ヴェッキオ宮殿(イタリア〜フィレンツェ)
幻の名画が眠る歴史ある市庁舎

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レオナルド・ダ・ヴィンチの名画に隠された謎を追った『ダ・ヴィンチ・コード』、ヴァチカンを舞台に秘密結社イルミナティの陰謀に挑んだ『天使と悪魔』に続く、宗教象徴学者ロバート・ラングドンの活躍を描くシリーズ第3作目。本作では人類滅亡をたくらむ生化学者の計画を阻止すべく、ダンテの「神曲」<地獄篇(インフェルノ)>に隠された暗号の謎に迫ります。
何者かに襲われ記憶を失ったラングドン教授が、唯一の手掛かりを頼りに医師のシエナと訪れたのが「アルノルフォの塔」が目印のヴェッキオ宮殿です。まるで要塞(ようさい)のようなゴシック様式のシンプルな外観ですが、内部はルネッサンス様式で、まさに宮殿と呼ぶにふさわしい華やかさを誇ります。1299年〜1314年にかけて、アルノルフォ・ディ・カンビオにより建設されたヴェッキオ宮殿は、かつてフィレンツェ共和国の中央政庁であり、16世紀半ばには実質的なフィレンツェの支配者として君臨していたメディチ家の住居としても使われました。現在は市庁舎兼、美術館として一般に開放されています。
ヴェッキオ宮殿内で最も人気のある場所が、劇中に登場した「五百人広間」です。およそ幅23メートル、長さ54メートル、高さ18メートルの広さを誇り、共和国時代にはここで市民会議が行われていました。天井には金で縁取られた鮮やかな天井画、東西の壁にはジョルジュ・ヴァザーリらによる巨大なフレスコ画と、絵画で埋め尽くされた部屋は圧巻。2007年には物語の鍵となった「マルチャーノ・デッラ・キアーナの戦い」の下にレオナルド・ダ・ヴィンチの未完作品が眠っていることが分かりました。映画さながらの謎の解明にロマンがかき立てられますが、本作の世界をより楽しみたい人は、ヴェッキオ宮殿が企画する「インフェルノツアー」がオススメ。秘密の通路や天井裏など通常見られない場所が、あなたの気分をさらに高めてくれることでしょう。
人類は滅びるー 全てはお前次第だ。
■Introductionダ・ヴィンチの名画に隠された謎に迫る『ダ・ヴィンチ・コード』、ガリレオが遺した暗号を解き秘密結社イルミナティの陰謀に迫った『天使と悪魔』に続く、世界的ベストセラー作家ダン・ブラウン原作によるシリーズ第3弾。数々の謎を解き明かしてきた宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授を、前2作に引き続きトム・ハンクスが演じる。ラングドンと共に謎を追う美しい女医シエナを演じるのは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』主演のフェリシティ・ジョーンズ。監督はシリーズ全作品を手掛けるアカデミー賞監督ロン・ハワード。
■Storyハーバード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は、フィレンツェの病院にて、数日間の記憶をなくした状態で目を覚ました。しかし謎の襲撃者に狙われ、美しい女医シエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)に助けられながら病院を脱出。何者かから追われる身となったラングドンとシエナは、生物学者ゾブリスト(ベン・フォスター)が人類増加問題の解決策として恐ろしい伝染病を世界に広めようとしていることを知る。そしてそれは、詩人ダンテの叙事詩「神曲」の<地獄篇(インフェルノ)>になぞらえた計画であることに気付き、阻止するべく奔走する―。