南禅寺(日本〜京都)
歴史的建築物が集まる禅宗寺院建築の名刹(めいさつ)

(C)oben901
「絶景かな、絶景かな。春の宵は値千両とは、小せえ、小せえ―」。これは歌舞伎の演目「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」で、天下を狙う石川五右衛門が回す名ぜりふ。南禅寺の山門から満開の桜を眺め、見えを切る姿は圧巻です。高さ22メートルの南禅寺山門は、別名「天下竜門」とも呼ばれ、知恩院、久遠寺と並び、日本三大門といわれています。京都の町を一望できる2階の五鳳楼からは、桜や紅葉など四季折々の見事な景色が拝めます。
臨済宗南禅寺派大本山である南禅寺は、京都五山・鎌倉五山のさらに上をいく“別格”であり、日本の禅寺の中で最も高い格式を持つ寺院です。開創は正応4(1291)年、亀山法王が無関普門禅師(大明国師)を開山として迎えたのがその始まりです。鎌倉時代から室町時代にかけて繁栄したものの、応仁の乱で焼失。その後、長い間荒廃していましたが、徳川家康の擁護の下、再建され発展を遂げました。
勅使門から、三門、法堂、方丈などが一直線上に並んだ伽藍(がらん)配置は、禅宗様独特のスタイル。昭和28年に国宝指定された、大方丈と小方丈からなる方丈には、狩野派の「群虎図」をはじめとする障壁画や欄間彫刻、蔀(しとみ)戸など、桃山時代の寝殿造りの優美な意匠を見ることができます。また、小堀遠州の作と伝えられる大方丈前面の庭園は、俗に「虎の子渡しの庭」と呼ばれており、枯山水の白砂と6つの石が織り成す風景は不思議と心を落ち着かせてくれることでしょう。この他、明治初期に建てられた赤れんが造りの疎水や、京都の三名勝史跡庭園の一つである南禅院など、広大な敷地に佇む歴史的建造物も必見です。
戦国時代にタイムスリップし織田信長と出会った平凡なOLが、「本能寺の変」を回避しようと奔走する姿を描いた『本能寺ホテル』では、重要文化財となっている山門の静ひつな風景が映し出されます。そのほか東福寺や仁和寺、下賀茂神社など京都の有名スポットも数多く登場。京都の魅力的な町をヒロインと散策しながら、「本能寺の変」を巡るミステリーをお楽しみください。
私が過ごした一日は、信長の最後の一日だった。
■Introduction日本史最大の謎といわれる「本能寺の変」を題材にした、完全オリジナルの歴史ミステリー。W主演を務めるのは、綾瀬はるか×堤真一。鈴木雅之監督がメガホンを取り、『プリンセス トヨトミ』のメインキャスト&スタッフが再結集した。その他、濱田岳、嶋政宏、風間杜夫など、個性豊かな俳優陣が脇を固める。
■Story倉本繭子(綾瀬はるか)は、ふとしたきっかけで京都の路地裏に佇むレトロな宿「本能寺ホテル」に宿泊する事に。一方、時は1582年。天下統一を目前に控えていた織田信長(堤真一)は森蘭丸(濱田岳)ら少数の家臣団と共に、京都・本能寺に滞在していた。そんな中、見慣れぬ格好の女が一人、寺に迷い込んでくる。その女は、400年後の世界からやってきた現代人・繭子だった。彼女が宿泊したのは、戦国時代につながる不思議なホテルだったのだ。訳もわからぬまま、信長と交流を深める繭子だが、その日が「本能寺の変」が起きる前日である事に気付く―。