・ウーマンの真実を暴くブルース・ウェインの姿を描く。シリーズを通して主役のバットマン/ブルース・ウェインを演じるのはクリスチャン・ベール。そのほか、新キャストとしてアン・ハサウェイやトム・ハーディら実力派俳優陣が脇を固める。
■Storyダークナイト【=バットマン/ブルース・ウェイン】(クリスチャン・ベール)が夜の闇に消え、一瞬にしてヒーローから逃亡者となってしまったあの夜から8年。地方検事ハービー・デントの死の責任を一身に背負い、ダークナイトは、ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)と共に目指した大義のために、すべてを犠牲にした。そんな中、一人のずる賢い泥棒の登場をきっかけに事態が一変する。しかし、ゴッサムとダークナイトにとっての真の脅威は、覆面テロリスト・ベイン(トム・ハーディ)の出現だった。ゴッサムを恐怖のどん底に陥れるベインのたくらみによって、ブルース・ウェインは自ら課した“潜伏期間”を切り上げざるを得なくなる―。